スクウェア・エニックスより発売中のプレイステーション4用ソフト『ファイナルファンタジーVII リメイク』。現代の技術で作られた新しい『FFVII』は、グラフィックやバトルはもちろん、音楽も生まれ変わり、新規の楽曲も多数追加され、大幅にパワーアップ。そのオリジナルサウンドトラック『FINAL FANTASY VII REMAKE Original Soundtrack』は2020年5月27日に発売予定となっている。

 本稿では、その『FINAL FANTASY VII REMAKE Original Soundtrack』の発売を記念して、『FFVII リメイク』の音楽に携わった開発スタッフへのメールインタビューを実施。

 インタビューから伝わる細やかで多岐にわたるこだわりを通じて、開発スタッフの『FFVII リメイク』への並々ならぬ想いを感じたり、それらを知ることでゲーム体験がより深く、豊かなものになれば幸いだ。

 第4弾は『FFVII リメイク』ではコンポーザーを務める鈴木光人氏。

※これまでに公開したインタビューはこちら

鈴木 光人(すずき みつと)

スクウェア・エニックス所属の作曲家。
『ファイナルファンタジー VII リメイク』、『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』、『メビウス ファイナルファンタジー』、『スクールガールストライカーズ』などを担当。
近年ではゲームのみならず、TVアニメ『スクールガールストライカーズ Animation Channel』の楽曲制作、音楽専門誌での機材レビュー執筆や舞台音楽の制作にも携わっており、多方面で才能を発揮している。
音楽レーベル『mojera files & records』を立ち上げ“mojera”名義で作品をリリース、アーティストとしても活動中。

SQUARE ENIX MUSIC Official Blog「鈴木週報」

――オリジナルの『FFVII』発売当時は、どこでどんなことをされていましたか?

鈴木東京で勤めていたゲーム会社を退職し、ソロアルバムを作ったり、商業音楽の制作など“音楽”中心の生活を送っていました。この時期に出会った多くのミュージシャンやエンジニアは『FFVII リメイク』でもたくさん参加してもらってます。20数年後に自分が『FFVII リメイク』に参加するなんて想像もしなかったです。

――サントラは7枚組の大ボリュームで、鈴木さんも約30曲以上作曲されていますが、曲は当初からこれだけのオーダーがあったのでしょうか?

鈴木明確なリストが最初から用意されてたのでそれに沿って進める形でした。“絶対的に外せない曲”と“ロケーションまわり”。あとチームからも都度足りない部分のオーダーがあったので、対応していくうち、結果的に多くなりました。でもだいたいいつもそんな感じなので、ある程度スケジュール的に余力を残しておくのですが、今回はまぁまぁきびしい局面もありましたね。

――新曲を浜渦さんと担当されていますが、分担はどういうふうに決めたのでしょうか。

鈴木大枠の分担についてはCO-DIRECTOR(SCENARIO DESIGN)の鳥山(求)とサウンドの河盛が割り振りを決めています。鳥山からは直接僕にオーダーが来て「ここでこれが必要」、「ここでこんな風に鳴らしたい」という具体的なイメージを元に制作します。河盛とはサウンド内の立ち話から「ここ必要かも」とか「逆にこれそっちでお願いしていい?」 と割とざっくりとやり取りをしつつ、情報共有含め分担が決まっていくことが多かったです。

――ウォール・マーケットではダンスミュージックも多いと思うのですが、開発からのオファーはどんなものが?

鈴木開発に合流してすぐに鳥山から「振り付けをする為に先にBGMが〇〇曲必要、〇〇分位」というメールと絵コンテが届きました。通常、カットシーンでは絵に音のタイミングを合わせることがほとんどなのですが、今回はBGM側で事前に尺と構成を決めておく必要があると、そういった内容でした。

 方向性についてリサーチを進めていると鳥山から「週末に視察に行きます」と、これまたメールが届いて“その夜”の出来事がだいたい今回のイベントシーンBGMに反映されています(笑)。具体的な音楽性としてはキャバレー的なロケーションに合わせて昭和感を残しつつ、80年代、90年代、2000年からの10年位のダンスミュージックを基軸に作りました。音楽を作るのも楽しかったですが、この後に振り付けがつくのかと思うとさらに楽しさ倍増でした。

『FF7 リメイク』音楽はなるべく関連性を持たせるように――音楽関連インタビューその4:鈴木光人氏_01

――曲を作るにあたって、オリジナル版『FFVII』の曲、もしくは植松サウンドなどは意識しましたか?

