なぜ毛利名人は、時間と仕事を忘れるほど『Diablo(ディアブロ) III』にハマったのか!?

公開日時:2014-02-27 00:00:00

国内ではスクウェア・エニックスから発売され、スマッシュヒットとなっている『Diablo(ディアブロ) III』。シリーズ初のフルローカライズを果たした本作を毛利名人が解説!!  ハックアンドスラッシュゲームの最高峰に君臨する『Diablo III』の魅力とは!?

■3つの『Diablo III

正直、オレがここまで『Diablo III』好きな人間になるとは思っていませんでした(笑)。だってこの原稿を書いている時点で、3種類の『Diablo III』をプレイしているのですから……。いまから約2ヵ月前の2013年12月。ファミ通ドットコムにて掲載された『Diablo III』の紹介記事を書き終えてからも、オレはふたつの『Diablo III』をプレイしていたのです。

ひとつはPC版『Diablo III』。
2012年5月に発売以来、半年間プレイしたあとは放置していたのですが、2013年秋に初のダウンロードコンテンツ『Reaper of Souls』が2014年3月25日に発売されるというニュースを聞いたオレは、すっかり忘れていたマウスとキーボードを使う操作感を取り戻すため、数日に1回のペースでプレイしていました。

もうひとつはプレイステーション3版『Diablo III』の英語バージョン。
アメリカでは2013年9月に発売されていたものを、本ブログの編集者から拝借。紹介記事制作のためにプレイしていたのです。その後、『ファミ通LIVE』のプロデューサーさんから日本語版『Diablo III』が発売される週の放送に出演して、実況プレイをしてもらえないかとのリクエストを受け、練習的な意味合いでプレイしていたのです。

そして、3つ目となる日本語版『Diablo III』。
ファミ通LIVE』に出演した2014年1月29日に、出演の謝礼として日本語版『Diablo III』をいただくことができたのです! でも、ここでひとつの大きな悩みが生じることになりました。その悩みとは前日まで毎日のようにプレイしていた英語版『Diablo III』のプレイを止めなければならないこと。

英語版では、レベルキャップ(レベル60)まで育てたバーバリアン(♂)、モンク(♂)、デーモンハンター(♀)がいたのですが、彼らの装備が究極レベルに達していなかったのです。究極の装備を追い求める欲深きオレとしては、「これ以上強くすることはムリだろう」という装備を全員に装着したかったのですが、ぶっちゃけ日本語版がどのような出来になっているのかという点も、ものすごく気になっていたのですよ。

「せっかく入手したのにプレイしないのはもったいない」と考えたオレは、後ろ髪を引かれるような思いで英語版のプレイを一時停止し、日本語版をプレイすることにしたのです。

■フルローカライズされたことで、より身近な存在に

最近オレは、自分が欲しいと思った洋ゲーは日本語版が出る前に英語版を購入しています。英語がほんの少々しかわからないオレのような洋ゲー好きな人でも、英語版『Diablo III』は、画面左上に表示される「Go to ……」というような指示やマップを見ていれば最後まで迷うことなくゲームを進められます。ただ、セリフはまったくわからなかったので破滅に向かう世界の様子は、ノンプレイヤーキャラクターたちの仕草やセリフのニュアンスから想像するしかなかったのです。

たとえば、ACT1のスケルトンキングがいる部屋の途中でレオリック王が殺される場面を回想するシーンがありましたが、英語がわからないオレにとっては「殺されるような恨みを持たれたんじゃないの」という認識だけで素通りしていました。しかし、レオリック王が殺された要因、王妃がギロチンで処刑された理由など、レオリック王の半生が狂乱に満ちたものであることが日本語版をプレイすることで初めて知ることができたのです。

Diablo III』に限らず、ほかのローカライズされた洋ゲーにも言えることなのですが、英語版で発見できなかったストーリーの流れや世界観を日本語版で初めて発見できることで、ゲームとプレイヤーとの間に親近感が湧いてくるものですが、吹き替えまで日本語に対応したフルローカライズ仕様では、より一層親近感を覚えるものだと改めて感じました。

ClFCWvZgI1WZ5pXfAv4Z3C2gk333XOIV kpPaJ2maT2Pri4z1vde4gbA6KT3oqGa1

▲フィールド上に転がる死体や鞄を調べると手紙が出てくることがあります。手紙をとると英語版では英語のナレーションが流れていたので、手紙の意味が分からなかったのです。日本語版では当然のことながら日本語のナレーションに吹き替えられており、本作の世界観を把握することができます。

