3つのバンドルパックが印象的 怒涛のラインアップを披露

 2014年8月13日(水)~17日(日)まで、ドイツ・ケルンのケルンメッセにてヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2014が開催。開催に先立つ8月12日(火)に、マイクロソフト主催による“gamescom 2014 Xbox Briefing”がケルン市内にあるグッツニッヒにて行われた。

 Xbox事業のトップであるフィル・スペンサー氏が「Xbox One is the Best Place to Play the Game (Xbox Oneは、ゲームを遊ぶのに最適な場所)」と何度も強調していたように、メディアブリーフィングでは、オープニングアクトとして上映された『アサシン クリード ユニティ』の最新映像を筆頭に、年末に向けての充実のタイトルラインアップが披露された。

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▲最初に登壇した、おそらくはドイツXbox事業本部トップの方(左)。ドイツがワールドカップで優勝したことを喜んでいた。Xbox Oneのラインアップの充実ぶりを語るフィル・スペンサー氏(右)。
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 Xbox Oneファンにとっての注目は、3種類の同梱版が発表されたことだろう。まずは、『FIFA 15』のバンドルパックをヨーロッパ市場に向けて投入することを明らかに。こちら、Xbox One本体に『FIFA 15』のデジタル版を同梱して、価格は399.99ユーロ/349.99ポンド。発売日は2014年9月25日。イベントでは、FIFA Ultimate Teamモードで、Xbox One向け独占コンテンツとして“Legends”が提供されることが明らかに。会場では“Legends”に登場する元デンマーク代表にして元マンチェスター・ユナイテッドのゴールキーパー、ピーター・シュマイケル氏が登壇「Ultimate Teamは、実際にプレイしたことのない相手ともいっしょにプレイできるのが楽しい。自分が選ぶとしたら、ベッケンバウアー」と発言。さらに、「息子さんも活躍しているが、ゴールキーパーとして彼を選びますか?」との質問には「申し訳ないが、息子ではなくて、自分を選びます」とコメントし、会場を笑わせた。

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▲元デンマーク代表のピーター・シュマイケル氏がゲスト出演(左写真右)。“Legends”には、まさに伝説の選手たちが登場する(右)。

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▲スレッジハンマーゲームスのCEO、グレン・スコフィールド氏(右)と、スタジオヘッドのマイケル・コンドレイ氏(左)。

 おつぎのバンドルパックは“コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア リミテッドエディション”で、こちらはオリジナルデザインのXbox One本体に1テラバイト(!)のハードディスクやヘッドセットなどを同梱して、499.99ユーロ/429.99ドル/499.99ドルで発売。こちらは、2014年11月4日発売となる。壇上には、開発元であるスレッジハンマーゲームスのCEO、グレン・スコフィールド氏と、スタジオヘッドのマイケル・コンドレイ氏が姿を見せ、「楽しい、新しいゲームプレイ、記憶に残るストーリー、真の次世代ゲームを目指して開発しています」と抱負を語った。

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▲サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジが崩壊するまでが描かれたデモが公開された。
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▲“コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア リミテッドエディション”。1テラバイトで、ファンとしては思わずほしくなる。
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▲こちらはブリーフィングのあとの体験会会場で披露された実物。かっこいい!

 そして3つめは、マイクロソフト2014年イチオシタイトルの1本『Sunset Overdrive』のスペシャルエディション。白い本体が印象的なこのスペシャルエディションは、『Sunset Overdrive』のデジタル版(ゲーム内アイテムを使える『special Day One edition』!)などを同梱して、399.99ユーロ/349.99ポンド/399.99ドルで2014年10月28日に発売。

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▲『Sunset Overdrive』の開発元であるインソムニアックゲームスの創業者にしてCEO、テッド・プライス氏。
▲『Sunset Overdrive』のスペシャルエディション。ゲームの世界観からすると意表をつくかっこよさで渋い。


 そのほかにも、Xbox Media Briefingでは、注目作の新情報が続々ともたらされている。まずは、“Halo Channel”。Xbox OneとWindows 8.1搭載のPC、そしてWindows Phoneという3つのデバイスでの閲覧を可能にした“Halo Channel”は、インタラクティブネットワークで“Halo Universe”の構築を実現。映像や詳細なデータを見られるようになっている。Twichとの連携も実現しており、まさにHaloコミュニティーのためのコンテンツと言えるだろう。欧米では『Halo: The Master Chief Collection』と同日の2014年11月11日からサービスが開始されるようだ。その『Halo: The Master Chief Collection』では、オリジナル版『Halo 2』で人気の高かったマルチプレイのマップSanctuaryが、リメイクされて収録されることもアナウンス。「『Halo』らしさを好むファンの皆さんには、とくに気に入っていただけるのでは?」と、343 インダストリーズのエグゼグティブ・プロデューサー、ダン・アイユー氏。さらに、『Halo: The Master Chief Collection』では、『Halo 2』で好評だったスキルベースのランキングシステムを採用することが明らかにされると、会場からは大きな歓声が湧いた。

