紐育でも太正浪漫の花が咲く
キャラクターを一新し、プレイステーション4で今冬発売されることが決定した『新サクラ大戦』。
シリーズをリブートする作品とはいえ、『新サクラ大戦』は、従来の『サクラ大戦』シリーズと同じ世界、同じ歴史に連なる作品でもある。いままでの作品について知っておけば、本作の世界をより深く理解できるようになるはず。そこで、『サクラ大戦』シリーズのナンバリングタイトルを振り返る企画をお届けしよう。
第5回は、『サクラ大戦V ～さらば愛しき人よ～』を振り返っていく。
※第1回『サクラ大戦』振り返りは下のリンクから
※第2回『サクラ大戦2 ～君、死にたもうことなかれ～』振り返りは下のリンクから
※第3回『サクラ大戦3 ～巴里は燃えているか～』振り返りは下のリンクから
※第4回『サクラ大戦4 ～恋せよ乙女～』振り返りは下のリンクから
発売日：2005年7月7日
プレイステーション2
大神一郎を主人公としたシリーズの完結から、約3年を経て発売された『サクラ大戦V ～さらば愛しき人よ～』（以下、『V』）。プラットフォームはプレイステーション2となり、シナリオ、ゲームシステムともに過去作から大きな変化を見せた。
主人公は大神一郎を叔父に持つ青年、大河新次郎。舞台はアメリカ・紐育（ニューヨーク）へと移り、ヒロインや敵キャラクターもすべて一新されている。
ゲーム進行は『3』までの各話構成を踏襲。アドベンチャーパートでは、3Dで表現された紐育の街を歩くことができた。戦闘パートは、ARMSゲージを用いた戦いをベースにしつつ、新たな戦闘形式や追加コマンドの実装により、戦術の幅が拡大。できることが増え、より自由に戦えるようになったぶん、これまでよりもやや難度が上がり、歯応えのある戦闘が展開した。
なお、メインヒロインのジェミニ・サンライズは、本作の前日譚を描いた『サクラ大戦V EPISODE 0 ～荒野のサムライ娘～』では主人公として活躍する。
STORY
1928年、紐育。蒸気革命による発展を経て、街は世界屈指の大都市となっていた。しかし、他国のさまざまな人種や文化を吸収してきたことで、人々に害をなす“魔”も呼び込む結果となる。この脅威から紐育を守るため、紐育華撃団・星組が設立。各地から隊員が集められるのだった。
一方、日本では、士官学校を卒業した大河新次郎が、帝国華撃団の総司令となった大神一郎から、紐育行きを言い渡されていた。
やがて、異国の地に降り立った新次郎は、困惑しながらも早々に任務へ出撃。そこで仲間のピンチを救い、実力を示したことで、星組の隊長見習いに任命される。討つべき敵は、この地に復活した第六天魔王・織田信長。
新次郎は、頼もしくも個性的な仲間とともに、摩天楼を駆ける。
主要キャラクター
声：菅沼久義
大神一郎の甥にあたる若き海軍少尉。真面目で正義感が強い一方で、頼りなさや弱さを見せることも。
声：小林沙苗
テキサス生まれの、元気で前向きなカウガール。銃の扱いは苦手なものの、剣術は大得意なサムライ娘。
声：皆川純子
ニューヨークに事務所を構える弁護士。暴走族の元リーダーと経歴は異色だが、優れた判断力で活躍。
声：齋藤彩夏
メキシコ出身の陽気な少女。金と銀、二丁の拳銃を武器とする、ニューヨーク屈指のバウンティハンター。
声：松谷彼哉
重い病を抱えており、車椅子での生活を送っている研修医。やさしい性格で、いつも穏やかに微笑む。
声：園崎未恵
日本の公家につながる九条家に属する。古典芸能をはじめ才能に恵まれているが、年齢どころか性別も不明。
声：久野 綾希子
もとはブロードウェイの大スターで、紐育華撃団の副司令。容姿端麗、頭脳明晰、寛容な人格と、隙がない。
そのほかのキャラクター
声：内田直哉
紐育華撃団の総司令。世界でも有数の大富豪で、「人生はエンターテイメント！」をモットーとしている。
声：麻生かほ里
シアターでドリンクバーのウェイトレスを務める。ローラースケートを履いて軽快に仕事をこなす。
声：本名陽子
シアターの売店の売り子。洋裁を得意としており、ミュージカルで使う衣装のすべてを受け持っている。
システム：さまざまな生い立ちのヒロインたちと紡ぐ物語
『V』では、さまざまな人種が集まる紐育ならではの、個性的な面々がヒロインとして登場。いずれも仲を深めると、内面を深く掘り下げるエピソードや、意外な事実が明かされるドラマが展開されるのが特徴だった。
ヒロインたちと仲よくなるには、シリーズおなじみのLIPSがカギとなるのだが、新たに“スティックLIPS”が実装。画面に表示される矢印に合わせて左右のアナログスティックを動かすという、一風変わったものになっていた。
アドベンチャーパートは、従来の見下ろし型から、3Dモデルで表現された街を歩くタイプに変化した。
バトル：複数エリアや空中での戦いが展開！
戦闘パートで大きく変わったのは、任務のシチュエーションだ。フィールドが複数のエリアに分かれており、戦況に合わせてユニットをエリア移動させながら戦うことになる。また、敵の撃破を目指すシンプルな任務だけでなく、防衛任務も存在するなど、戦略性はグッと高まっている。
空中を舞台にした戦闘が展開されるのも特徴で、紐育華撃団・星組が乗る霊子甲冑“STAR”は地上用の人型形態から空中用の飛行形態へと変形でき、任務に応じて切り換えつつ戦う。
戦闘の基本はこれまでのARMSと同様だが、選択したコマンドがつぎの行動順に影響を与える“行動コスト”が新たに導入されている。
（ジェミニ機・空中）
（新次郎機・地上）
POINT：追加コマンドを実装！
専用のコマンドに変化があり、作戦が“風林火山”から“心技体”に変更（心が
防御重視、技が通常、体が攻撃重視）。また、既存の“かばう”に加え、任意の隊員
を隊長のすぐそばに呼び寄せる“ヘルプミー”が追加された。
そのほか、味方どうしで挟んだ敵すべてにダメージを与える“連携攻撃”も使用可能に。これらも戦略性の向上につながっている。
