アドベンチャーゲームのスタイルとしては古典的ながら、メタ構造をうまく活かしたホラー演出やストーリー展開が秀逸で、先が気になる魅力的な作り。『世にも奇妙な物語』や『ブラックミラー』といった、後味の悪さがクセになるドラマが好きな人ならハマるはず。全4話と少ないが、巧妙に張られた伏線を回収していく構成は見事。パズル要素は同じことのくり返しが多く、手間になりがちなところが惜しい。
週刊ファミ通1628号より
後半のシナリオでは移動も出てきますが、大半は机に向かったままで進行するのが風変わりで、おもしろかったです。昔のPCや実験装置、通信機器など、さまざまな機器を手探りで操作する中で、状況が少しずつ明らかになっていく不気味さと不安感は秀逸でした。各話は短くボリュームはけっこう少なめ。使用頻度が高くなりがちなズームは、切り換え式などにして、簡単に固定させてほしかったな。
週刊ファミ通1628号より
テキストアドベンチャーの手法を用いた演出は、多少わずらわしさがあるが、プレイヤーを作品の世界に引き込み、背筋が寒くなるような体験を味わわせてくれる。斬新なアイデアや、シナリオの意外な展開と構成力にも感心させられます。ゲームを中断すると没入感が削がれたり、進行状況がわかりにくくなるといった点は理解できるけれど、各エピソードの途中でセーブができない仕様は、やっぱり不便。
週刊ファミ通1628号より
古風なコマンド入力のアドベンチャーに現代的な要素も加えた作品で、手の込んだシナリオが秀抜。小さな違和感が、だんだん不可解な出来事と結びついていくのにゾーッとし、のちにもう1度か2度ほどゾゾーッとするサスペンス。画面は総じて静的なのに、緊張感がずっと途切れない。パズルは解き甲斐がありつつ、物語に溶け込む内容なのがいい。日本語訳がさりげない演出にも対応していたりと丁寧です。
週刊ファミ通1628号より