レインボーシックス ベガス2(PS3)のレビュー・評価・感想情報

「FPSはマニアのもの」。そういう固定観念はありませんか？
私にはありました。
世界的に見るとプレイヤー人口は非常に多くメジャーなジャンルですが、日本では近年ようやく市民権を得たジャンルです。
私はファミコン登場以前からゲームをプレイしているゲーマーですが、FPSは敬遠していました。
戦争という重い内容をテーマにしているものが多かったのも要因の一つです。
そんな私がこの『レインボーシックス　ベガス2』に触れるきっかけとなったのは、親友がPS3を購入し、オンライン協力プレイ（以下COOP）ができるソフトを探したことです。
当初、有名な『コール・オブ・デューティー』（以下COD）シリーズを選ぼうかとも思っていたのですが、動画サイト等で色々見てみると、この『レインボーシックス　ベガス2』に俄然興味がわいたのです。
この作品は主人公たちが特殊部隊の隊員であるというのがたまらなく興味を引きました。
ただ敵を撃ちまくるのではなく、遮蔽物に身を隠しながら隙をうかがって撃ったり、スナイパーライフルで遠方から狙撃したり、自分が率いる部隊の隊員たちに指示を出し、扉の先の敵を一掃させたりとゲームの進行方法が実に多彩です。
しかも、先に触れたようにオンラインでCOOPも可能です。
友人とボイスチャットをしながら特殊部隊員になりきって、任務を遂行できます。
キャンペーンモード（通常の一人プレイで遊ぶストーリーモード）で最初から最後までCOOPすることもでき、ついつい延々と遊んでしまう楽しさがあります。
これだけFPSがメジャーになった現在でさえ、キャンペーンモードをきっちりCOOPできる作品は稀です。
この点だけでも評価できるタイトルです。
更に、対戦もかなり熱いです。
レーダーがあるので、ある程度相手の位置は掴めるようになっているのですが、ステージの中で自由に動き回りながら、あるいはじっと隠れて相手をいかに仕留めるか戦略を立てるのは子供時分の鬼ごっこやかくれんぼに似たプリミティブな楽しさがあり、夢中になれます。
選べるステージも多く、狭いステージから広いステージまで様々で飽きさせません。
ただ残念な点も若干あります。
一つはグラフィックです。
2008年というPS3初期の作品ということもあり、今見ると少々ディティールの描き込みの無さにがっかりする方もいらっしゃるかもしれません。
二つ目はフレームレートです。
『COD』シリーズのような60フレームではありませんので、『COD』シリーズで遊んだことのある方にはみすぼらしく映るかもしれません。
しかし、こうした欠点を差し引いたとしても、この『レインボーシックス　ベガス2』の魅力は失われるものではありません。
何故なら前述のようにゲームの本質部分の完成度が高く、スルメイカのように噛めば噛むほど味の出るゲームだからです。
どんなに見栄えが素晴らしいゲームでも、ゲーム性が低いゲームはすぐ遊ばれなくなってしまいますが、この作品は遊べば遊ぶ程に自由自在にキャラクターを動かせるようになり、自分と一体化していくのを感じます。
そこまで到達すると、もはや一本のゲームの枠を超えて、一種のツールの域に達します。
FPSは海外では優れたプレイヤー達が一種のスポーツとしてプレイしているそうですが、その意味がなんとなく分かるような気がします。
FPSは難しそうと敬遠している方も是非この『レインボーシックス　ベガス2』で挑戦してみて下さい！
きっと楽しさを感じていただけると思います。