クロスレビュー
総評
以前、ファミコン版グラディウスIIのレビューで、 「ファミコンとは思えない見事なデキ」と書きました。 アーケードの完全移植からは程遠いものの、 ファミコンの限界をはるかに超えたデキで、 8ビット機のファミコンでここまでやれば満足、と 誰もが思いました。 しかしこれが、同じ8ビット機でも、 グラフィック性能、容量ともにファミコンをはるかに上回る、 PCエンジンのCDロムでの登場となると、話は違ってきます。 PCエンジン版グラディウスIIが発売されたのは1992年の12月。 スーパーファミコンでIIIが発売されてから すでに2年が経過しており、 このPCエンジン版に求められたのは、 ファミコン版のような、 「ハードの性能に合わせた移植としては最高のデキ」ではなく、 まさに「アーケードと遜色のないデキ」だったのです。 グラディウスIIは、 今なおグラディウスシリーズ最高傑作に あげる人も多い伝説の作品。 同年2月に同機種にて発売された 「パロディウスだ!」が アーケード版と比べても見劣りしない移植だったため、 自然とファンの期待は高まり、 そして発売された本作は、 そんな期待に十分に応えられるものでした。 専門家(?)に言わせれば細かい違いは多々あるものの、 それを言うのは野暮というもの。 当時としては最高レベルの移植となっています。 とはいえ、あれから時は流れ、 今やさまざまな機種で、 今作よりも移植度の高いグラディウスIIが遊べます。 わざわざPCエンジン版で遊ぶ理由も薄くなってきましたが、 バーチャルコンソールでWiiにダウンロードしておけば、 古いハードを引っ張り出す手間もなく、 気軽に遊べるのは魅力ですね。
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