ロックスター・ゲームスより、2018年10月26日発売予定の『レッド・デッド・リデンプション2』(以下、『RDR2』)のハンズオン・プレイリポート、後編をお届けしよう。前編では、ロックスター・ゲームスのスタッフがプレイするデモをひと通り鑑賞したが、後編ではいよいよ筆者がプレイ。約40分という時間で、どこまで楽しめるかのチャレンジでもあった。

 ハンズオンの舞台となるのは、ハートランドというエリアにあるニュー・ハノーバーと呼ばれる地域。ぱっと見は、荒野というより緑豊かな草原地帯だ。付近には油田があり、目印として大きなふたつの岩山、通称“TWIN ROCKS”……すなわち“双子岩”がそびえ立っている。

 双子岩といえば前作にも登場したが、そのときは野盗のアジトで、ジョン・マーストンが激戦をくり広げた場所だ。本作では、大自然が形成したモニュメントとして登場している。

 ここからフリープレイということでコントローラを手にして、近くにあるバレンタインという町まで馬で移動をすることになるのだが、ここでHUDの確認をしておこう。左下に丸く表示されたHUDはアーサーの状態がひと目でわかるようになっている。体力、スタミナ、そしてデッドアイの3つのゲージが表示されており、乗馬状態であれば馬のヘルス、スタミナも追加で表示される。そう、馬である。

『レッド・デッド・リデンプション2』プレイリポート<2/2> カスタマイズに一人称視点モード、町にキャンプ、そして世界のディテールまでディープに迫る!_16

 『RDR』は、何といっても馬ナシでは語れない。今回の馬は格段にグレードアップしており、とくに親密度を重ねることでいろいろな恩恵が発生する。親密度は、馬を撫でたり、おやつをあげたりと、こまめに手入れをすることで上昇。馬に積みこんで保管できる荷物の量が増えるなどの恩恵があるほか、大型の野生動物と対峙したときや銃撃戦にもひるまなくなるといったメリットも。

 馬のスタミナに関するシステムも前作より引き継がれており、緊急時に素早く走るためにはスタミナ配分が大事になるほか、馬の種類も豊富で、農耕や運搬用、レース用まで相当な種類が用意されている。

 ほかにも重要な要素がいくつかあるが、まずはバレンタインに移動してみよう。マップ画面を開き、目的地にマーカーを付けると、ナビゲーションとなる赤いラインが道に表示される。道ではない場所を走るとスピードが若干落ちるので、なるべく地面が整った道を進みたい。

 道路沿いにはさまざまな人が行き交い、時にはならず者が人を襲っている場面に出くわしたり、金を無心されたりするが、それらの現象すべてにアーサーは介入することができる。今回はならず者に遭遇したので、思わず撃って倒してしまった。賞金首かもしれないので、死体を馬に積み込んで町に向かう。道中では、野ウサギや鹿も目撃した。馬には弓も積んであるので、余裕があればぜひとも狩猟したいところだったが、ここは先を急ぐ。

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 目的地のバレンタインは小さな町だが、銀行から保安官事務所、雑貨屋に医者に酒場と、社会に必要なものはすべて揃っている。畜産業が盛んな町らしく、家畜の競売場や農家も多いが、田舎町にありがちな粗野で下品な側面もあり、荒くれ者や博打打ち、カウボーイに娼婦も集まっているので、ナメてかかるとトラブルに巻き込まれそうな匂いがプンプンしている。

 草原エリアを抜けてバレンタインの町に近づくと、次第に路面が変化し、ぬかるんだ地面に馬車や他の馬による轍(ワダチ)が目立つようになるが、このワダチも、馬車や人が通るたびに新しい痕跡がリアルタイムに残るディテール! いったいどこまで作り込んであるのかと、感心してしまう。

 さっそく町を散策しようと思ったのだが、馬に先ほどの死体を積んでいたために、町の人々が「オーマイゴッド!」とビビっている。不本意であるが、期せずして名誉システムの反応のひとつがここで確認できた。と、同時に、馬に死体を積むのはやめようとも思った次第。とりあえず保安官事務所を見つけたので、そこの玄関に死体を放り捨ててから、馬を駐車場……つまり馬止めにくくりつけて雑貨店へ。

 建物はすべてロードを挟まずシームレスに中に入ることが可能だ(つまり、本当に建ててある!)。ドアを開けると明るい日差しから薄暗い店内へと変わる光の対比が見事。雑貨店にはカタログが用意されており、店主に話しかけることで服や銃、食料品や回復アイテムが購入できるほか、狩りで手に入れた毛皮や肉、拾ったり強奪した金品も売買できる。アイテムには膨大な種類があるが、持ち運べる量には限界があるため慎重に選ぶべし。

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 雑貨店以外にも、洋服屋やガンスミス(銃砲店)を発見。武器が気になるので、ここは迷わずガンスミスへ。店主にカタログを見せてもらうと、一般向けから高性能を誇るリボルバーやショットガンやライフルなどの銃器類に加えて、弾丸、そして銃の手入れに使用するオイルやパーツに目を引かれる。

 『RDR2』における銃器類は続けて使用することでダメージが蓄積され、手入れをしないと命中率や威力が下がってしまうため、マメに状態を確認しないといけない。なので、こういった店を見つけたら、所持品と残金を確認しつつ必要なものを買い揃えておきたい。

 また、家畜の競売場に行くと、馬の売買もできるようになる。投げ縄で捕まえた野生馬を売ったり、その金で新しい馬を購入できるだけでなく、さまざまな馬具もここで購入できるようだ。

