クロスレビュー
オリジナルはPC-88系列で発売されたRPG。x68やMSX等にも移植されたが、リメイクの名に相応しいのはこのPCエンジン版のエメラルドドラゴンだろう。
ゲームの内容は至ってオーソドックス。見下ろし型のロールプレイングゲームで、戦闘も見下ろしのタクティカル系になっている。キャラクターデザインは木村明広氏でアニメ調のグラフィックである。
まずはこのゲーム、使用している色調がとても綺麗であるということが挙げられると思う。世界観も非常に魅力的だが、それを助長するキャラクター、背景、木や家等のCGの色調が何とも言えぬ美しさを放っていると感じる。ファンタジーであるが、その世界の空気を感じれる程の出来栄えだと思う。空気感というか透明感があるとでも言うか、見ているだけでうっとりしてしまう。
またPCエンジン版では声優が声を当てているところもポイントが高い。そしてBGMも耳に残る名曲ぞろい。
ゲーム的には最近主流であるイベント重視型のRPGであり、イベント毎にバストアップCGやアニメーション、そして声で演出を盛り上げる。ある意味現在のRPGの雛形であるかも知れない。
しかし欠点もある。元々PCのゲームということもあってか、ダンジョンが非常に複雑で且つ長い。PC版よりかは楽にはなっているが、迷路のように入り組んだ迷宮は、人によっては投げ出してしまう程だ。
しかしその欠点を乗り越えようとさえ思わせられる魅力あるシナリオとキャラクター、そして空気管漂うゲーム画面。それらを際立たせるBGM。また当時としては珍しい仲間同士の相談コマンドもキャラクターを引き立たせる要因になってる。
PCエンジンを触れる機会があったら是非やってみて欲しい。必ずやエメラルドドラゴンの世界であるイシュバーンの風を感じることが出来るだろう。
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