2018年5月12日、13日に京都市勧業館みやこめっせにて開催されたインディーゲームの一大祭典BitSummit Volume 6にて発表された、インティ・クリエイツが手掛ける2Dアクションゲーム『Bloodstained: Curse of the Moon』。今回の発表は、注目度の高いタイトルということもあり、ネットでも好意的な意見が多く寄せられていた。そんな新作と、発売が待たれる『Bloodstained: Ritual of the Night』の発売時期など、気になる点をIGAこと五十嵐孝司氏に聞いてみた。

『Bloodstained: Curse of the Moon』発売を受けて、いま気になる点を五十嵐孝司氏に訊く【BitSummit Volume 6】_05

『Bloodstained: Ritual of the Night』の発売ももうすぐ?

――Kickstarterが達成した時点で、8bitタイトルを制作することが決まっていましたが、『Bloodstained: Curse of the Moon』が完成するまでにはどのような流れがあったのでしょうか。

五十嵐孝司氏(以下、五十嵐) 『Bloodstained: Curse of the Moon』は大まかなコンセプトなどの部分は最初から決まっていたんです。細かいゲームシステムはインティ・クリエイツさんに完全にお任せしていて、『Bloodstained: Ritual of the Night』が探索型のアクションゲームだったので、同じものをふたつ出すメリットはないということもあり、8bitであればレトロゲームっぽい作品がいいんじゃいないかと。であれば、「ステージクリアー型のゲームにしましょう」と。主人公が斬月になるというのも、最初から決まっていました。そこからいろいろとアレンジを加えていって、いまの形になりました。

『Bloodstained: Curse of the Moon』発売を受けて、いま気になる点を五十嵐孝司氏に訊く【BitSummit Volume 6】_02

――レトロゲームっぽい作りということで、「こういう風にしてほしい」といったニュアンスは伝えられたりしたんのですか?

五十嵐 基本、全部お任せしています。最初は『Bloodstained: Ritual of the Night』の10年前の話にしましょうという話をしていたのですが、ゲームを遊んでみたら、そこじゃないぞとなってそこは変更しました。その上で、今回は本編を遊んでいなくても単体で分かるものでありながら、ちょっと作品の繋がりを感じられるような演出ができればと思っていました。

――ちなみに、『Curse of the Moon』というタイトルには何か由来があるのでしょうか。

五十嵐 タイトル自体はインティ・クリエイツさんが考えてくれたタイトルだったのですが、主人公の斬月は月に因縁があるキャラクターなので、このタイトルになりました。あとはみなさんの受け取りかた次第かなと。僕としてはきちんと世界観に沿っていて、ちゃんとしたタイトルだなと思っています。

『Bloodstained: Curse of the Moon』発売を受けて、いま気になる点を五十嵐孝司氏に訊く【BitSummit Volume 6】_04

――僕は、会場で『Bloodstained: Curse of the Moon』をプレイして、大興奮してしまいました。この高い完成度を見て、ファンの『Bloodstained: Ritual of the Night』への期待値もさらに上がっているところだと思います。『Bloodstained: Ritual of the Night』の現在の開発状況はどのような感じなのですか?

五十嵐 まだ完成はしていないのですか、グラフィック素材とかはかなりできあがりつつあります。

――全体として見たときに、後半は過ぎている感じですか?

五十嵐 もう終盤ではあります。調整までではないですが、かなり終盤のほうまで来ているとは思います。リリース時期ももうすぐ発表になると思いますので、お待ちください。

――こうして今回Kickstarterで『Bloodstained: Ritual of the Night』を作られていて、いままで五十嵐さんが携わってきたゲーム制作の過程とは違うものだと思いますが、一番の違いはどういったところでしょうか。

五十嵐 皆さんが『Bloodstained: Ritual of the Night』を知ってから約3年くらい時が経つじゃないですか。でも昔の開発ではそんなことはなくて、発売の早くても1年前とか、遅くて6ヵ月前とかにしかプレスリリースとして外部に情報が出なかったんです。今回のKickstarterは開発前から公開しているので、作る過程をどんどん出していくわけです。プロモーションとして資料を公開する段階で、飽きられないように少しずつ新しい情報を出さないといけないのですが、コンテンツの数も限られている。そういう意味でKickstarterではそういうところも考えないといけないんですよね。

――プロモーション面で苦労されているのですね。

五十嵐 そうですね。「素材を見たい」とか言われると「もうちょっと出すタイミングを絞りたいな」っていうジレンマはあります。ただ早期の段階からユーザーさんの意見を聞くことができるというのは、Kickstarterの醍醐味でもあるし、メリットでもあると思います。物事にはメリットとデメリットがあるという最たる例かなと。

――ユーザーが五十嵐さんの新作に求めているものはどんな要素だとお考えですか。

五十嵐 操作感であったり、アクションのゲーム体験は僕らの体に染み付いているものを、なるべく表現しようと思っています。

――最後に、『Bloodstained: Ritual of the Night』を楽しみにしているファンの皆様へメッセージをお願いします。

五十嵐 今回『Bloodstained: Curse of the Moon』というタイトルを発表しましたけど、こちらはこちらで楽しい作品に仕上がっているんですが、『Bloodstained: Ritual of the Night』のほうも鋭意製作中です。『Bloodstained: Curse of the Moon』をプレイしながら、待っていただければと思います。よろしくお願いいたします。

『Bloodstained: Curse of the Moon』発売を受けて、いま気になる点を五十嵐孝司氏に訊く【BitSummit Volume 6】_01
『Bloodstained: Curse of the Moon』発売を受けて、いま気になる点を五十嵐孝司氏に訊く【BitSummit Volume 6】_03