セガゲームスは、2019年11月2日、東京・新宿のビックカメラ新宿西口店にて、2020年1月16日発売のPS4ソフト『龍が如く7 光と闇の行方』(以下『龍が如く7』)の先行体験会および、龍が如くスタジオ・名越稔洋氏、横山昌義氏によるサイン会を開催した。

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 本イベントに出展された『龍が如く7』は、東京ゲームショウ2019に出展された“TGS体験版”とは別バージョン。発売に向けてより開発が進んだ内容ということで、これを体験すべく多くのファンが足を運んでいた。

ライブコマンドRPGバトルが進化!

 記者も今回の体験版を触ることができたのだが、ストーリー展開の大枠やプレイスポットはTGS体験版と同じようだ(15分程度のプレイだったので、すべてを確認できたわけではない)。そんな中で変化がわかりやすかったのは、ライブコマンドRPGバトルのプレイフィールだ。たとえば、TGS体験版では一部の攻撃のみに実装されていた“ジャストアクション”は多くの攻撃で出しやすいように進化。

 “ジャストアクション”とは、特定の攻撃をした際に発生し、攻撃を上乗せして追加ダメージを与えられる要素だが、これをくり出す頻度が上がったことにより、バトルのテンポが向上している。

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特定の攻撃をヒットさせると、“ジャストアクション”が発生。タイミングよくボタンを押すことで追加攻撃ができる。

 なお、本作のバトルにはオートモードがあるのだが(L2ボタンでON/OFFが選択可能)、今回の体験版ではL2長押しでオートプレイの行動方針を指定できるようになっていた。確認できたのは“臨機応変”、“全力強襲”、“回復優先”、“極技禁止”の4つ(下の画面の左下あたりに表示)。オートモードでは、シチュエーションに合わせてこれらを選択しつつバトルを進められるようだ。

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 TGS体験版では主人公の春日一番、元刑事の足立宏一(声:大塚明夫)、ホームレスのナンバ(声:安田顕)の3人パーティだったが、今回はそこに伊勢佐木異人町で働くキャバ嬢の向田紗栄子(声:上原すみれ)が追加。中年男性3人のパーティに華を添える形となっている。

 紗栄子は体験版をしばらく進め、ハローワークにたどり着くとパーティに加わる。すでにTGS体験版を触っている方は、まずはハローワークまで急ぐといいかもしれない。ちなみに、ハローワークでは紗栄子をアイドルに転職させることが可能。「アイドルってハロワで転職するものなのか…?」という素朴な疑問はさておき、マイクステッキで歌って踊るジョブでバトルに参加することができた。

 今回確認できた紗栄子の極技は、“スマッシュステップ”と“トワリングビート”、“ハッスルスマイル”、“あざといポーズ”の4種類。敵に直接ダメージを与える技だけでなく、敵味方の状態を変化させる技もあり、幅広く活躍できるジョブのようだ。

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文字通り、“あざといポーズ”をする紗栄子。敵が攻撃する気が失せるのも納得だ。

 じつは今回の体験版の内容は2019年10月29日に配信された本作の公式生放送特番でも紹介されていたのだが、実際にプレイしてみるとライブコマンドRPGバトル全体の魅力が増しているように感じた。

名越総合監督&横山CPへの囲み取材の模様をお届け!

 なお、今回のイベントは取材に訪れたプレス向けに、龍が如く総合監督の名越稔洋氏、チーフプロデューサーの横山昌義氏への囲み取材の場が設けられた。以下ではその模様をお届けする。

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写真左:横山昌義氏、写真右:名越稔洋氏

――『龍が如く7』の体験版ですが、今後の配信の予定はあるのでしょうか?

横山配信の予定はあります。日付に関しては後日、近日中にお知らせできると思うので続報をお待ちください。

――(今回の体験版は)TGS体験版とは内容が少し違うということなのですけども、見どころや、変わったところについて教えてください。

横山ゲーム本編の4章冒頭を切り取っているのはTGS体験版と一緒なのですが、チームメンバーに新しく紗栄子が増えて、4人のバトルができるようになったのが大きい変更点です。それと、バトル中にアクションコマンドを追加入力して、ダメージ量をアップさせたりガードをするような機能を足したりもしていて。

 ライブコマンドバトルの中身をTGSよりもバージョンアップさせて、製品版とほぼ同じ内容になっているので、かなり完成版に近いバトルアクションが楽しんでいただけるものになっています。

――お客様の生の声としては、どういった感想が寄せられていますか。

名越TGSもそうでしたけど、触ってもらった方からは、いっぱいあった疑問がどんどん晴れてきて、「これはこれでおもしろいんじゃないか」という反応をいただいています。そうした声が日々増えているので、すごくありがたいなと。

 なにせ我々はRPGというジャンルのゲームを作ること自体が初めてなのですが、(RPGの作り手側の)苦労がよくわかりました。新たな要素を増やしては調整する繰り返しなので、(体験できる時期によって)バージョンが細かく分かれてしまっているのですけども、以前のものを触った方が新しいものを触るときには、より良い反応が出ていると思うので、我々としても自信が出てきたところです。

横山体験会で皆さんがプレイしているところを見ると、先ほど話したコマンド入力を上から重ねていくような操作を直感的に成功させていますよね。そのあたりの仕組みをあまり説明しないでも直感的に遊べるものに仕上がったんじゃないかなと。そこはすごくホッとしています。

――先ほど触らせていただいたのですが、(パーティに)紗栄子が加わったのが印象的でした。現状の職業としてはチーママとアイドルが判明していますが、ほかに女性専用の職業はあるのでしょうか。

