【LoL】格ゲー『2XKO』試遊レビュー。構えを主軸に戦うヤスオ、タイムワープでコンボするエコーなど、チャンピオンたちの際立つ個性でガチガチのタッグ対戦【EVO Japan 2024】

by西川くん

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【LoL】格ゲー『2XKO』試遊レビュー。構えを主軸に戦うヤスオ、タイムワープでコンボするエコーなど、チャンピオンたちの際立つ個性でガチガチのタッグ対戦【EVO Japan 2024】
 2024年4月27日~29日に開催された対戦格闘ゲームイベント“EVO Japan 2024”。ライアットゲームズブースでは、2025年発売予定の新作格闘ゲーム『2XKO』の試遊会が実施された。

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 ブースでは複数の試遊台が用意され、列に並ぶことで『2XKO』の最新バージョンを体験できた。今回のバージョンでは新参戦の“イラオイ”をいち早く体験できることもあり、世界各国のプレイヤーたちが試遊を楽しんでいたのが印象的。アンケートに答えてグッズがゲットできたり、公式コスプレイヤーとの記念撮影といったアクティビティも好評な模様だ。

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プロゲーマーたちからも注目を集めており、プロゲーミングチーム“エヴァe”の面々も記念撮影を楽しんでいた。
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超本格的タッグ格闘が登場!

 『2XKO』は人気オンライン対戦ゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』(以下、『LoL』)を題材にした新作格闘ゲーム。開発は『LoL』と同じくライアットゲームズが担当しており、発表時は“Project L”の名前で知られていた。

 発売日は2025年を予定しており、基本プレイ無料とのこと。ビジネスモデルはいまのところ不明だ。対応ハードはプレイステーション5(PC)、Xbox Series X|S、PCとなっている。

 キャラクターや世界観は『LoL』。要は『LoL』に登場したキャラクター(チャンピオン)を使用できる対戦格闘ゲームなのが、大きな魅力だ。

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 ルールは2on2のタッグバトルで、バトル中にキャラクターを切り換えながら戦っていき、先に相手チームのふたりを倒したほうが勝利。チーム系の対戦格闘ゲームはラウンドがないこともあるが、本作はラウンド制。試遊台では先に2ラウンド先取したプレイヤーの勝利となった。

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 操作はスティックによる移動と弱中強攻撃、タッグシステムに関わる“タッグボタン”がメイン。ほかにもダッシュボタンやパリィボタンなども存在する。

 必殺技はコマンド入力を必要とせず、スティック入力方向と“スペシャルボタン”で発動する。スペシャルボタンは1と2のふたつがあり、キャラクターそれぞれ複数の技を使用できた。昨今は簡易入力系システムが主流。本作では複雑なコマンド入力自体が排除されている。

 簡単コンボ系のシステムは搭載していないが、全キャラクター共通で弱中強攻撃→必殺技が基本コンボ。よりテクニカルなコンボも可能だったので、研究しがいがありそうだ。

 また、通常攻撃には“浮かせ技”があり、相手を空中に打ち上げて空中コンボを狙うことも可能。さらに、通常攻撃とタッグボタンを組み合わせれば、交代しながら相手を空中に打ち上げてコンボを狙えたりと、2on2ならではの要素もあった。

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 基本操作自体はとてもシンプルで遊びやすいが、タッグ部分やディフェンス方法など、システム回りはやや複雑で、慣れるまで少し時間が掛かりそうな印象。キャラクターの性能はそれぞれに個性的なので、それなりに練習が必要になるだろう。

 また、システムもかなり多い。バトル前に効果を選択する“ヒューズ”など、短時間の試遊ではつかみ切れない部分も多く、さすがにバトルのすべてを把握することはできなかった。

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ヒューズはバトル中に条件を満たすと発動する特殊効果や、条件を満たさずとも効果を発揮するものなど、バトルのアクセントになるシステムのようだ。

 MOBAである
『LoL』を題材にしていることもあり、「格闘ゲームファンよりも『LoL』プレイヤーに遊びやすいように作られているのかな?」と予想していたが、実際触ってみると中身はだいぶゴリゴリの対戦格闘ゲーム。ライアットゲームズが本気で“対戦格闘ゲーム”のジャンルに参入しようとしていることが伝わってきた。

個性的なチャンピオンを使いこなせ!

