クロスレビュー

平均

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斜め見下ろし視点のアクションゲームRPG。主人公のテムは、行方不明の父を捜しに世界中の遺跡を冒険していくのだ。多彩なアクションが魅力だぞ。
発売日
1993年11月27日
価格
9800円 [税抜]
対応機種
SFC
ジャンル
アクションRPG
メーカー
エニックス
詳細を見る

ガイア幻想紀(SFC)のレビュー・評価・感想情報

Zero
SFC 2015-10-28 00:24:15投稿
10

総評
「古ぼけたしかばねが一つ静かに横たわっている・・・
そのとき頭の中に聞き覚えのある声が語りかけてきた。」

色々なRPGとアドベンチャーゲームをプレイしましたが、一番好きなゲームです。
未プレイの方には多分訳が分からない内容になっています、なおかつネタバレしまくっていて、かつレビューなのかどうかもよく分かりません。
ただ私がガイア幻想紀をが大好きな事、これだけが詰まっています。

SFCでオーケストラを表現した素晴らしい劇伴の音楽。色々な遊び心と工夫と緩急にあふれたセンス抜群の演出。

シナリオはプロのSF小説家の方が書かれています。

お城を抜け出したお姫様と出会い、失踪した父親からのメッセージに導かれて旅に出る。

これだけでも充分にワクワクするのですが、更にガイア幻想紀では、海岸の秘密基地、王宮の地下牢獄、目に見えない妖精の村、空中都市マチュピチュ、黄金船、漂流、奴隷市場、ダイヤモンド鉱山、ナスカの地上絵、浮遊遺跡、墜落、海中都市、海底トンネル、モールス信号、万里の長城、ロシアングラス、アンコールワット、食人族の村、ピラミッド、そしてバベルの塔、と凄まじい冒険が待っています。

その中で主人公とヒロインとプレイヤーは、様々なものを見て、色々な人々や生き物と出会い別れていきます。

喧嘩ばかりの夫婦、お金持ちの理由、王族と庶民の暮らしの違い、妖精、人を愛するということ、人を信用しない王、殺し屋を雇うお妃、わがまま勝手なお姫様、本当にお腹が空くということ、生き物を殺して食べて生きているのだということ、奴隷は商品として扱われていること、原因不明の奇病に苦しむ人達、遺跡のトラップにかかり死んでいった冒険者達、新天地を夢見て出港し難破して全滅した船、鉱山で働かされ死んでいく奴隷達、発明家の失敗と成功、化け物と化していく人々、一夜で滅んだ都市、海底トンネルを歩きながらキノコだけで食いつなぐ日々、無気力無感動に暮らす人々、家族の生活のために命がけのギャンブルに挑む者、不治の病にかかった人、りんご売りの少女、一枚の絨毯を作ることだけで一生を終えていく奴隷がいるということ、灰色ばかりの未来の街、殺し屋の愛、魂になった人達、宇宙から見た地球。

一緒に冒険に出た仲間たちは、冒険の中でそれぞれの理由で別れていきますが、ヒロインのカレンは最後まで主人公のテムと一緒に居続けます。

このゲーム、タイトルを『ガイア幻想紀』というのですが、良く『ガイア幻想記』と間違われます。
私も中学生の頃に始めてプレイした時には、何故『幻想紀』なのか分かりませんでした。

これはラスボスを倒した後、本編の最後の展開に大きく関わります。ダークガイアを倒したことで、ダークガイアによって間違った進化をしていた歴史は、本来の流れに修正されます。今まで出会った人や行った町も、記憶も記録も歴史も、全てが無かったことになります。
テムは再びカレンと出会っても、お互い気付くこともないだろう、と告げられます。
それでもテムは、『何年かかっても、何十年かかっても、何百年かかっても、必ず君を見つけ出す。
だから安心して。そして目を閉じて。』とカレンに告げ、二人は一つになり、新しい生まれ変わった地球に戻っていき、エピローグが入り、本編が終わります。

本編が終わった後に、スタッフロールが流れるのですが、当時のSFCではサービス精神に溢れた映画的または演劇的なスタッフロールが流行っていました。マザー2、トレジャーハンターG、クロノトリガーなど色々な名エンディングが生み出されましたが、その中でも最も感動し、影響を受けたのがこのガイア幻想紀です。

スタッフロールに入り、すぐに主人公のテムが出てくるのですが、
背景は黒とスタッフロールの中、テムを中心に今までの冒険をキャラクターの動きだけで再現していく、という凄まじいものでした。
色んななキャラクターとの出会い、別れ、印象的な名シーンを背景無しの、役者の立ち位置とわずかな動き、最低限の小道具だけで次々に再現していく、しかも音楽とのリンクが素晴らしい。はっきり言って、未プレイでエンディングだけ見ても、全く何も伝わらないエンディングです。でも、今までずっとテムとカレンとペギーと一緒に冒険してきた私達には、冒険の始めから最後までの全てを想起、再現させてくれる素晴らしいものでした。更に言うとこのエンディングはオープニングに繋がり、あのオープニングの絵を再現しているものでもあります。

このエンディングスタッフロールを二回目のプレイの最後に見た時に、何故タイトルが『幻想記』ではなく『幻想紀』なのか気付いたのです。

それは、「記憶と記録と歴史が修正されて、昔知っていた誰かとすれ違っても気付くことも無かったとしても、それでもテムとカレンが駆け抜けたあの時代は確かにあったんだ、ということ。幻想となってしまったけど、『記』されることもなく、あの時代は『幻想紀』となってしまったけれど、でもそれを私達プレイヤーは確かに見て、一緒に、テムとカレンと一緒に、あの色んな人や生き物達と共に生きたのだ。」というメッセージでした。

この事に気付いた時、私は涙が止まりませんでした。

『ガイア幻想紀』を作られたスタッフの皆様が、この文章を見る事はないかもしれませんが、それでも感謝の気持ちをここに記したいと思います。
『ガイア幻想紀』という、素晴らしい冒険ゲームを作って頂き、本当にありがとうございます。

僕の人生を変えた一本です。

もしまだガイア幻想紀をプレイされてなく、この文章をここまで見て、やってみたい、と思われる方がいらっしゃいましたら、是非スーパーファミコンと『ガイア幻想紀』を買って、電源を入れてみて下さい。

クロスレビュー

平均

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斜め見下ろし視点のアクションゲームRPG。主人公のテムは、行方不明の父を捜しに世界中の遺跡を冒険していくのだ。多彩なアクションが魅力だぞ。
発売日
1993年11月27日
価格
9800円 [税抜]
対応機種
SFC
ジャンル
アクションRPG
メーカー
エニックス
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