太正の歴史を振り返ってみよう

 プレイステーション4にて、今冬発売されることが明らかになったシリーズ最新作『新サクラ大戦』。公開された情報はまだごく一部だが、現時点で判明している情報によると、登場キャラクターを一新し、また新たな物語が展開されるものになるとのこと。ファミ通ドットコムで紹介した記事は以下の通り。

 つまり『新サクラ大戦』は、いままでの物語やキャラクターについての知識はまったく必要なく、『サクラ大戦』初心者でも問題なく楽しめるものになるわけだ。しかし同時に、本作は、いままでの『サクラ大戦』シリーズと同じ世界、同じ歴史に連なる作品でもある。いままでの作品について知ることは、『新サクラ大戦』の世界観を理解するうえでの一助になるはずだ。

 と言うわけで、太正の歴史をたどる連続企画。第1回は、『サクラ大戦』を振り返っていく。

※第2回『サクラ大戦2 ~君、死にたもうことなかれ~』振り返りは下のリンクから

※第3回『サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~』振り返りは下のリンクから

※第4回『サクラ大戦4 ~恋せよ乙女~』振り返りは下のリンクから

※第5回『サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~』振り返りは下のリンクから

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『サクラ大戦』
オリジナル版の発売日:1996年9月27日
セガサターン/ドリームキャスト/プレイステーション2/PC/プレイステーション・ポータブル

 シリーズの第1作にして、その後さまざまなメディアで展開していく広大な作品世界の礎となった、不朽の名作『サクラ大戦』。プロデューサーを広井王子氏、キャラクターデザインを藤島康介氏など、極めて豪華な制作スタッフが手掛ける大作として、発売前から大きな話題を呼んだ。

 ゲーム内容も、戦闘と恋愛という王道を軸に据えながらも、大正ロマン、メカ要素の充実したスチームパンク、歌謡ショウといった、従来のゲームではあまり扱われたことのないテイストを巧みにミックスし、新鮮でエンターテイメント性溢れる作品として高い評価を獲得。主題歌の『檄! 帝国華撃団』を始め、名曲揃いの劇中歌も人気を博した。

 ゲームシステム面では、ヒロインと交流するアドベンチャーパートと、シミュレーション形式の戦闘パートをくり返して進めるという基本構造は、本作の時点ですでに確立されている。ふたつのパートはリンクし、ヒロインと仲を深めることが、物語と戦闘の両方に影響を与える点が大きな特徴だ。

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STORY

 時は太正十二年。文明開化から五十余年の月日が流れ、帝都・東京は栄華を極めていた。西洋文化と日本古来の文化が入り交じるモダンな街並。蒸気機関の進歩により、帝都のさらなる発展が見込まれる中、その裏では邪悪なる魔物がうごめいていた。

 これらに対抗するべく、霊的な力で都市を防衛する組織“帝国華撃団”が結成。そこには、霊力に優れる者たちが集められたのだった。

 “帝国華撃団”の主力となる“花組”は、有事以外は大帝国劇場のスター“歌劇団”として活動していた。そんな“帝国華撃団”に、海軍少尉・大神一郎が転属してくる。悪と戦う秘密組織でありながら、少女ばかりで構成された花組に大神が戸惑う中、敵襲を知らせるサイレンが鳴り響いた――。

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主要キャラクター

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真宮寺さくら
声:横山智佐
魔物を浄化する“破邪”の力を受け継ぐ少女。正義感が強く、剣の腕前は北辰一刀流免許皆伝という達人。
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神崎すみれ
声:富沢美智恵
日本有数の財閥の令嬢。銀幕スタァであった母親ゆずりの才能を持つが、やや高慢でまわりとぶつかることも。
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マリア・タチバナ
声:高乃 麗
ロシア人の父と日本人の母を持つハーフ。責任感が強く、つねに冷静で、仲間たちから頼りにされている。
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アイリス
声:西原久美子
フランスの大富豪の一人娘。まだ幼いが、抜群の霊力を持っている。本名はイリス・シャトーブリアン。
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李 紅蘭
声:渕崎ゆり子
独特な関西弁で話す、中国出身の天才発明家。どんなときでも明るく振る舞う、花組のムードメーカー。
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桐島カンナ
声:田中真弓
歴史ある琉球空手の継承者。大柄かつ怪力で、空手技は超強力。細かいことは気にしない性格をしている。
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大神一郎
声:陶山章央
海軍士官学校を首席で卒業後、帝国華撃団・花組の隊長に就任した。熱血タイプで、非常に正義感が強い。

システム:展開のカギを握る時限式選択肢“LIPS”

 アドベンチャーパートと戦闘パートの両方で、主人公の大神はさまざまな選択を迫られる。その象徴とも言える本作独自のシステムが、LIPS(Live&Interactive Picture System)だ。

 これは、イベント中に出現する選択肢に、制限時間が設定されているもので、時間内にいずれかを選ぶほか、何も選ばない(タイムオーバー)という選択もできる。いい選択なら隊員との仲が深まり、戦闘での能力値にボーナスもつくため、会話の流れや相手の性格などを考え、これぞと思う選択肢を選ぶことが重要となる。

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選択肢のまわりに、残り時間を示すゲージが表示される。空気を読みつつ、素早く判断することが必要に。

バトル:人型蒸気“ 光武” を操り、敵を迎え撃つ!

 戦闘パートでは、花組メンバーは蒸気を動力とするメカ“霊子甲冑”に乗り込んで敵に立ち向かう。本作に登場する霊子甲冑は光武(こうぶ)と名づけられており、メンバーそれぞれが得意とする武器を装備している。

 基本となる戦闘システムは、ターン制のシミュレーションバトルで、マス目で区切られたフィールド上で展開される。味方のターンでは移動や攻撃などのコマンドを選べるが、大神隊長のみ、専用コマンドの“かばう”を選択可能。これを実行すると、味方への攻撃を防げる。“かばう”は、戦闘を有利にするほか、対象キャラクターの信頼度が上がることもゲームのポイントとなっていた。

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各機体に指示を出し、戦闘ごとに異なる勝利条件の達成を目指していく。
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POINT:バトルを彩る必殺攻撃&合体攻撃!

 勝利をつかむカギであり、また派手な演出で戦闘を盛り上げるのが、隊員ごとに用意された必殺攻撃と合体攻撃だ。必殺攻撃の効果は隊員ごとに異なり、さくらなら直線上を攻撃、アイリスなら味方を回復するなど、いずれも強力なもの。

 合体技の使用にはいくつかの条件があるが、もっとも重要なのが、隊員の信頼度が高いこと。大神と隊員の関係が深まってこそ放てる、とっておきの切り札なのだ。

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専用の演出とともに大技を発動。物語が進み、後継機である神武(じんぶ)へ乗り換えた後は、技が変化する。
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イラスト:藤島康介

※第2回:
写真とイラストで振り返る『サクラ大戦2 ~君、死にたもうことなかれ~』【連続企画:『新サクラ大戦』前夜(2)】
は2019年4月28日掲載予定