ガンホー×グラスホッパーの挑戦!

【PS4クリエイターインタビュー】『リリィ・ベルガモ』グラスホッパー・マニファクチュア須田氏が目指す“ドアクション”ゲームの姿とは_02

 プレイステーション4(以下、PS4)で、新世代のゲーム開発を進めているトップクリエイターに聞く、連載インタビュー企画。今回は、ガンホー・オンライン・エンターテイメントとグラスホッパー・マニファクチュアがともに開発を進めている新作アクション『リリィ・ベルガモ』(2014年発売予定)について、須田剛一氏にうかがった。

【PS4クリエイターインタビュー】『リリィ・ベルガモ』グラスホッパー・マニファクチュア須田氏が目指す“ドアクション”ゲームの姿とは_05
グラスホッパー・マニファクチュア 代表取締役 ゲームデザイナー
須田剛一氏

これまでのグラスホッパーのゲームを上回るような“ドアクション”

――初めに、『リリィ・ベルガモ』とはどんなゲームなのか、概要を教えていただけますでしょうか。
須田 『リリィ・ベルガモ』は、五百蔵 多恵(いおろい たえ)という、ちょっと難しい名前の女性が主人公のアクションゲームです。アクションといっても、ただのアクションじゃないです。“ドアクション”です。ド・ア・ク・ショ・ン。そして、“コンパニオンアプリ”を大きくフィーチャーして、挑戦したいと思っています。

――なぜ、この『リリィ・ベルガモ』を、PS4でリリースしようと思ったのですか?
須田 グラスホッパー・マニファクチュアは、いまはガンホーファミリーの一員なのですが、グラスホッパーとガンホー(※ガンホー・オンライン・エンターテイメント)、「両方の会社の持ち味を活かしたゲームを作ろう」と、森下(ガンホー・オンライン・エンターテイメント代表取締役社長 CEOの森下一喜氏)と話をする中で生み出されたのが『リリィ・ベルガモ』です。また、PS4には最初から注目していましたので、このプラットフォームで勝負をしようと、PS4での開発を決めました。

――先ほどおっしゃっていた“ドアクション”が本作のキーワードになるのだと思いますが、具体的には、どのようなアクションなのでしょう?
須田 “ドアクション”を定義するのは非常に難しいのですが……というか、じつは僕もよくわかっていないんですけれど(笑)。まず、“ハック&スラッシュ”の要素は、徹底的に取り入れていこうと思っています。要は、アクションの中に、成長要素を盛り込んだもの。経験が蓄積されて、プレイヤーのデータがどんどんどんどん更新されていくもの。そういったアクションゲームを作りたいという思いで、開発を進めています。

――いままでグラスホッパー・マニファクチュアが手掛けてきたアクションゲームを、さらに上回るような、すっごいアクションゲームを目指しているんですよね。
須田 そうですね。PS3での僕らのチャレンジとしては、『シャドウ オブ ザ ダムド』、『ロリポップチェーンソー』、『キラー イズ デッド』などが挙げられるんですが、これらのタイトルで培ってきたアクションの蓄積、いい部分をすべて『リリィ・ベルガモ』に入れていこうと思っています。アクション……とくにスラッシュアクションは、自分たちの得意なところですし、自信を持っています。

【PS4クリエイターインタビュー】『リリィ・ベルガモ』グラスホッパー・マニファクチュア須田氏が目指す“ドアクション”ゲームの姿とは_01

――キャラクターデザインは、コザキユースケさんが担当されていますね。
須田 コザキさんとは『ノーモア☆ヒーローズ』のころからいっしょに仕事をしていて、ファミリーのような関係です。スタッフの一員としていっしょにものを作っていく、そんなマインドで参加してもらっています。もちろん、『リリィ・ベルガモ』でも、コザキさんの絵をしっかりフィーチャーしていきますよ。

――PS4で、コザキさんのキャラクターがどのように表現されるのか、楽しみです。続いて、本作の大きな特徴であるという“コンパニオンアプリ”についてうかがいたいと思います。アプリの内容は、すでに具体的に決まっているのでしょうか。
須田 コンパニオンアプリは、スマートフォンで開発を進めています。これはもう、いちばん注目してもらいたい要素ですね。まだ詳しいことはお話しできないんですが、発表を楽しみにしていてください。

