ガスマスクやフィルターの交換、人々が生活する駅構内で弾丸の売買ができる要素などが、独特の世界設定にマッチしている。隠れながらフィールドを進むもよし、敵をすべて倒すもよしで、プレイスタイルによって異なる遊びができるのも○。一部の数値が小さくて見にくいのは残念。
週刊ファミ通1118号より
物語や世界設定は非常に凝っており、荒廃した近未来が好きな人にはたまらない内容。フィルターなどの表示もこだわりある作りで、雰囲気を盛り上げてくれる。また、マップはあまり広くなく探索要素は少なめだが、テンポよく遊べる。音声や字幕の言語を複数から選べるのはうれしい。
週刊ファミ通1118号より
システムはひと昔まえのFPS作品を彷彿とさせ、クセがあり快適とは言い難い。が、細部にこだわったビジュアルと演出、単線ながら巧妙な仕掛けで魅了してくるシナリオなど、独自開発とは思えない高いクオリティーの作品。没入度を高めてくれる丁寧なローカライズも効果大。
週刊ファミ通1118号より
陰鬱な雰囲気や、クセが強い登場人物たちの描写に引き込まれます。ステージクリアー型ですが、マップデザインが秀逸で、単調さを感じさせません。ロシア語音声でのプレイは、単館上映の映画のような味わい深さがありますが、敵NPCなどのセリフにも字幕があれば最高でしたね。
週刊ファミ通1118号より
良かった点
○ほどよいボリュームのストーリー
ストーリーはチャプターごとに進んで行く。
主人公アルチョムの体験談を追って行くもので、ゆっくりプレイしても30時間以内にはクリアできる。
チャプターも、1つ1つが割りと短いので敵にうんざりしても急いで進めば安息を求められる。
一見薄い内容じゃないか?と思うかもしれないが、ストーリー自体も臨場感があって楽しい。
何が善で何が悪か、考えてしまうようなストーリー。
○武器のカスタムや、リアルな機構が面白い。
武器はリボルバー、トンプソン、AK47、VSS、ショットガンなど様々ある。
それぞれカスタムバージョンもあり、自分好みの武器をそろえることが可能。
性能の悪い銃は撃っていると弾詰まりを起こしたり、熱で一時的に動かなくなるなどリアルな要素も含まれている。
リアルな分、崩壊したロシアでは弾薬も貴重なので、緊張感あるプレイができると思う。
○敵が気持ち悪い
核戦争で崩壊したロシアなので、放射能の影響で生まれたクリーチャーが出没する。
「STALKER」というゲームをプレイしたことのある人なら馴染み深いかもしれないが、ゾンビ系や神話系とはまた違った怪物。
その怪物のデザインも、世界観を作るうえで大事な要素だと思う。
悪かった点
○隠密プレイが凄く難しい。
武器にはサプレッサー付きのものがあったり、ステルスアーマーがあったり、ナイフで殺せば無音という要素もある。
しかし、敵を殺せば途端に周りも気付いて反撃を食らい、ヘルメットを被っている敵兵がほとんどなので銃で一撃では倒せない。
隠密プレイをするなら、殺さない隠密を心がけるしか無いのだ。
個人的にはヘビーアーマーを来て特攻をしたほうが良い気がする。
○ガスマスクがよくわからない。
地下鉄の駅が住民たちの住処なのだが、地上に上がると汚染された空気が蔓延してるのでガスマスクを被る。
ガスマスクはフィルターがあり、フィルターの残量がなくなると死んでしまう。
なくなる前に違うフィルターに換えればいいのだが、換えてもあんまり改善された気がしない。
死にはしないので大丈夫なのだろうが、ずっと過呼吸状態なのでとても焦ってしまう。
○キャラにあまり個性がない。
言動こそ違うものの、見た目は皆ほぼ同じ。
数パターンの人間がいて、それぞれ名前や声が違う程度。
自分を助けてくれたキャラと同じ顔の人間が一般人にいたりするので、たまに困惑してしまう。
総評
元々小説が原作でそれをゲーム化したので、ドラマを見るというより、小説の舞台を追って体感していくような感じ。
人類とダークワンという生物の戦いのようなストーリーだが、戦うべき相手だったのかクリアした自分でもよくわからない。
その真偽は是非プレイして確かめて欲しい。
対戦型のFPSをプレイする人は、銃のリアルな機構と弾薬の貴重さが少し面倒に感じるかもしれないが
リアル志向な人ならかなり楽しい作品だと思う。