5年前に発足して以降、さまざまなゲームイベントで良質なインディーゲームのショーケース(見本市)を展開してきたIndie MEGABOOTH。その活動形態のひとつであるイベントシリーズ“indie MEGASHOW”は、今年7月にアメリカ合衆国ジョージア州アトランタを皮切りに始まった、開催地域の才能にスポットを当てることを重視した総合イベント。ゲームに限らず、音楽やアート分野でのインディペンデントな活動を扱うのが、大きな特徴だ。

 2回目の開催となる今回は、9月21日から24日まで幕張メッセ国際展示場(千葉県)で開催される“東京ゲームショウ2017”に合わせる形で、日本およびアジア諸国に拠点を置くデベロッパーのタイトルが集結。会場となった六本木のイベントスペース・バー“スーパー・デラックス”は熱気で満たされていた。

アジア圏デベロッパーのインディータイトルが六本木に集結! indie MEGASHOW Tokyoリポート_01
アリカのプレイステーション4用新作タイトル『謎の格闘ゲーム(仮称)』を筆頭に、パブリッシャー10社が、それぞれの押しタイトルをプレイアブル展示していた。
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フロアBGMは、東京を中心に活動するDJ兼プロデューサー、DJ Uppercut(写真右)が担当。このほかにも、ナードコアヒップホップ界の大物、MegaRanが楽曲パフォーマンスを行うなど、さながらクラブイベントのような趣だった。

出展パブリッシャー&タイトルピックアップ

WanXin Media

 PCゲームプラットフォーム“CUBE GAME”などを運営する中国の大手パブリッシャー、WanXin Mediaは、自国をはじめアジア周辺諸国のデベロッパーが制作した、意欲的なタイトルを複数出展。DarkStar Games開発の新作アクションRPG『Sinner: Sacrifice for Redemption』のボスラッシュモードなどが、参加者の目を惹いた。

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『RHYTHM Doctor』

 マレーシアのデベロッパーが開発した、PC用リズムゲーム(パブリッシャーはINDIE NOVA)。7拍目だけを押すというシンプルなルールだが、タイミングを惑わせる演出のバリエーションが豊富でおもしろい。日本語ローカライズもすでに完了していて、リリース予定は来年3月とのこと。

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『FRESH BODY(冷鮮肉)』

 香港のLOVIGAMEが開発した、ダークメルヘン風のグラフィック世界が特徴的なローグライクアクションゲーム。倒したモンスターの身体の一部を装備してさまざまなスキルを使い分けたり、遺伝子操作でパワーアップしたりする。今年冒頭にCUBE GAMEで配信開始したアーリーアクセス版が10000ダウンロードを記録するなど 、国内での人気が高い作品ではあるが、残念ながら日本語ローカライズの予定はないとのこと。

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Degica Games

 『RPGツクール』シリーズの海外展開事業などでおなじみのDegica。現在自社で開発中の『ラノゲツクールMV』(角川ゲームス)のプロモーションムービーほか、今年9月にリリースされたばかりの『旋光の輪舞2』(同)などを出展していた。

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『RIVAL MEGAGUN』

 カナダの小規模なデベロッパー、Spacewave Software開発の対戦型シューティングゲーム。敵の連続撃墜コンボを対戦相手への攻撃に変換したり、ボスモードで直接攻撃したりして、サバイバル能力を競い合う。今年のBitSummitに出展していたバージョンから、使える機体が増えており、着実に完成に近づいているのが伺えた。リリース予定は2017年内。

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GameTomo

 東京に拠点を置き、イノベーティブなゲームを日本国内外に向けて配信しているスタートアップ企業、GameTomo。今年7月に、パズル的要素の強い時間制御型FPS『SUPER HOT』のプレイステーション4版をリリースするなど、今後のラインナップが期待されるパブリッシャーだ。

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『プロジェクト・ニンバス:CODE MIRAI』

 すでにSteamでリリース中のハイスピード・ロボットアクションゲーム『プロジェクト・ニンバス』の、プレイステーション4向けリマスター版。オリジナル版同様、日本語版では有名声優による吹き替え音声を楽しめる。リリース予定は2017年秋。

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DANGEN Entertainment

 日本および欧米圏で、すぐれたインディーゲームのローカライズと販売をする、京都のパブリッシャー。代表は、日本国内の大手ゲームメーカーでゲームプロデューサーを務めていたベン・ジャッド氏で、国内外のユーザーの感性を把握したソフトラインナップを、今後も展開していくとのこと。

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『アシュラ』

 インドのインディーゲームデベロッパー、Ogre Head Studioが開発した、ハック&スラッシュ要素に重点を置いたアクションゲーム。今年のBitummitでInternational Game Awardを受賞するなど各国のイベントで高評価を得ている本作は、日本語ローカライズされたSteam版が今年10月にリリース予定。

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『TAKEOVER』

 カナダ人の開発者がひとりで制作しているという、Nintendo Switch用ベルトスクロール格闘アクションゲーム。プリレンダリングの3Dキャラクターが画面狭しと動き回るフルHDグラフィックもさることながら、往年のアーケード用格闘アクション『ファイナルファイト』シリーズおよび、その影響を多大に受けたメガドライブ用格闘アクション『ベアナックル』シリーズのファンなら、ニヤニヤが止まらない数々のシーンが魅力。

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Coconut Island Games

 中国の上海に拠点を置くインディーデベロッパー/パブリッシャーからは、日本語ローカライズ版がPLAYISMからリリースされる予定の『Detention』など、ダークなテイストでストーリー性の高いタイトルが、出展された。

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『ENLIGHTENMENT』

 現在Steamでアーリーアクセス版が公開されている、自動生成ダンジョンを舞台にしたアクションシューティングゲーム。歯ごたえのある難易度と、断片的に綴られる“ポスト黙示録”的なストーリーが、独特のムードを放っている。

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『NECROBARISTA』

 スタイリッシュなアニメーション的手法を大胆に採り入れた、サスペンスタッチのノベルゲーム。死者との対話を中心とした、スリリングな物語が展開する。PC、プレイステーション4、Nintendo Switch版が、2018年にリリース予定(いずれも英語、中国語、日本語ローカライズ対応)。

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