 本作の最大の魅力と言っても過言ではないのが、『LoL』のキャラクターを使用できること。『LoL』での性能をアクションで再現しているものと予想していたが、実際には『LoL』での性能をモチーフにはしているものの、再現ではなく、対戦格闘ゲームとして映える、戦えるようにアレンジされている印象だった。

 試遊で体験できたキャラクターたちは全体的に個性が強く、シンプルで扱いやすい性能とは言い難い。よくも悪くも、じっくり遊び込まないと使いこなすのは難しそうだ。

 以下、短い試遊時間ながらに、各キャラクターを使用してみた感想をお伝えしよう。

アーリ

 『LoL』では“チャーム”と“幻惑のオーブ”で、相手を引き付けながらダメージを与えるアーリ。『2XKO』では炎を飛ばす“フォックスファイア”と移動技の“スピリットラッシュ”がフィーチャーされており、代表格のチャームとオーブは超必殺技の枠になっている。

 “フォックスファイア”は扱いやすい飛び道具だが、最大3つまでチャージでき、撃ち切るとチャージしなくてはならない。移動技“スピリットラッシュ”で移動しながら追撃したり、離れて“フォックスファイア”をチャージするなど、トリッキーな立ち回りを要求されるキャラクターだった。

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炎を飛ばす“フォックスファイア”。『LoL』では自動で相手に飛んでいくが、本作では自分で狙い撃ちする。


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周囲の球が“フォックスファイア”の残弾数。適宜チャージする必要があった。


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移動技の“スピリットラッシュ”8方向に移動でき……。


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斜め下に飛んだりすることもできた。攻撃判定もある。

 飛び道具が気軽に撃てないようなシステムになっている点から、本作は飛び道具をバンバン撃つゲームではなく、近距離戦がメインになるように狙っているのかなと感じた。とはいえ、マークスマン系のチャンピオンがいまのところ発表されていないので、もしかしたらそういった性能のキャラクターも今後登場するかも。

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エコー

 エコーの特徴と言えばタイムワープ。本作でも同じようにタイムワープを駆使して戦っていく。

 必殺技“タイムワインダー”ではヒットさせた相手が遅くなるスロウ効果を付与可能。もうひとつの必殺技“クロノストライク”は
『LoL』のアルティメットスキルのように残像を残せる。ほかの必殺技で残像の位置に戻りながら攻撃できるため、“タイムワインダー”で相手を遅くしつつ、残像を使ってラッシュを仕掛けるようなキャラクターだ。

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“タイムワインダー”を当てると相手に白いエフェクトが掛かってスロウ状態に。スロウ中は追撃が狙える。


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“クロノストライク”は多数の派生があり、いかに残像を使いこなすかがエコーの鍵。

 残像の使い方がポイントというのはすぐに気づくと思うが、さすがに短時間の試遊で使いこなせるわけもなく、極めるのは難しそうな印象受けた。“クロノストライク”はボタン長押しで強化残像を残すことができ、くり出したアクションを同時再生するように攻め込めたりと、やり込み度は高そうだ。

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勝利ポーズでは自分の残像とハイタッチ。ちょっとした演出も見どころだ。

ダリウス

 斧を振り回して戦うパワーファイターのダリウス。試遊版ではいちばんシンプルで、扱いやすい性能になっていた。

 
『LoL』でも特徴的な“負傷”がダリウスの特徴。斧を使った一部の攻撃で刃の部分を相手に当てると、相手が負傷状態になる。負傷した相手は、攻撃を食らうと追加ダメージがあるほか、ガードで削りダメージを食らってしまう。『LoL』の“皆殺しの斧(Q)”を再現したような性能を持つ。

 必殺技の“捕縛”は、相手を自分の元に引っ張る攻撃。“捕縛”の後は攻撃や投げ技などに派生でき、無理やり近距離戦に持ち込めるのが強力だ。コンボに組み込みやすい必殺技“皆殺しの斧”も追撃派生がある。

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“捕縛”で斧を相手に掛けて……、


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そのまま引き寄せ、


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そこから各種派生攻撃をくり出せた。


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伝わりにくいとは思うが、“負傷”を付与するとキャラクターからポタポタと血が落ちるエフェクトが付く。

 5人の中ではシンプルな部類だが、近距離戦に特化した性能だったので、そういった部分では扱うのが難しそう。また、いちばん
『LoL』に近い性能を持っているようにも感じた。

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超必殺技“ノクサスギロチン”は『LoL』のアルティメットスキルそのもので、相手にダンクのごとく斧を落とす。“負傷”が付与されていたら効果も変わるのだろうか?

