ゲーム開始前に質問をされたり、舞台が中世ではなく現代(1999年)だったりするほか、街のマップやユニークな敵キャラなど、『MOTHER』の影響を受けたと思われる作品。サイケデリックな色使いのポリゴン世界や、先の読めない展開など、本作オリジナルの要素も多分にあり、作家性が強い。よくできている部分と大味な部分が混在。戦闘前のロードがやや長めで、テンポを損なっているのがもったいない。
週刊ファミ通1578号より
グラフィックやセリフなどが独特で雰囲気は良好。パロディネタなどからも1990年代へのノスタルジーが感じられ、さまざまなアイデアが盛り込まれている点は、おもしろみがある。ただ、主人公も含め、全体的にクセの強い作風で、好みは分かれそうかな。バトルでは、攻撃のたびにキャラごとのミニゲームを行うのがユニークで最初は楽しめるが、戦闘が冗長になり、面倒くさくなってくるのが難。
週刊ファミ通1578号より
登場人物の独白や会話のやや冗長なテキストが、観念的かつサイケデリックな物語世界に惹き込む推進力として機能しています。シーン転換時のロード時間の長さや、戦闘時の何かと唐突なリズムゲーム要素は快適とは言いがたいものの、本作全体を“クラシックスタイルRPGの様式をベースにしたデジタルおとぎ話”ととらえることで、すべてが計算されて、そうなっているかのような納得感を得られます。
週刊ファミ通1578号より
作者のやりたかったことがわんさか詰め込まれた、おもちゃ箱のような、あるいは私小説のような様相がユニーク。その多くが消化不良気味なのは少し残念だけど、描き出したいことへの徹底したこだわりや、風変わりなキャラたちの掘り下げかたなど、創作への情熱に魅せられました。強制終了が必要なバグに何度か遭遇しましたが、それすらシナリオの一環とカン違いさせられた作品世界作りには降参。
週刊ファミ通1578号より