――以前、スマートフォン版との“非同期のオンライン”を重視しているとおっしゃっていましたが……。
須田 ガンホーグループにとって、“オンライン”はいちばんの強みですので、チーム全員でアイデアを膨らませているところですので、注目してほしいですね。このことについても、詳細はもうしばらくお待ちいただければと思います。

――では、DUALSHOCK 4の機能は、本作ではどのように活かされるのでしょうか?
須田 タッチパッドは、うまく活かしたいと思っています。デバイスをうまく料理してゲームデザインをするというのは、グラスホッパーが得意としていることなので、いろいろなチャレンジをしていきたいです。

――ゲームのプレイ動画やスクリーンショットをプレイヤーがアップロードできる、SHAREボタンについてはいかがでしょうか。
須田 SHAREボタンを使った機能を実装するかどうかは未定なのですが、自分でも「SHAREボタン、押してみたいな」と思います。自分のゲームで、シェアってみたい。そんな気持ちです。

【PS4クリエイターインタビュー】『リリィ・ベルガモ』グラスホッパー・マニファクチュア須田氏が目指す“ドアクション”ゲームの姿とは_03

PS4は“サクサク”ゆえに、安心して開発できる

【PS4クリエイターインタビュー】『リリィ・ベルガモ』グラスホッパー・マニファクチュア須田氏が目指す“ドアクション”ゲームの姿とは_06

――PS4は、“Simple(使いやすさ)”、“Immediate(サクサク)”、“Social(ソーシャルとの融合)”、“Integrated(さまざまな機器・サービスとの連携)”、“ Personalized(ユーザー体験の最適化)”の5つをキーワードとしていますが、この中で、とくに気になるものはありますか?
須田 いちばん印象的なのは、“サクサク”です。PS4がゲーム機として、もっとも注力しているポイントだと感じたので。僕らはゲーム屋ですので、とにかくおもしろいゲームを作る、より魅力的なゲームを作ることに注力したいんです。そのために必要なのは、“サクサク”動作するハード。この“サクサク”は、ゲームを作るうえで、いちばん安心できる材料なんですよね。まさにいま、開発しながら、その“サクサク”の手ごたえを感じています。

――PS4は作りやすいハードだ、といろいろな方がおっしゃいますが、やはりグラスホッパーの皆さんもそう思われますか?
須田 作りやすいです。比べてしまっていいのかわかりませんが、PS3に比べて、とても作りやすいです! これはきっと、ほとんどのクリエイターの皆さんが感じていることだと思います。

――これまでのハードよりも作りやすいぶん、やりたいことを追求するために、多くの時間を使えるんですね。
須田 そうなんですよ。そこがまさに、“サクサク”に直結しているポイントだと思うんです。安心して開発できるというのは、僕たちにとっていちばんいいことですので、すごくエキサイティングですね。

――『リリィ・ベルガモ』の発売は、もう少し先になるかと思いますが、いまの開発状況はいかがですか?
須田 皆さんにゲームをお届けするためのいちばんの近道は、1日1日積み上げていくことです。現在、チームのみんなで1日1日を『リリィ・ベルガモ』に捧げ、コツコツ作っています。おもしろいアイデアを練って、しっかりデータを作って、調整をして……と、大事に時間を使って作業していますので、ぜひ注目してほしいと思っています。

――楽しみにしています。それでは、ゲームファンにひと言メッセージをお願いします。
須田 2014年2月22日は、僕自身、とても楽しみにしている日です。1日でも早くPS4に会いたいな、という気持ちで待ち焦がれています。おそらく僕ら以上に、多くのプレイヤーさんがPS4に期待していると思いますが、そんな皆さんに『リリィ・ベルガモ』を1日でも早くお届けできるよう、しっかり作っていきたいと思います。グラスホッパー・マニファクチュアの新作『リリィ・ベルガモ』、応援してください!

【PS4クリエイターインタビュー】『リリィ・ベルガモ』グラスホッパー・マニファクチュア須田氏が目指す“ドアクション”ゲームの姿とは_04
【PS4クリエイターインタビュー】『リリィ・ベルガモ』グラスホッパー・マニファクチュア須田氏が目指す“ドアクション”ゲームの姿とは_07
★SCEJA×ファミ通・特設サイト公開中!(▲画像をクリック!)