 馬の鞍やサドルはその種類の豊富さだけでなく、購入時に細かいカスタムも可能となっており、なんとそれは馬本体にまで及ぶ。タテガミやシッポのデザインを自由にカスタムできるし、もちろん名前も付けられる。こんなシステムがあれば、マイ馬に愛情が湧くことは必至である。とはいえ、カスタマイズにも細かく金がかかるのは、『GTA』におけるクルマのカスタマイズと同じなので、資金は十分な状態で訪れたい。

 ついでに診療所を見つけたので、薬でも買おうと立ち寄ったら、店の奥に怪しい鉄扉を発見。どうやら何か裏商売に勤しんでるようなので、店主を軽く尋問してやろうと思ったのだが、操作ミスで撃ってしまった……。結果、指名手配状態となり、一目散に町から退散するアーサー(俺)。意図せずして犯罪者となってしまったが、おかげで指名手配状態が確認できたので、結果オーライ。

 手配中はマップが赤く染まり、赤いエリアから脱出することで追撃を交わせるのは前作と同様。逃げ切れば手配状態そのものは解除されるが、賞金がかかった状態になる(今回は恐喝未遂で300ドル)。賞金首の状態は保安官事務所や警察署に出頭して罰金を支払うことで解除されるのだが、そんな金があったらキャンプに渡すので、とりあえず逃げ切った状態でキャンプに戻ることにした。

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キャンプ、そして敵のアジトへ……

 『RDR2』でもっとも注目すべきシステムである“キャンプ”では、仲間たちからの情報やキャンプ内での足りない物資の要望、狩猟の誘いなどがアーサーに語りかけられる。もちろんすべてをこなす必要はないのだが、キャンプを維持する使命感があるなら片っ端から引き受けてもいい。判断はプレイヤーに委ねられている。

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 キャンプ内にあるアーサーのテントでは、着替えや整髪、ヒゲの手入れなどが可能で、とくにヒゲは細かく調整できる。ただし、一度剃ったり切ったりしたヒゲや髪の毛は、また生えてくるまで再調整不可なので、考えなしにアレコレいじるのは禁物だ。

 また、着替えは寒冷地用や温暖地用があり、たとえば雪山に薄着で行くとスタミナに影響が出る。暖かい土地での厚着も同様だ。とことんまでリアルだね。

 キャンプは複数箇所に設営できるものではなく、ストーリーの進行に従って移動することになるのだが、キャンプに資金を投入すればアップグレードが可能になる。今回判明している範囲では、マップ内の他エリアからキャンプへのファストトラベルや、死んでしまった馬の復活などがある。やはり是が非でもキャンプに投資すべきと誓った次第。

 ちなみにアーサーのソロ活動時や、少数の仲間と行動中でも、小さな野営場所を設置することが可能となっており、焚き火で調理や武器の手入れ、休息もできる。前作でもマーストンが野営できたが、今回はそこも大幅にグレードアップしているということだ。

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 アーサーの着替えを楽しんだ後は、ハンズオンの最後を飾るミッションをプレイすることになった。キャンプの片隅の木に括り付けられた人質に尋問して、目下のダッチの宿敵であるコルム一家のアジトを吐かせ、そこに道案内させるというものだ。向かうのはアーサーと、怪我から復活したマーストンらファミリーの仲間数人の精鋭だ。もうアーサーはコルム一家を全滅させる気マンマンである。頼れるぜアニキ!

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 人質に道案内させながら馬を走らせるあいだも、もちろんシネマティック・モードが可能。視点変更により、『GTAV』のプレイステーション4版より初お目見えとなったFPSモードにも切り換えられる。戦闘時のみならず、平時や乗馬状態でもFPS視点にすれば、臨場感が爆発的にアップすることも付け加えておきたい。

 アジトに到着すると、そこにはコルム一家の連中がウジャウジャいる。十数人はいるのは間違いない。しばらく高所から観察していると、立ちションしに3人ほどこちらにやって来るではないか。頭数は少しでも減らしたいので、アーサーはナイフを取り出し、隠密状態で倒すことに。ここでも、仲間に指示を出せば素早く静かに倒してくれる。

 しかし、ひとりを倒したところで発見されてしまい、大銃撃戦に! 敵はつねにカバーしながら移動して攻撃してくるので、同じ場所に留まって迎撃するのは危険極まりなく、こちらも大木や岩陰に移動しながらカバーをくり返し、デッドアイのゲージが溜まったところで一気に始末することにする。AIの進化がわかる、敵の狡猾な動きに慌てないように冷静に、かつ素早く対処しなければならない。

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 やっと思いで全員を始末したが、ボスのコルムはいなかった。敵の死体(マップ上にX印で表示される)から弾薬などのアイテムを回収したところで、このミッションは終了。同時にハンズオンプレイも終了となった。いやはや、手に汗握るとはまさにこのこと。ダイナミックスコアに彩られた戦いの臨場感もすばらしく、命がけの攻防が楽しめた。しかし、このミッションはまだまだ序盤らしいので、この後の展開に期待は最高潮である。

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 『RDR2』の広大な世界の片鱗に、直接触れることができた今回のハンズオン・デモ。参加できたのは誠に光栄だが、おかげで逆に蛇の生殺しのような心境になってしまった。『RDR2』発売まであと約1ヵ月、読者諸兄にも筆者のもどかしさが伝わってくれれば幸いであります!

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