横山あります。どのくらいの数があるのかはまだお伝えしていないのですけども、そのパーティ(メンバー)専用のジョブもあったりとか。

――「たとえばこんな職業があるよ」みたいなことを、数ある中でもひとつでも教えていただけませんでしょうか。

横山こんな職業……事務職というのはありますね。助演女優オーディションで合格した鎌滝えりさん(のキャラクター)がパーティメンバーに加わることは公開済みなのですが、彼女は一番製菓という会社の職員で、事務職というジョブからスタートします。それは彼女専用のジョブなのですが。事務用品カッターとか画鋲が武器です(笑)。

――『龍が如く7』は(これまでの『龍が如く』シリーズと比べて)ゲームシステムや主人公が大きく変わっていますけども、そのあたりを踏まえて、現状のセールスへの手応えや自信のほどはいかがでしょうか。

名越(ソフト購入に関して)まだ「どうしようかな」と思っている方も多いと思いますけど、そこは体験会や体験版配信を通じて、理解を深めていただけるようにしたいですね。あと、忘れてはいけないのは、ドラマとして濃い人間ドラマがあって、見応えのある感動体験ができるということは『龍が如く』という冠がついている以上はこれまでと変わらないということです。その部分の訴えかけも、サボらずにやりたいと思っています。

 現状ではRPG部分の理解を深めていただくことに(情報出しを)集中しているのは事実ですけども、それだけのコンテンツではないので。「ドラマも熱いよ」ということをしっかりと感じていただけるような情報もこれから出していきますから、ご期待ください。。

――(プレイスポットとして)スロットマシーンでサミーとユニバーサルの機種が収録されるということですが、本来であれば業界タブーともいえる組み合わせですよね。今回はほかにもそういう感じの、世の中に対してタブーとされているようなものを入れていくというのは要素としてあるのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。

名越いや、そこはタブーではないですね(笑)。

横山ユニバーサルさんに関しては、素直にお願いをしに行ったんですよ。自分自身もパチスロが好きですし。『龍が如く7』にちゃんとパチスロを入れようと考えたときに、(グループ企業である)サミーの機種は当たり前なのですけども、ユニバーサルさんのあの機種が入っているとファンに刺さるだろうなと思ったので(収録されるのは、ユニバーサルエンターテインメントの「ミリオンゴッド-神々の凱旋-」、「アナザーゴッドハーデス-奪われたZEUSver.-」、サミーの「パチスロ蒼天の拳 朋友」「パチスロ猛獣王 王者の咆哮」の4機種)。素直にお願いをしにうかがったら、受け入れてもらえたというのが事実で。そこは、無理にタブーに切り込もうとか、そういうわけではないです。

 パチスロやパチンコは『龍が如く』シリーズに収録されているときと、されていないときがあって。『龍が如く』シリーズのナンバリングの最初のほうはけっこう入っていたんですけども、『龍が如く4』や『龍が如く5』では実機が入っていなかったりして。ユーザーさんからはぜひ入れてほしいという要望がありました。『龍が如く7』の舞台となる歓楽街を表現する際にパチンコ店はぜったいにありますから、今回はお店に入れて、ちゃんと遊べるようにしかったんですよね。収録することができて、よかったなと。

名越まあ、それでいうと木村拓哉さんが(ゲームに)出るほうが、よっぽどタブーに挑戦していますよね(笑)。

――(笑)。今後も全国で体験会が開催されますが、これから来場される方に向けて、ここを見てほしいとか、遊んでほしいというポイントを教えてください。

名越RPGというジャンルは日本のゲームファンにとっては歴史的に近い距離にあり、根強い人気がありますよね。遊びかたをみんな知っているという意味でいうと、定番ジャンルのど真ん中にあるものだと思います。ただ、時代を超えて、ハードが変わり、ゲームのいろいろなことが変わる中で、RPGというもののDNAを保ちながらも、その遊びかたとか表現するもののバリエーションはもっと広がっていくべきだと考えているんです。

 我々としては、けっしてユーザーにとって触りにくいものを提案しているわけじゃないと思っているんです。提案しているのは、触りやすいけど、新しいもの。自分自身、新しいゲームシステムというと、覚えなければいけないことが多すぎてしまって、ちょっと手が引けちゃうんですよ。どちらかと言うと、もともとあった遊びかたで、新しい体験をさせてほしいなと。そのほうが早いし、面倒くさくないし。そういう欲求は、自分の中にもあるんです。『龍が如く7』は、そうした欲求に応えることができるコンテンツになっているんじゃないかと。

横山開発中のものをずっとプレイしていると、RPGというのはキャラを育てていく楽しさとか、仲間を増やしていく楽しさをすごく実感できる優れたシステムだということがわかるんですよね。そうした意味で、『龍が如く7』は、ストーリーへの感情移入のしかたとか、感じかたがこれまでのシリーズの中でもトップクラスだと思いますし、キャラへの愛の入れかたもちょっと違うんです。実際、自分が手を掛けて育てていくので、仲間への意識がこれまでのシリーズと比べても格段に違うんですよ。

 今回の体験版は、あくまでもバトルアクションのプレイフィールを実感していただくタイプのもので、そのあたりのRPGの楽しさまでは、ちょっとわらからないと思います。そこは製品版を買っていただいて、長く触れてもらうことで初めてわかるのかなと。

 ただ今後は、先ほど名越が話したとおり、ストーリーに関する新情報も出していきますので、それを見ていただけると「ああこれは、本質的には『龍が如く』なんだな」ということが、より伝わると思います。体験版とセットで触れていただくことで、新しさとこれまでの“龍っぽさ”の両方を味わっていただけるだろうと。体験版を遊んでいただきつつ、これからの情報を併せて見てほしいと、心から思います。

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