 なお、『Halo: The Master Chief Collection』を購入すると楽しめる『Halo 5 Guardians』のマルチプレイベータは2014年12月29日から2015年1月18日まで、3週間限定で行われるとのこと。4対4や、Red vs Blueなどのゲームモードが遊べるとのことだ。

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▲343 インダストリーズのスタジオヘッド、ボニー・ロス(左)とエグゼクティブ・プロデューサー、ダン・アイユー氏(右)。
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▲『Halo』のインタラクティブコンテンツ“Halo Channel”。

 マルチプレイベータといえば、2Kとタートルロックスタジオによる話題のアクションシューティング『Evolve(エボルブ)』のマルチプレイベータが2015年1月に実施されることが発表された。しかもマルチプレイベータはXbox Oneだけ! あわせて、同作の発売日が2015年2月になることもアナウンスされた。先日海外で発売延期が発表されたばかりの『Evolve(エボルブ)』だが、さほど間をおかずに遊べることになりそうだ。さらに、ブリーフィングでは新マップの“Distillery”も解禁されている。タートルロックスタジオのクリエイティブ・ディレクター、フィル・ロブ氏によると「新マップは雪の嵐が吹き付けており、高低差に富んだ地形が特徴です」とのこと。ハンター4対モンスター1対による激しいバトルにもさらに気合いが入りそうだ。

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▲タートルロックスタジオのクリエイティブ・ディレクター、フィル・ロブ氏(左)。ゲーム実況風に“Distillery”が紹介された。ちなみに、“Distillery”は蒸留所といった意味があるようだ。

 既報の通り、『Rise of the Tomb Raider』がXbox Oneに独占で供給されることが発表されるなど、いわゆる“エクスクルシブタイトル”が強調されたメディアブリーフィング。会場では、マイクロソフト コーポレートバイスプレジデント フィル・ハリソン氏より、Xbox OneとXbox 360のエクスクルシブタイトルとして、『ScreamRide』が発表された。フロンティア・デベロップメント開発による同作は、近未来を舞台に、叫び声の量で勝敗を決めるゲームになるとのこと。映像を見たところ、アトラクションを作成していくゲームのようだが、一方で馬鹿っぽい要素もあるような……。妙に気になる1作ではある。

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 と、新情報を中心にリポートしてきた“gamescom 2014 Xbox Briefing”だが、記者的にもっとも注目したいのが、『Quantum Break』。『アラン ウェイク』などでおなじみのレメディー・エンターテインメントによる最新作だ。E3 2013でのプレゼン以降(⇒関連記事はこちら)、とんと音沙汰がなかった『Quantum Break』だが、会場では初プレイアブルが披露。相変わらず細かいシチュエーションなどは不明だが、デモでは主人公によるバトルシーンが公開された。レメディー・エンターテインメントのクリエイティブ・ディレクター、サム・レイク氏によると、主人公の目的は世界の終わりを食い止めることらしい。主人公には敵の視界をぼやけさせて混乱させたり、弾を止めたりする能力がある。また、主人公は周囲の時を止めることができるが、時がいつ元に戻るかわからない。さらには、時を止めた状態でも動けるテクノロジーを備えた敵もおり……と、設定にも趣向が凝らされているのだ。もともと『アラン ウェイク』などでストーリーテリングには定評のあるレメディー・エンターテインメント。主人公の設定などを見ると、ゲームプレイにもひとひねりしているとの印象だ。本作の発売時期は2015年。新世代のアクションアドベンチャーとして、注目の1作と言えるだろう。

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▲主人公が特殊能力を駆使して敵を倒す……という一連のアクションが披露された。

 最後に、フィル・スペンサー氏より新サービスの発表も。ユーザーから要望の高かったという、予約⇒ダウンロードを実装するというのだ。サービスが開始されるのは『FIFA 15』と『Forza Horizon 2』からだという。最初に触れたバンドルパックにもデジタル版が同梱されることからも明らかな通り、Xbox Oneにおいてデジタル化の波は急速に進んでいるようだ。

 豪華クリエイター陣が登壇してのタイトルプレゼンが行われた“gamescom 2014 Xbox Briefing”は、充実のXbox Oneのラインアップを印象付ける内容となった。

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▲ブリーフィングでは、クリス・チャーラ氏がID@Xboxのタイトルを紹介(左)。バラエティーに富んだタイトルはID@Xboxの可能性を見せつけた。さらには、Turn 10 Studiosのダン・グリーンフォルト氏が『Forza Motorsport 5』に新車種が登場することを明らかに。登場するのはフォーミュラEとロールスロイス。フォーミュラEは電気自動車フォーミュラーカーのことで、渋いセレクトだなあ。

(取材・文 編集部/F)