新たなララ・クロフトに出会う旅! 『TOMB RAIDER』プレイインプレッション

公開日時:2013-04-24 00:00:00

2013年4月25日に、プレイステーション3とXbox 360、PCで発売予定のサバイバルアクションゲーム『TOMB RAIDER(トゥームレイダー)』。シリーズ最新作にあたる本作は、主人公ララ・クロフトの初めての冒険と、その冒険を通して、彼女が成長していく姿が描かれる。今回は、本作の紹介を交えつつ、インプレッションをお届けしよう。

■初々しさが残る等身大のララ・クロフト

みなさん、こんにちは! ライターのジャイアント黒田です。いきなりでなんですが、僕は年上の女性が好み! そんな僕にとって、2丁拳銃を手に敵を容赦なく蹴散らすララは、“一生ついていきたくなるような、理想のお姉さん”の代表格でした。

ですが、本作に登場するララは、そのイメージと大きくかけ離れていました。ひと言で表現するならば、“一生そばで守ってあげたくなるような、かわいい妹”と言ったところでしょうか。とくに、船が難破し(ララは考古学者の卵で、邪馬台国がどこにあったのかという調査のため、日本近海の船に乗船していたのでした)、島に漂着した姿からは、凛々しさや力強さは感じられません。そこにいるのは、恐怖と寒さに怯える普通の女のコでした。

シリーズの作品を少しでも遊んだことのある方には、信じられないかもしれません。しかし、本作に登場するララは、21歳で大学を卒業したばかりの新米考古学者。そのうえ、今回が彼女にとって始めての冒険になるので、不測の事態に戸惑い、困惑するのも無理はないでしょう。むしろ、スーパーヒーローのララの“人間くさいところ”を知ることができて、以前よりも親近感がわきました。彼女も、いろいろな苦労を経験して、一流の冒険家に成長したんだなぁと。

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▲キレイなオネーさんタイプ、とも言えましょう。

また、ララが発する“つぶやき”などで、彼女の不安や焦燥をうかがい知れたり、自分を鼓舞して困難に立ち向かう姿が描かれるのもポイントです。こういった演出により、プレイヤーが自然と彼女に感情移入しやすくなっていて、僕はしだいに新たなララの虜になっていきました。顔の作りが薄くなり、親しみやすい見た目になったのも彼女にハマッた理由のひとつ。少女の面影を残すその表情は、とってもキュートです!

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▲甲斐田裕子さんのボイスもベストマッチ!

もちろん、ララは“妹キャラ”で終わるほど、おとなしい女性ではありません! 本作の冒険を通して、スーパーヒーローのララへと急成長していきます。このララが成長する姿を堪能できるのも、本作ならではの醍醐味です。たとえば、本作でララは初めての“殺人”も経験します。正当防衛だったとはいえ、彼女は人を殺したことで苦悩しますが、次々と襲いくる敵と対峙して、迷いは覚悟へと変わっていきます。狩られる側から狩る側へ、大きく成長していくのです。ララの成長に従い、敵を殲滅していく爽快感をプレイヤーも味わえるってわけです。

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▲ハントされる側からハンターへ

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▲ララさんは心が折れそうなシチュエーションもひたむきにがんばるのです。

■戦闘スタイルは自由自在

敵との戦闘も、シリーズの魅力のひとつでしょう。本作のララは、冒険を通して弓や銃、ピッケルなどの多彩な武器を入手し、これらの武器を駆使して敵と戦います。序盤のララは接近戦が苦手なため、基本的には弓や銃を使って敵を倒すことになりますが、敵の下半身を撃って相手の体制を崩したり、スキルを習得させれば近接攻撃も可能になります。

銃器も一般的なハンドガンから、マシンガン、ショットガンなどが用意されており、マシンガンは連射性能に優れる、ショットガンは威力が高く、近距離で広範囲を攻撃できるなど、それぞれ特徴があります。戦闘では、これらの武器の使い分けが重要になります。たとえば、防具を身に付けた敵には威力の高いショットガンが有効ですが、複数の敵を相手にするときは、連射性能に優れたマシンガンが頼りになります。

また、原始的な武器の弓には、音を立てずに敵を倒せる(サイレントキル)というメリットが。弓は壁に矢を放ち、敵の注意をそらすといったことでもできるので、敵に気づかれていない場面では、弓を使って敵を暗殺すると、安全に切り抜けられることが多いです。仮に敵に発見されてしまうと、仲間を呼ばれて戦況が一気に厳しくなることも!