ヤスオ

『LoL』では敵を使って移動したり竜巻を飛ばしたりといった性能を持つ剣豪・ヤスオ。本作では剣豪の部分が強調されていて、刀による居合斬りや移動攻撃など、『LoL』的な要素はありつつも、完全に格闘ゲーム寄りになっている。

 
『LoL』の“風殺の壁(W)”を必殺技として使用でき、原作同様に飛び道具をかき消す壁を作り出せる。剣を突き刺す必殺技“抜刀”を“風殺の壁”に当てると“抜刀”が強化されるなど、本作ならではのユニークなアクションも搭載。

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おなじみの“風殺の壁”。


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そこに剣戟を当てると……、


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竜巻に変化するなど、“風殺の壁”を使ったギミックが多数ある。

 ヤスオは必殺技の“凪”の構えを持ち、あらゆる必殺技の動作を中断(いわゆるキャンセル)して、“凪”に移行できる。ここからさまざまな攻撃に移行可能なため、“凪”を駆使して戦うコンボ主体のキャラクターと言えるだろう。

 超必殺技では竜巻を起こす“風と舞え”の後に追撃が可能で、竜巻で相手を打ち上げてから追撃するといったこともできた。この辺りのコンボは『LoL』を彷彿とさせる。

イラオイ

『LoL』では相手の魂を引っこ抜いたり呼び出した触手で追撃するなど、なかなかイヤらしい性能のイラオイ。本作では触手召喚がフィーチャーされていて、自身のパワーとクラーケンの触手を組わせて戦うキャラクターになっていた。

 必殺技“導きの手”などを当てると地面に触手が召喚される。触手にほかの必殺技などを当てると追撃が発動。触手を叩きつける必殺技“触手の鉄槌”などで、呼び出した触手とともに攻めることができた。

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各種対応技で触手が召喚される。『LoL』よりも小さくて、タコ足感が強くカワイイ。


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触手は攻撃や起動技などを使うことで……、


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追撃をくり出してくれる。1回使用すると消えるようだ。

 特殊なギミックはあるものの、1発1発が強力なパワーファイターなこともあり、思いのほか初心者向きのようにも感じた。相手に素早く飛び込む必殺技“過酷なる教訓”も、
『LoL』ライクでうれしいところ。

 なお、魂を引っこ抜く要素は超必殺技(アルティメットスキル)の演出に取り入れられてはいるが、システム的には搭載されていない。

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アルティメットスキル“魂の試練”は、相手の魂を抜き取ってパクッと食べてもらうような技。


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触手に胴上げされるイラオイ。コミカルな描写もおもしろい。

格闘ゲームに新たな風が巻き起こる?

 といった感じで、各キャラクターとてもクセが強く、やり込み度の幅がとても広そうだ。対戦格闘ゲームは「あ、この技はほかのゲームで見たことあるな」といった性能になっていることが多々あるが、本作はそういった部分が少なく、オリジナリティにあふれていたのが印象的(ヤスオの攻撃は某兄に見えることもあったが)。

 むしろ「
『LoL』で見た!」になるのが、やはりうれしいところ。『LoL』プレイヤーであれば、いつも見てきたチャンピオンたちがキビキビと動き回る姿はかなり新鮮かつ魅力的に感じるはずだ。

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 本作の特徴的な要素として、2on2内でひとりが1キャラクターを操作可能。つまり、プレイヤーも2on2の4人プレイにも対応しているのだ。ブース内の試遊台は全台4人プレイ可能だったようで、本作でとくに押し出している部分なのかもしれない。

 あくまで予想だが、もしプロによる競技シーンが走り出すとしたら、タッグチームで挑むゲームになるのではないだろうか。現状の対戦格闘ゲームのプロシーンはひとりで競技に挑むのがメインだと思う。タッグ戦が基本となるなら斬新かつ大きな特徴になるだろう。チームの絆が勝敗を左右するのは
『LoL』らしい要素でもあるし。

 そして気になるのは、やはり今後参戦するであろうチャンピオンだ。
『LoL』には160体以上ものキャラクターが登場しており、今回使えたのはその中から、たった5名。考えるだけでも対戦格闘ゲーム向きのチャンピオン揃いなので、誰が参戦するのか妄想するだけでもワクワクする。あ、個人的には“チョ=ガス”希望。画面の9割を巨体で埋めてほしい。

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