鈴木僕の担当としては新曲制作とオリジナルのアレンジまわりのディレクションを並行していたのですが、忠実にブラッシュアップしてる曲から、フレーズの一部分、そして空耳的な響きまで多岐にわたり散りばめてます。シーン含め思い出補正的な部分は原曲を忠実に、ゲーム的に勢いが必要な部分については“いま風”のアプローチなどのサウンドからアレンジまでさまざまなスタイルで踏襲しました。従来のファンの方々には違和感を感じる部分もあるかもしれませんが、新しくプレイされる方々含め幅広い層に向けてそして広げるつもりで取り組みました。

――今回、作った曲の中でとくに手応えを感じている曲は? また、苦労した曲や印象深い曲などもありましたら、その理由とともに挙げていただけると。

鈴木陥没道路手前で、クラウドとエアリスが夜空を眺めながら歩くシーンがあるのですが、とてもロマンチックでいい雰囲気なんですよ。そこはあえてBGMは主張せずアンビエントミュージックで通しています。そこから陥没道路にかけてビルドしバトルで炸裂、その後ベグ盗賊団に続くコミカルさまでの一連の流れがとても気に入ってます。複数曲で起承転結的な場面展開ができたかなと。

 『STAND UP』、『スカーレットのテーマ』、この2曲はボストンでボーカルレコーディングを行ったのですが、そこに至るまでの経緯がもうクライマックスでした。要はスケジュールとの戦いだったのですが、諸事情で直前までボーカリストが決まらなかったんですね。今回いっしょに動いてたサウンドチームの土岐(望)には契約周りから制作面(譜面作成、メロディメイクなど)含めお願いしていたのですが、いつどこの国の人とやり取りしてるのかという位に立ち回ってくれて、その隙間に譜面作ったりととても苦労をかけました。もちろんレコーディングは大成功し、いい結果になったのは言うまでもないのですが、そういった経緯を含め思い出深い曲です。印象深い曲は『ミッドガル・ブルース』と『忠犬スタンプ』に尽きますが、これはもう飛び道具的立ち位置と言いますか、最初「マジか」と思いましたが、結果とても気に入ってます(笑)。

『FF7 リメイク』音楽はなるべく関連性を持たせるように――音楽関連インタビューその4:鈴木光人氏_03
『FF7 リメイク』音楽はなるべく関連性を持たせるように――音楽関連インタビューその4:鈴木光人氏_02

――オリジナル版の発売から20年以上が経ち、テクノロジーも大きく進化しましたが、ゲーム内で鳴らす音楽については、『FFVII リメイク』では何か新しい要素を採り入れていたりしますか?

鈴木今回バトルからカットシーンに至るまですべてが自然に違和感なくシームレスに音楽が切り替わります。このあくまで“自然な切り替え”の技術の裏には、プログラマーそしてサウンドディレクターの賜物があり成り立っています。

 楽曲制作については、いくらPCの処理能力が上がって音がよくなっても制作に掛かる時間に劇的な変化はありません。むしろ選択の幅が広がる傾向にあります。ゲーム音楽は昔の制限された再生方式からとっくに解放されてますし、自由度が高いいまだからこそ、どのシーンにどういった音楽をあてるか、演出するかクリエイターの選択がとても重要だと思います。

――そのほか、作曲をするうえでエピソードなどがありましたら。

鈴木なるべく関連性を持たせるようにしました。例えばベグ盗賊団なら必ずフックとなるコーラスを入れる、ソッチとコッチが登場するときも同様にエスニックコーラスを共通して楽曲に取り込んでいます。まぁ両方ともキャラ的にインパクトがあるので、音楽的にも少し遊びを入れるのもおもしろいかなと。

――サントラを楽しみにしているファンの方々へのメッセージをお願いします。

鈴木オリジナルの植松さんをはじめ、浜渦さん、スクエニサウンドチーム。そして多くの外部作家の方々に参加していただいて『FFVII リメイク』の世界観が構築されています。ゲームをプレイされた方にはその膨大な曲数とアレンジの数々に驚かれたかと思います。懐かしくもあり新しい『FFVII リメイク』の音楽、ゆっくりと楽しんでいただけるとうれしいです。

鈴木光人氏のサイン色紙を1名様にプレゼント

 『ファイナルファンタジーVII リメイク』コンポーザーを務める、鈴木光人氏のサイン色紙を1名様にプレゼントします。

『FF7 リメイク』音楽はなるべく関連性を持たせるように――音楽関連インタビューその4:鈴木光人氏_04

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