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▲弓でひとりひとり片付けていくことに失敗したら銃を使いましょう。

先ほど、武器の使い分けが重要と言いましたが、どの武器を使って切り抜けるかは、プレイヤーの自由。多彩な武器を臨機応変に使いながら切り抜けていいですし、弓をメインに扱って、ランボーのように怒りながら(?)戦うのもアリ! 本作は、スキルを習得してララの能力をカスタマイズしたり、装備品を強化して愛用の武器を強くすることもできるので、自分の理想のララに近づけていく楽しみも体験できます。

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▲鎧をまとったヤツや盾を持って突入してくるヤツも。敵の攻撃をタイミングよくかわすと、敵に大きな隙ができる。そこを攻撃!

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▲敵の足に弓を刺して、一定時間、敵の動きを封じるといったスキルもある。

敵についても少し触れておきましょう。本作の敵は、AIがとにかく賢く作られています。たとえば、フィールドの状況に応じて隠れる場所を変えたり、ララが隠れているところに火炎瓶を投げてきたりと、状況に応じた動きをしてくるのです。ただ、その賢さを利用して、ある場所に弾を打ち込んで敵を誘導し、こちらの有利な状況を作ることも可能です。そもそも何故、問答無用で襲いかかってくるのかは、物語を進めていただければわかってくるのですが、初めての冒険で、こんな危険な敵を相手にしなければいけないなんて、ララさん、ジョン・マクレーンも真っ青の運のなさです。

■高低差のある広大なフィールド

今回、ララが冒険をくり広げるのは、“ドラゴントライアングル”という海域に存在する謎の島。この島には、おびただしい数の難破船や、戦闘機の残骸などがあるほか、島内にはいたるところに歴史的な建造物や遺跡が残っています。

この不思議に満ちた島を、ララの持つ類まれなる身体能力を生かして、縦横無尽に冒険できるのもシリーズならではの魅力。序盤は実行可能なアクションが少ないですが、ピッケルを入手すると断崖絶壁を上れるようになったり、矢にロープをつないで発射できるようになると、離れた場所の間にロープを張って移動することが可能になり、活動範囲がグッと広がります。

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そのほかにも、ロープにつないだ矢は遠くにあるオブジェクトを移動させるのに使えるほか、離れた場所にある仕掛けを作動させるのにも利用できます。こうした島内に仕掛けられたギミックは、ララの特殊能力“インスティンクト”を使うと確認でき、ギミックなどがある場所が光って表示されます。このインスティンクトが先に進むためのヒントになっているので、広大なフィールドでも迷いにくく、快適にプレイできました。

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そして、インスティンクトは戦闘で役に立つのもミソ。インスティンクトを使うと敵が光って表示され、位置を把握しやすくなるほか、戦闘に利用できそうなオブジェクトも光ります。戦闘に利用できるオブジェクトの一例が、火の付いたランタンやドラム缶。ランタンを撃つと下にいる敵を火だるまにでき、ドラム缶を撃てば周囲の敵をまとめて倒すことができるのです。これらを利用するかどうかもプレイヤーの自由ですが、使ったほうが楽に敵を倒せる場面は多々ありますし、何より使ったほうが冒険家としてカッコいい(断言)し、爽快ですよ!

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▲ドラム缶を爆発させ、敵を一網打尽に。よくある要素と言えばよくある要素なのですが、やはりこの爽快感は基本と言えましょう。

■フィールドに散りばめられたやり込み要素

最後に、個人的にツボだったやり込み要素を紹介したいと思います。本作は、やり込み要素がとにかく多彩! たとえば、各フィールドには“ドキュメント”や“レリック”、“ジオキャッシュ”などが配置されています。これらはいわゆる収集アイテムで、発見するとストーリーに隠された事実が判明するなど、ちょっとしたお楽しみ要素が体験できます。

また、フィールドには火の付いたランタンを撃ち落す“パイロマニア”、石像に火を灯す“イルミネーター”といった、さまざまなチャレンジも用意されています。これらのチャレンジを実行し、要求した条件をすべて達成すると、スキルの習得に必要な経験値を得られるほか、コンセプトアートがアンロックされることも。コンセプトアートを通じて、本作の新たな魅力に触れられます。