■デュアルショック3で操作できる重要性

PC版ではマウスとキーボードを使ってプレイします。このふたつの入力デバイスを使うためには通常のPCを操作するときと同様に、右手でマウスを、左手でキーボードを操作することになります。PCゲームに慣れていない人の場合、左右別々の手でふたつの入力装置を使いアクション性の高いゲームをプレイするとなると、キーボードの操作を間違えたりキーの位置を確認するために目線を画面から外している間に大ダメージを負ってしまう危険性があるため、お手軽に楽しめる操作方法とはならないでしょう。

一方、プレイステーション3版ではデュアルショック3のみを使ってプレイします。当然ながら両手でひとつのコントローラを持ったままプレイするので、マウスとキーボードで操作するのよりも手軽なものになります。しかも、PC版ではマウスでカーソルを動かす→移動したい場所でクリックするという2段階でキャラクターを操作していましたが、プレイステーション3版ではアナログスティックを動かしたい方向に倒すという1回の操作だけでキャラクターを動かせるので、PC版よりもダイレクトにキャラクターを操作できるのです。些細なことなのかもしれませんが、空から降り注ぐ火の玉や敵が放つビームを避ける際に一刻も早く方向転換が必要な場面では、2回の操作よりも1回の操作のほうが素早く方向転換できるのです。それ故に間一髪ダメージを喰らわずに済むことが多々あったりするのですから。

WH3oeh7Y7E1PPIdmMAJjfTPBj4yEweVy KDOjE7UD9qMMhi34GnBN91Y9Rw4maS11

▲デュアルショック3で操作するため、共有保管庫や装備、スキルの選択画面はPC版とはまったく違うものになっています。共有保管庫はマス目数制限(アイテムの種類によって1マス~4マスを使用)から個数制限に変更。装備、スキルはアナログスティックを倒した方向に対応するホイールシステムを採用しています。

■もうPC版には戻れなくなるようなレアアイテム出現率!!

Diablo III』に登場するアイテムのうち、レア度の高いアイテムは“レジェンダリーアイテム”と呼ばれ、オレンジ色でアイテム名が表示されます。PC版の場合、このレジェンダリーアイテムの出現度が極端に低い! 50日間連続でプレイして1個出るか出ないかというレベルなのです!! それに比べてプレイステーション3版では、レジェンダリーアイテムは数時間に1個の割合で出現します。PC版のシビアさを知っている人にとっては、「これは大盤振る舞いなんじゃないの!? 」と感じてしまうほど、よくドロップします(笑)。

ScMbu3F6Ub8tIep78D4739gj1dYT4RDh Fgp8BH4jajK2BS3EkcMUs975TR1W7jOl

▲レジェンダリーアイテムが出現すると、フィールド上にひと筋のオレンジ色の閃光(『Diablo III』プレイヤーのあいだでは、茶色にも見えることから、“茶柱”と呼ばれています)が出現。装備すれば数多くのパラメーターを引き上げられます。

▲レジェンダリーアイテムがよく出ることに加え、武器や防具のパラメーターがPC版の1.5倍~3倍も高いので、PC版よりも早く4段階あるモードのなかで最難度を誇るインフェルノモードのディアブロを討伐できるのです。

AylC8GgGTDU9pn9CN5TdodFuHU9Qe62A TqaDe4q4B1ZL82V6s1B35R81F873jo78

▲インフェルノモードでは高次元のパラメーターを持ったレジェンダリーアイテムが出現することも! パラメーターが700を超える代物はPC版では存在しないと言っていいでしょう!?

これだけ美味しいアイテムを数多く入手すると、正直言ってもうPC版には戻れない(笑)。これで追加コンテンツがなければPC版に戻ることなくプレイステーション3版をやり続けられるのですが、来月発売される『Reaper of Souls』のことを考えると、発売されるころには戻らざるを得ないと言うのが、いまの率直な気持ちなのです。果たしてPC版のドロップ感覚に戻れるか非常に不安です(笑)。『Reaper of Souls』はアメリカで2014年に発売予定のプレイステーション4版『Diablo III : Ultimate Evil Edition』でもプレイできます。スクウェア・エニックスさんには、ぜひ、PS4で『Diablo III : Ultimate Evil Edition』をリリースしてほしいですね。

■いらないアイテムを再利用してくれる鍛冶職人の存在

Diablo III』で出現するアイテムは、すべてが高い性能を持ったアイテムというわけではありません。アイテムがない序盤はともかく、キャラクターのレベルが高くなるにつれて装備することのないアイテムが数多く出てきます。キャラクターの装備がレジェンダリーアイテムで占められている場合、運よく新しいレジェンダリーアイテムが出てきても、性能が低い場合は用なしということになるのです。

