戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ

“戦争×復讐×ケモノ”をテーマにしたドラマティックシミュレーションRPG『戦場のフーガ』の公式コミカライズ。少年少女たちは、戦争で捕らわれた家族を取りもどすため、謎の巨大戦車“タラニス”に乗り込み復讐の旅を始める……。火曜日マンガ配信予定。マンガ掲載の翌火曜日には、『戦場のフーガ』開発者からの連絡ノート『インターミッション』を配信。

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復讐が大好物な松山社長が『戦場のフーガ』の今後を語る。三部作を予定していて、『戦場のフーガ2(仮題)』を7月に発表予定!

2022-03-01 11:00:00

戦場のフーガ


 ファミ通.comでは毎週火曜日に、サイバーコネクトツ―より発売されているゲーム『戦場のフーガ』をもとにした、マンガ『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』と、松山社長による『戦場のフーガ』開発秘話のコラムを隔週でおとどけしています。

 すでにご存じの方も多いかと思いますが、『戦場のフーガ』は獣人たちが暮らす世界観の“リトルテイルブロンクス”シリーズの最新作で、“戦争×復讐×ケモノ”をテーマに、12人の子どもたちが巨大戦車タラニスに乗り込み激闘をくり広げるストーリーが展開されます。

 今週はすこし趣向を凝らしまして、ゲーム『戦場のフーガ』の今後の展開について、サイバーコネクトツ―松山社長にお聞きしたインタビューをお届けします!

 いつものサービス精神旺盛の松山社長いわく、

 「いろいろしゃべりすぎてしまったあああああ」

 とのことですが、すべて記事にさせていただきました! ありがとうございます!

(以下、インタビュー内では松山)

戦場のフーガ

『戦場のフーガ』の売り上げの半分はアメリカ


――『戦場のフーガ』が“リトルテイルブロンクス”シリーズの最新作ということで、発売前から日本だけでなく海外のプレイヤーからも評判が高かった印象なのですが。実際はいかがですか?

松山 世界中のプレイヤーの皆さまからいただいた感想やメタスコアを見ると、狙い通りの高評価をいただき嬉しい限りです。

じつをいうと、売り上げの半分以上はアメリカです。“リトルテイルブロンクス”とは、サイバーコネクトツ―が最初に手掛けた『テイルコンチェルト』から始まった、ケモノプロジェクトの世界観の呼称になります。そして、この10年でケモノ好きが、特にアメリカを中心に盛り上がってくれていると感じています。我々にとっては同志ですね。

――ゲームの難度は高めに感じました。これにはどのような狙いがあるのでしょうか?

松山 本作には、登場キャラクターである子どもたちの命と引き換えに、どんな状況も逆転させてしまう“ソウルキャノン”というシステムがあります。そこで、命の重さを感じ取ってもらうため、戦う相手はひりつくほどの緊張感が持てるような難度にしました。

――ほかに、本作の制作で気にされた点があれば教えてください。

松山 『戦場のフーガ』は“小規模・短期間開発”という制約のもとはじまったプロジェクトなので、このゲームでやるべきことだけを先鋭化させた内容にするということです。

――と、言いますと?

松山 たとえば、戦車を自由に動かせるようなアクションゲームや、街中を散策できるRPGにすることもできました。しかし、「本作で伝えたいことを伝えるためには最低限何が必要か」と、いうことを考えて制作したということですと。

――ゲームのミニマリズムといった感じですね。

松山 昨今のゲームはいろんな要素を詰め込む傾向にあり、ひとつのゲームで多様な遊び方ができるのは良いのですが、一方で、そのゲームでいちばん気にしなければならない軸がぶれてしまうこともあります。本作はそこをうまく先鋭化できたと手ごたえを感じています。

戦場のフーガ

“ソウルキャノン”を戦闘で使用するか、しないか。究極の選択に悩まされたプレイヤーも多いことでしょう。

マンガのストーリーには『戦場のフーガ』の続編の要素が⁉


――マンガ『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』とゲーム本編の物語との関係や立ち位置の違いなどは、どのように意識していますか?

