パワプロクンポケット10(DS)のレビュー・評価・感想情報

３Ｄポリゴンのコミカルな選手が動く動く。
リアルな挙動、細かい能力データ、配球や戦術の柔軟さ。
そして、ドラマチックな過程を経て生まれる自分だけのオリジナル選手。
ＤＳを舞台にした人気シリーズ！
日本のプロ野球を題材にした野球ゲームですが、
人気を支えるのは、自分で選手を作るサクセスモードでしょうか。
甲子園を目指す高校生活の三年間を過ごす表サクセスでは、
スケジュールを決めて、練習したり、女の子とデートしたり。
恋愛シミュレーションのような作りで進行し、オリジナル選手が作れます。
選手強化もいいですが、女の子たちのドラマもなかなか奥深く、
それを上手に両立させる快感は病みつきになります。
深いダンジョンにもぐり、野球人形のパーツを探す裏サクセス。
頭や腕などのパーツを組み合わせることでオリジナル選手が完成します。
パーツは能力が数値化されていて、他にも特別な能力がついていたり。
いわゆる「不思議のダンジョン」風のＲＰＧで、かなり本格的な出来。
……なだけに、好き嫌いがはっきりでそうで、苦手な人には不向きです。
表、裏で作った選手は、さらにペナントレースで鍛えることも可能です。
核となる野球ゲーム部分は、完成度が高いのではないかと思います。
投げる、打つ、走る、作戦や戦略など、野球らしい本格部分と、
実況や見せ方、ゲームとして簡略された部分がうまく融合しています。
選手やチーム能力の評価は個々人で判断が違うでしょうし、
能力はかなり露骨にプレイに反映するので、一長一短かもしれません。
wi-fi対戦にも対応していて、そこではやや操作が少なくなり、
「野球」よりも「ゲーム」に比重が置かれた作りになっています。
しかし残念なことに、wi-fi対戦はあまり楽しめません。
サクセス選手はどんな能力でも３人まで自由に持ち込める規定なので、
ゲームのバランスがかなり破壊されてしまっています。
マッチングはランク分けされていないので、
選手能力、ユーザーの技量が適当な相手を見つけるのが困難です。
うまく対戦相手を見つけても、驚くほどラグや回線不良の頻度が高く、
ランナーが正しく表示されないバグ（高確率での切断フラグ）や
完全なフリーズ等、不安定な状況下でのプレイを余儀なくされます。
また、他のゲームに比べて改造データを使うユーザーがとても多いです。
能力ＭＡＸ投手の使用者は数え切れず、
切断でも勝利判定、負けても９９−０で勝利表示などの改造もよくいます。
不利になったから、あるいは、もう勝てそうにないから切断する、
という普通の（？）不届きなユーザーももちろんいますから、
２〜３時間やっても、１試合も９回までゲームが成立しない、
などということが珍しいことではないという悲しい現状です。
対戦型野球ゲームというより、ひとり用野球ゲームでしょうか。
初心者は慣れるまでに少し（かなり？）時間が必要かも。
シリーズ初心者の私も、最初はちょっと苦労しましたが、
ひとつめのハードルを越えると、満足して遊べる一本になりました。
経験者、力量の近い友達がいれば、より楽しめると思います。
サクセスモードで選手を作るには、表で２時間前後、
裏なら半永久的に時間がかかるのがネックなので、時間がある人にオススメ。