秋田・男鹿ミステリー案内 凍える銀鈴花(Switch)のレビュー・評価・感想情報

ファミコン風を再現するこだわりは前作から引き継ぎつつ、既読の文章の表示を高速化できたり、読みやすい高解像度のフォントを選択可能になったなど、より快適に遊ぶための現代的な調整が加えられたのは歓迎できる。旅情ミステリーのムードを味わえて、シナリオに「おおっ！」と思わせるような仕掛けがあるのもいいね。前作から価格もアップしているけれど、内容を見れば納得できるかと。

週刊ファミ通1674号より

いい意味で場当たり的な物語展開と、テキスト送りボタンを押すことで生まれる独特のテンポは、まさにファミコン用ゲーム。ちょっとした音色や間の取りかたの違いで、シーンの臨場感が見事に表現されています。とはいえ、テキストで語られる情報の過度な冗長さや、良曲揃いながら場面とのかみ合いがもうひとつなBGM構成は気になりました。 可読性重視のテキストフォントを設定できる点はいいですね。

週刊ファミ通1674号より

大ボリュームのドラマは、舞台である秋田各地の特色や登場人物の性格など、ディテールの描写がテキスト、イラストともに魅力的。真相のほのめかしかたも巧妙です。推理アドベンチャーととらえると、フラグの立てかたがやや一本調子に思える場面もあるけれど、ノベルゲームとして楽しむとしっくりきます。クスッとさせるシーンや、人情ものの側面など、スタイル以外にも往年の名作へのオマージュが満載。

週刊ファミ通1674号より

UIやドット絵のテイスト、総当たり方式の謎解き、そして音楽など、システムは1980年代のアドベンチャーを驚くほど“忠実”に再現。最新のご当地情報や、スマホなど現代の風俗を反映させつつ、セリフ回しや小ネタの選別で、“当時のアドベンチャー的ノリ”を感じさせる物語に筆力を感じます。“懐かしい”だけではない現代の作品だけに、読みやすさ優先の高解像フォントには漢字も使ってほしかった

週刊ファミ通1674号より