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▲各地に点在するキャンプを行ったりきたりしながら、さまざまなチャレンジをコンプリートしましょう。キャンプの行き来は瞬間的に移動可能です。

さらに、島内に存在する“シークレットトゥーム”と呼ばれる謎の遺跡も、やり込み要素のひとつ。“シークレットトゥーム”の中にはさまざまな謎解きが用意されていて、クリアーすると大量の経験値や貴重な物資が手に入ります。クリアーしなくとも、物語の本筋には影響しませんが、トレジャーハンター気分が味わえる要素となっているので、ぜひ挑戦するといいと思います。

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▲シークレットトゥームはパズル的要素が楽しめる。謎を解いて経験値や武器のパワーアップアイテムなどをゲットしましょう。

広大なフィールドを歩き回り、これらのやり込み要素をすべて見つけたり、達成するのは大変ですが、それこそ“コレクター魂”、もとい“冒険家魂”に火が付くと言うもの。美しいフィールドのロケーションを堪能しながら、ぜひチャレンジしてください!

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▲ハラハラするロケーションがテンコ盛り。

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▲手に汗握るシチュエーションがつぎつぎとあり、エンディングまでダレることはありません!

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▲雪のなか、足場の狭い高所を進むララ。寒そうであり、怖そう。

しかも、これらやり込み要素に加えて、マルチプレイ要素もあります。現段階ではプレイできていないので、その内容をお伝えできないのが残念ですが、マルチプレイでどんな戦いが待っているのか楽しみです(本当は少し臆病な僕)。

■ゴールデンウイークはララといっしょに謎の島へ!

本作が発売した後、大型連休のゴールデンウィークに突入します。予定が決まっていないという人はもちろん、すでに予定が決まっているという人も、21歳のララとともに、ドラゴントライアングルにある謎の島へ旅立ってみませんか? アドベンチャー映画さながらの危機また危機が続く演出、卑弥呼にまつわるミステリアスな展開、そして先住民との手に汗握る戦闘……。興奮と感動に満ちた冒険になることを約束します!

本作のアクションゲームとしての完成度は非常に高いと思いと思います。アクションゲームファンにもオススメですが、プレイ中にいつでも難易度を変更できるうえ、アクション自体はさほどシビアな操作は必要されず、それでいて“ギリギリ感”を演出してくれる、いまどきのアクションゲームとなっています。つまり、アクションが苦手な人でも大丈夫! 少しでも興味のある方は、ぜひララの原点に触れてください!

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▲僕らの知ってるララにも会える!?

著者:ジャイアント黒田
週刊ファミ通で執筆する、ゲームと食べ歩きが大好きなフリーライター。春の陽気で食欲がいつにもまして増加し、体重は120キロ台に突入。だが、さすがに服が入らなくなったため、現在ダイエットに励んで115キロに。今度こそ本当に痩せたいと思う今日この頃。


※『TOMB RAIDER(トゥームレイダー)』の公式サイトはこちら
TOMB RAIDER (C) 2012 SQUARE ENIX LTD. Published by Square Enix Co., Ltd. CRYSTAL DYNAMICS, the CRYSTAL DYNAMICS logo, EIDOS, the EIDOS logo, LARA CROFT and TOMB RAIDER are registered trademarks or trademarks of Square Enix Ltd. SQUARE ENIX and the SQUARE ENIX logo are registered trademarks or trademarks of Square Enix Holdings Co, Ltd.

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トゥームレイダー - ファミ通エクストリームエッジ

タイトル:ライズ オブ ザ トゥームレイダー
ジャンル:アクション・アドベンチャー
対応機種:プレイステーション4
発売日:2016年10月13日発売予定
価格:6800円(+税)、ダウンロード版は5800円(+税)
プレイ人数:1~2人
CERO:18歳以上のみ対象
通信機能:プレイステーション3版はPlayStation Network対応、Xbox 360版はXbox LIVE対応
開発:CRYSTAL DYNAMICS
Tomb Raider (C) Square Enix Ltd. 2016. Published by Square Enix Co., Ltd. Square Enix and the Square Enix logo are registered trademarks of Square Enix Holdings Co., Ltd. Lara Croft, Tomb Raider, Crystal Dynamics, the Crystal Dynamics logo, Eidos, and the Eidos logo are trademarks of Square Enix Ltd.