【【＜＜「第45話」】】

【オマエのほうがぶっ壊れちまったみてーだな】

　「ジンなら協力してくれるよね？」と、とても少年マンガの主人公とは思えないセリフを放つマルトの壊れっぷりがよく出ています。

　「どうやら戦車よりも先に、オマエのほうがぶっ壊れちまったみてーだな」

　ハンナの悲報を突然知らされたジンですが、明らかに様子が異なるマルトに対する辛辣なコメントがじつにいい。

　これはゲームソフトの脚本でも狙って意図的に入れたセリフなんです。

　新型戦車の性能をアップさせるためにジンの工場に寄ったのに、そのエンジニアであるジンに「壊れているのはオマエだ」と言わせるシーンにグッときますよね。

　このシーンはサイバーコネクトツーの社内にいる脚本担当・野口により執筆されたセリフです。

　こーゆーのがサイバーコネクトツーは大好物なんですよね。

【悪ィな、まだちゃんと意識も戻っていないのに】

　様子がおかしいマルトに対して「そんなことならオレは協力しねえ！勝手にしろ！」とか言いながらも、部屋に戻ってさっさと荷物をまとめて出発する準備をするジンの男前が出ている、個人的にもお気に入りのシーンですね。

　そして、ベッドで眠る正体不明の人物に話しかけるジン。

　どうやら意識がないようですね。

　いったい誰なんでしょうねぇ（へら）。

　このシーンはゲーム版でもまったく同様の場面が存在しているのですが、やっぱりマンガとしての演出が入るとすごく情緒があっていいシーンになりますね。

　ゲームソフト『戦場のフーガ』シリーズは『1』や『2』でそれぞれ独立したゲーム作品になっていて、それぞれを単体で遊んだとしてもしっかりと物語もシステムも含めて完結しています。

　が、シリーズが連続している作品だからこそこうやって少しずつ長い時間をかけて張られている叙事詩的な伏線が数多くある作品となっています。

　このあたりはシリーズ完結作にあたる（現在絶賛開発中の）『3』にどうぞご期待ください、とだけこの時点では言っておきますね。

【ジェネレーターは一気に回収してジルとベレノスは完全体へ】

　このアルターと呼ばれる旧時代の施設に隠されたベレノス専用のジェネレーターは3基あるんですよ、ゲーム版では。

　マンガでは（今回のエピソードの中で）それを一気に回収していますが、ゲーム版ではそれぞれ3か所のアルターを訪れてジェネレーターを回収するという流れになっています。

　ゲームソフトはRPGというシステムの中で物語が構成されていて、タラニスがベレノスを追いかけながらその都度パワーアップしたベレノスと段階的に闘うという展開になっていました。

　まぁ、しかしそれはぶっちゃけた言いかたをすると完全にゲーム都合ということです。

　因縁の相手であるジルが少しずつ力を取り戻していく様子をゲーム内のバトルを通じてプレイヤーに感じ取ってもらうためのシステム的な演出と展開になっていました。

　しかし、本作『鋼鉄のメロディ』はあくまでマンガ作品です。

　ゲーム都合は関係がありませんし、漫画は物語を最優先すべきなのでこうやって一気にジェネレーターを回収してパワーアップするという展開に変更しました。

　こういう大きい流れや展開の変更というか、漫画にする際の再構成は私がプロットを用意して足立先生にお渡ししてから打ち合わせして最終決定するようにしています。

【編集部コメント】

　マンガに登場する『戦場のフーガ3』に向けての張られている伏線。ゲームプレイ時にも発見して「伏線かな」と、感じることがありますが、新作への期待が高まっていいですよね。

　早く完結までプレイしたいっ！

　次回、第46話は2024年4月30日（火）に掲載予定です。お楽しみに。

『戦場のフーガ2』公式サイト