テトリス（TETRIS）(ゲームボーイ)のレビュー・評価・感想情報

・このソフトは、1989年に発売されたゲームボーイ用のパズルゲームです。
どんどん落ちてくる7種類のテトリミノ（ブロック）を左右に動かしたり、回転させたりして、ねらった場所に積み重ねていきます。横一列のラインをつくると、テトリミノが消えて得点がアップ。着実に一列ずつ消すもよし、数列まとめて消して高得点をねらうもよし。ひとつとして同じ状況がない中で、思考を巡らせる楽しさが味わえます。
ゲームモードは、ゲームオーバーになるまでラインを消し続ける「A-TYPE」、限られたライン数でハイスコアを目指す「B-TYPE」の2種類が選べます。(3DSVCソフトページより引用)

4240000本を売り上げ、ゲームボーイで最も売れたゲームソフト。これ以降も定番パズルゲームとして、高い人気を誇る。

ルールはきわめて単純で、ランダムに落下してくる7種のブロックピース(テトリミノ)を移動・回転させ、列を隙間なく埋め消去することによって得点を稼ぎ、競うというもの。また、今作にはひたすらブロックを消去しスコアを稼ぐモード(A-TYPE)だけでなく、隙間が空いた状態で詰まれたテトリミノがある状態から始め、25列だけ消去することが出来るという状態でスコアを競うモード(B-TYPE)がある。他にもゲームボーイ通信対戦機能により、対戦することも可能。

ストーリーと言うものは存在しないが、テトリスの開発者が露西亜人であったことから、トップ画面や、特定のスコアに達することで見られるクリアシーンでは背景に聖ワシリイ大聖堂が描かれており、露西亜の文化を強調している模様。
A-TYPEで特定のスコアに達したり、B-TYPEで高レベルのモードをクリアすることによってロケットが発射し、飛んでいくというムービーが見られる。

操作方法はセガテトリスのシステムを採用しており、特別操作性にも難はなく、非常に操作しやすい作りになっている。
ただ、後に採用され主流となるホールド機能(ブロックを一つだけ保管しておき、いつでも使用できる状態にする機能)やゴーストブロック機能(現時点の状態で落下させた場合に着地することになるブロックを影で表示する機能)などが未だないために、後のタイトルをやりこんだ後にやる場合には多少操作しにくく感じられるだろう。
また、テトリミノの移動も若干遅い。長押し移動などはあまりにも遅いため、やりこもうとすると、先ず使わなくなり、連打のみで移動させることになる。それでも落下速度がレベル9を超えたあたりでついていけなくなり、テトリミノが積み重なり落下から着地するまでの時間やスピードが速くなると、一番端にブロックを持っていくのさえ困難になる。これらの操作の難から、ある程度を超えると難易度が格段に上昇するのが、操作性での一つの難点と言えるだろう。

パズルゲームであるため、サウンド・グラフィック面で特別書き上げるようなこともないが、今作で使用されたBGMはロシアの歌曲だが、それをGB音源で見事に作って見せた事は高く評価できる。

総評としては90点と言ったところ。
「今やるゲーム」として、機能面でやや足りないところがある……と言いたいところだが、ゲームシステムは凄くシンプルでとっつきやすく、決して悪いというわけではない。ゲームシステム自体は誕生時点から既に完成されているし、新たに取り入れられた特殊なシステムと言うのもないため、非常に評価のしづらい所ではある。
グラフィック・サウンド・ゲームシステムの三点すべてゲームボーイというプラットフォームを生かしたつくりであり、これと言って減点すべきところもない。ゲームボーイの名作として今後も高く評価していきたい作品だ。