クロスレビュー
「ゲームをプレイしたら音楽がすごく良かったのでサントラCDも買ってみた」
というパターンはふつうによくあることですが、
スペチャンの場合、
「サントラCDを聴いたら曲がすごく良かったのでゲームも買ってみた」
という、ふつうと逆の出会い方をしました。
もちろんゲーム部分も、期待を裏切らない面白さ。
「なんで踊って人を襲ったり助けたりするんだ?」などという無粋な疑問は置いといて、
リズムにまかせてボタンを押し、主人公うららの、ときにカッコよくときにコミカルな
ダンスや演奏をお気楽に楽しむゲームです。
比較的難易度を低めにおさえているのか、
多少ミスをしてもクリアするだけなら簡単なので、
わたしのようにアクションが下手なプレイヤーでもさくさく進めます。
ただし、パーフェクトでステージクリアすると、救出した人々全員が
パレードをしながら素晴らしい歌やアンサンブルを聴かせてくれるので、
がんばってノーミスでクリアすることをおすすめします。
(ひとりでも救出失敗すると、完全なハーモニーにはならないのです。)
ちびっこい小学生たちが全員で行進しながらハモってくれたときは、
あまりの可愛さとけなげさに泣いちゃいそうになりました。
そう、プレイしているとなんともハッピーな気分になれるのです。
うららのようなおしゃれな女の子だけでなく、
小学生から恰幅の良いおじさんおばさん、腰の曲がったおばあちゃんまで、
あらゆる年齢やルックスのキャラクターたちが一緒に楽しく踊っているところに、
このゲームにこめられたピースな精神を感じます。
もともとミュージカル映画が好きなのですが、
日本にはエンターテイメント性の高いミュージカル映画が少なく、
きっと日本人には向かないジャンルなんだろうとあきらめていただけに、
ゲームでこんな楽しいミュージカルをやってくれちゃった本作に拍手!
ドリームキャストで第1作目が発売され、
プレイステーション2に移植、2が発売されるも
大きな成果を挙げることなく終わっていった作品。
放送局のリポーターである主人公うららが、
人々を無理やり躍らせる謎の組織「踊り団」と
踊りや歌、楽器で闘い、人々を救出していく、
というバカバカしい設定。
マイケルジャクソンが本人の声で
メインキャラとして登場している。
システムはCPUのお手本を反復入力する
「パラッパラッパー」や「ウンジャマラミー」と
同じシステムで特に新奇性のあるものではないが、
一つ一つの画面、声、文字などの演出が
非常にバカバカしく笑える。
音楽も非常にノリがよく心地よい。
良作のコメディ映画のようなゲームである。
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