悪魔城ドラキュラ(GBA)のレビュー・評価・感想情報

ジョーンズ博士(ファミ通ブログ大賞2位)
GBA 2011-12-10 04:34:21投稿
9

魔王ドラキュラと呪われし一族、果てしなき戦い

『悪魔城ドラキュラ』の魅力のひとつ、それはまさにダークファンタジーと呼ぶにふさわしい世界設定にある。主人公のシモン・ベルモンドは、復活した魔王ドラキュラ伯爵と戦うことを宿命付けられた呪われた一族の末裔。闇の眷属に支配された悪魔城に彼は単身乗り込まなければならない。手にした武器はムチひとつ。一見、無謀と見えるこの戦い。しかし、ベルモンド一族に伝わる聖鞭“ヴァンパイアキラー”は、その名の通り、闇のものたちに対抗する唯一の手段であり、絶大な破魔の力を秘めた最終兵器。それを操るベルモンド一族を、ドラキュラ、そして腹心のデスをはじめとした闇の者たちは警戒している。この緊迫感がたまらないのだ。

なぜ、聖鞭“ヴァンパイアキラー”にはそのような力が備わっているのか。なぜ、ベルモンド一族はドラキュラと対峙する宿命を背負っているのか。残念ながら本作ではその回答が提示されることはない。しかし、シリーズを重ねてプレイしていくことで、ドラキュラとベルモンド一族のフクザツに絡み合った運命の糸は少しずつ明らかになっていき、PS2版『キャッスルヴァニア』において全ての発端が明らかになる。しかし、エンディングのオーケストラバージョンの「Vampire Killer」を聞いてグッとくるためにも、それまで全てのシリーズをプレイしておくことをお勧めする。

つまり、ドラキュラシリーズとは、閉ざされた歴史のミッシングパーツを作品をプレイすることで解き明かしていく。そんな楽しみ方もできる稀有な作品群なのだ。



シンプルだが飽きさせない手堅いゲームデザイン

当時のファミコンのゲームは「子ども向け」というカラーが強かった中で、本作は「モンスター映画」を意識したかなりの異色作。パッケージからゲーム内の雰囲気にいたるまで、すべてが独特の存在感を持っていた。

ゲームの内容というものはいたってシンプル。ドラキュラが住む悪魔城に潜入し、モンスターを駆逐しながら、各フロアの最後に待ち受けるボスを倒していく…というもの。しかし、この各フロアというのが、実に個性的なカラーをもっている。それは色で言えば一画面にBGで8色しか使用できないという制限の中、黒を基調にした、色の組み合わせによるコントラストが絶妙なのだ。たった8色だけのグラフィックで、これだけの世界観を描いている作品は他にはない。

それを輪をかけて素晴らしいのがステージギミックだ。つり天井、時計台、牢獄、回転床など、それぞれのフロアのテーマにふさわしい、ホラーっぽいモノを出してくるアイデアが憎い。



一体ずつ魔物の屍を越えていけば、ドラキュラに近づける

このゲームの独特の雰囲気を形成している要素は「ムチ」である。ベルモンド一族に代々受け継がれているという、対吸血鬼用の聖鞭“ヴァンパイアキラー”は、連射はきかないが、ある程度の射程距離がある。この性能が、「ある程度敵に近づいて、確実に倒す」というこのゲームの基本スタイルを形作っているのだ。

難易度が高いゲームと思われがちな作品ではあるがそんなことはない。基本的には、現れた敵を1体ずつ倒していけば、先に進めるゲームだ。ただし、ダメージを受けるとライフ制のため即死こそないが、硬直し、当たり判定があるまま体が後ろに吹っ飛ぶため、ダメージの連鎖、落とし穴への落下という惨劇を引き起こしかねない。そのため、敵の出現ポイント、攻撃・移動パターンを覚え、先手必勝で確実に駆逐し、ダメージを受けないようにする…というプレイスタイルが求められる。

逆にいえば、これさえ覚えれば誰でも先に進めるという、絶妙な難易度なのだ。

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