前作まではアイテム商人にいらないアイテムを売り飛ばすしかなかったのですが、『Diablo III』ではキャラクターに同行する鍛冶職人“ヘイドリック・イーモン”に頼めば、不要なアイテムを分解し、新しいアイテムの原材料に変えてくれます。その原材料を使って、新しいレアアイテムを製作してくれるのです。たとえば、ゲーム中盤までにレアアイテムが装備できていない場合、鍛冶職人にレアアイテムを製作してもらい、それを装備することでキャラクターの能力をパワーアップさせることができます。

mFcvfr5YTWb1rqtv37oaBVjF55gbCHD1 eWKMn1C9igb51Z968t37OQah2x8iD14c

▲高性能なレアアイテムを製作するためには、ゴールドとアイテムを使って鍛冶職人をレベルアップさせる必要があります。レベルアップするとともに店の外観も変化。レベル1ではみすぼらしい外観も、最高レベルのレベル10になると豪華かつワイルドに外観になります!

■鮮やかな表現で迫る多種多彩なアクティブスキル

Diablo III』には5種類のクラスが存在し、育てたレベルに応じてさまざまなアクティブスキルを覚えていきます。レベルが少ないうちは見た目も与えるダメージ量も地味なスキルが多いのですが、レベルが高くなるにつれて見た目も派手になっていきます。「もっと派手なアクティブスキルが見たい! 」という欲求を満たすために、時間を忘れてプレイしてしまうのも、『Diablo III』の魅力なのです。

ZN21Bi3ke66YFWnVvsRQJVo1Nu5ZQJ86 op19eCA5t79ams6y7jTfE6573n1vxtxQ

▲モンクのアクティブスキル“七星死戯”。発動した瞬間、目にも留まらぬ速さで敵の体へ7回連続で攻撃。“七星死戯”や“百烈拳”の派手なアクションを見ていると、モンクのアクティブスキルを作った人は、絶対に『北斗の拳』を読んでいただろうと想像してしまいます(笑)。

fKJxysqqT2R3o1sCSx1Q3lT9e3DkOe22 TAWx1cK3ck1Yi9l52b2F39I3uRNoUj6J

▲火や氷などを自在に操るウィザードには、見た目も派手なアクティブスキルが数多く用意されています。

Ivj6jhUcfMK65J7W2Os27sbC6z6f5h43 wCa6UhEbZ8p864GN5rx4QmAqQp5i5CJv

▲バーバリアンでは、自分の体を高速回転させて攻撃しつつ竜巻を発生する派手なアクティブスキルもあるのです(画面は海外版)。

■『Diablo』をプレイしたことがない人にこそ勧めたい名作

海外産のゲームと言えば、ひと昔前は“洋ゲー”と言われ、一部のコアな人以外からは敬遠される傾向にありました。ですが、最近では日本のゲームファンに違和感なく受け入れられる作品も増えてきました。なんてったって2013年、プレイステーション3用ソフトの中でもっとも売れたゲームが『グランド・セフト・オートV』という時代ですから。『Diablo III』に関しても、ストレスフリーな操作性と秀逸なゲームバランスを実現し、幅広い層のプレイヤーに安心して遊べる作品になっています。

現在『Diablo III』は、PSNストアにて体験版が無料配信されていますので、興味が少しでも出てきたらぜひ遊んでみてください。体験版で育てたキャラクターは製品版に引き継ぐことができるので、これを機会にどっぷりハマってみるのも、いいかもしれませんぞ!?

毛利名人プロフィール
1985年にファミコン名人としてレビュー。以来漫画誌やテレビに登場し、翌86年に公開された映画『GAME KING 高橋名人V.S. 毛利名人 激突大決戦』(1986年東宝/トライストーン・エンタテイメント)に出演。1989年から2008年まで週刊ファミ通編集部に在籍し、現在はフリーランスでニコニコ動画などで活躍中。

※『Diablo(ディアブロ) III』公式サイトはこちら
(C)2014 Blizzard Entertainment, Inc. All rights reserved.
Diablo and Blizzard Entertainment are trademarks or registered trademarks of Blizzard Entertainment, Inc., in the US and/or other countries.

この記事の個別URL

ディアブロIII - ファミ通エクストリームエッジ

タイトル:ディアブロ III
対応機種:プレイステーション3
発売日:2014年1月30日発売
価格:7980円[税込]
ジャンル:アクションRPG
(C) 2013 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC. ALL RIGHTS RESERVED