単純にかっこいいから、というのも理由ですし、ネオンに照らされた街並みや科学とレトロの組み合わせもロマンを感じます。人間が機械の体を取り入れることによって生じる「どこからが人間でどこからがロボットなのか」という哲学的な問題にぶち当たるのも好きです。
そんなサイバーパンクな世界で、人々の記憶を修復する超能力者が超能力犯罪に立ち向かうアドベンチャー『リードオンリーメモリーズ:ニューロダイバー』(『Read Only Memories: NEURODIVER』)。2024年5月16日にNintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、Xbox、PC(Steam)にて配信予定となっている本作ですが、3章まで先行プレイする機会をいただいたので、そのレビューをお届けします。
主人公は超能力者、相棒はイカっぽい人工生命体
『リードオンリーメモリーズ:ニューロダイバー』は、前作『2064:リードオンリーメモリーズ』(『2064: Read Only Memories』)から5年後の世界が舞台。と言っても、ストーリーは前作から地続きなわけではなく、独立した完全新作です。一部、前作に登場したキャラクターが再び登場するなど、いわゆる「前作をプレイしていたらちょっとしたファンサービスがあります」といった感じですね。
本作の主人公は、最先端のニューテクノロジーを持つ企業“ミネルヴァ”に所属するエージェント・ES88。そしてその相棒は人工生命体の“ニューロダイバー”です。
ES88のおもな仕事は、人々の“壊れた記憶”を元通りに修復すること。
人の脳は元来、睡眠を取るあいだに不要な記憶の消去を行っていますし、精神的なショックを受けて記憶がなくなってしまうパターンもあります。これらの失われた記憶もES88の仕事の範疇ですが、おもな仕事は“人為的”に壊された記憶の修復です。
ES88のように超能力を人々の助けとなるように使いたい人間もいれば、犯罪行為に使う人間もいる。こうした犯罪は超能力犯罪と呼ばれていますが、まだ明確な法律はできておらず、警察などはこれらを取り締まる術がない様子。
現状、超能力による犯罪は同じく超能力で解決するしかないようです。ハッカーとクラッカーのような関係性ですね。
壊れた記憶には必ず異変がある
ES88はニューロダイバーの力を借りつつ、人の頭の中、記憶の奥深くへダイブします。
ニューロダイバーの口のような部分をダイブする対象の肌へ接触させ、ES88はニューロダイバーの尻尾を掴む。そうすると接続が完了し、ES88は他人の記憶へダイブすることができます。
……つまりニューロダイバーはHDMIってコト……?(たぶん違う)。
記憶の世界では、改ざんされ壊れた部分が異変として出現。ノイズが走っていますし、明らかにその場にそぐわないのですぐにわかります。
これらの壊れた記憶を修復するには、ノイズを除去する必要があります。
ノイズの原因は複数の記憶がごっちゃになっていたり、改ざんされたことによって深層心理の幻影が紛れ込んだりとさまざま。絡まった糸をほどくように、ノイズと関連していそうなアイテムを当てて元の状態に修復しましょう。
ニューロダイバーはキモ……かわいい?
ES88の相棒であるニューロダイバーくん。イカっぽい見た目の人工生命体で、主食は湿った猫のエサ。つまり実質、猫と言っても過言……かもしれませんが、個人的にはめちゃくちゃ愛嬌があってかわいいと思います。
こんな地球外生命体みたいな見た目だけど、モーションはけっこうかわいい。ダイブするときの絵面も捕食シーンみたいだけど、うん、かわいい。
ES88がニューロダイバーを仕事道具としてではなく、ちゃんとひとつの命として、相棒として扱っているのもいいですね。個人的にはかわいいと思います。個人的には。
登場する女たちが全員かっこよすぎる件について
いわゆるイケメン系はもちろん、仕事のできるシゴデキ女性、洗練された女の魅力を持った女性など、さまざまな属性のかっこいい女たちが勢揃い。
主人公のES88がキュート系なので、彼女たちのかっこよさがより際立ちます。好みのカッケェ女がきっと見つかるはず……!
ES88とゲイトのやり取り、なぜこんなに甘酸っぱいのか
ES88は社外へ出ることが少なく、交遊関係も狭い。そのためか、ES88はずっとゲイトと親しくなりたいと思っているようなのですが、照れてしまって遊びにも誘えません。
なんかこう、転校してきた女子中学生が隣の席のクールな女の子に話しかけたいけど恥ずかしくてできない、みたいな構図を眺めているようなんですよね、このふたり。はたしてES88がゲイトをスマートに誘える日は来るのでしょうか。
サイバーパンクな世界観をしっかり構築しつつ、かっこいい女たちを堪能できるミステリーアドベンチャー
体の一部を機械に置き換える技術、レトロと科学の融合、法整備が完了していない無法地帯さ……などなど、サイバーパンクファンが喜ぶツボは的確に押さえています。
また、本作は日本のサブカルチャーも積極的に取り入れています。
ES88はマンガやアニメが好きで、たびたび話題に出しています。それらの作品の主人公たち、和名なんですよね。クリエイターさんは日本のカルチャーがお好きとのことで、とてもシンパシーを感じてしまいます。
つぎはどんな事件が起こるのか、犯人の目的はいったい何なのか、主人公の過去にいったい何があったのか……かなりつづきが気になる展開でした。5月に発売される製品版に期待大です!
『リードオンリーメモリーズ:ニューロダイバー』
- プレイ人数:1人
- 価格:ダウンロード版/2200円[税込]、パッケージ版/4378円[税込]
- 発売日:ダウンロード版/2024年5月16日、パッケージ版/2024年7月4日
- ジャンル:アドベンチャー
- 開発元:MidBoss
- 販売:コーラス・ワールドワイド
- 対応言語:日本語・英語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・フランス語・スペイン語・ドイツ語
- 対応プラットフォーム:ダウンロード版:Nintendo Switch、プレイステーション5、Xbox、PC、パッケージ版:Nintendo Switch、プレイステーション5