松山 いっしょにマンガを制作している足立たかふみ先生は、キャラクターをとても魅力的に表現してくださるので、キャラクターの個性が生きるような物語展開を心がけています。

ゲームでは選択によってプレイヤーひとりひとりが体験する物語が変わる一方、マンガはひとつの物語を描くことになります。そこでは、もちろんゲーム本編では描かれていない、プレイヤーの頭の中に想像していたような子どもたちの人間ドラマも丁寧に表現しています。

また、ゲームに登場しない人物や要素がすでにマンガに描かれているかと思いますが、戦場のフーガ』の続編のシナリオと整合性がとれるように盛り込んでいます。もちろん、続編のネタバレにならないよう描いていますので、マンガのほうはご心配なくお楽しみください。

――『戦場のフーガ』の続編ですか⁉

松山 はい。じつは、『戦場のフーガ』は三部作を予定しています。

サイバーコネクトツ―が、自社パブリッシングタイトルとして手掛ける3作品を“復讐三部作”と名付け過去に発表したのですが、『戦場のフーガ』はそのひとつでした。

しかし、なぜか“三部作”という部分だけが独り歩きし、一部で「『戦場のフーガ』は三部作らしいよ」という勘違いが生まれているのも聞いています。それはあながち間違いでもなく、『戦場のフーガ』はもともと三部作構成で制作を予定していましたので、もうここで言ってしまいますね。

――復讐三部作といいますと『戦場のフーガ』のほかに『刀凶百鬼門』、『CECILE』というタイトルが過去に発表されていましたが、こちらの開発も順調に継続しているということでしょうか。

松山 両タイトルとも社内ですでに実機で動いています。どちらもアクションゲームなのですが、基本のシステムが肝心なので、その調整に注力している段階です。こちらも今後、発表できるタイミングが来ましたらお知らせいたします。

――なるほど。楽しみです! すこし話が脱線するのですが、“復讐三部作”だけでなく、過去に松山社長が手がけられた作品、たとえば、『.hack』シリーズや『チェイサーゲーム』といったかずかずのタイトルが“復讐の物語”だとおもうのですが。

松山 “復讐”が好きなの!(笑)

“復讐とは”本来やりたくても、やってはだめじゃないですか。でも、ゲームやマンガといったエンターテインメントは、ユーザーのそういうできないことを叶えてあげられるものだと思っています。また、物語での登場人物の動機や目的などを伝える手段としても、“復讐”は共感されやすいテーマだと思っています。

もともと韓国の復讐映画が好きだったりと、こんなにも復讐劇をこよなく愛しているゲームクリエイターはいないと思います。 

――今後も“復讐”テンコ盛り! ということですね。

戦場のフーガ

松山社長原作の『チェイサーゲーム』でも、『確かな復讐』を誓う物語という表現が……。

有料DLCコンテンツ第2弾は、SAMURAI!


――ところで、『戦場のフーガ』では追加DLCも予定されていますよね。

松山 3月に第2弾、5月に第3弾の追加DLCを予定しています。第2段のモチーフは“SAMURAI”になります。甲冑や着物姿など、また新しいマルトたちをお楽しみください。5月にはサウンドトラックのCD発売も予定しています。

そして先ほども話にあがりましたが、7月に『戦場のフーガ2(仮題)』の発表を予定しています。ゲーム内容的には、一作目で登場したキャラクターの一年後を描きます。なかなか衝撃的な内容になっているかと思います。また、このタイミングで『戦場のフーガ』の公式設定資料集の発売も予定しています。

――まだまだ長く『戦場のフーガ』は楽しめるタイトルになりそうですね! では最後に、『戦場のフーガ』をこれからプレイしてみようかなと思われている方にひとことお願いいたします。

松山 “リトルテイルブロンクス”という世界観を作り上げるほど、ケモノキャラクターを愛しているゲーム会社は、そうそうないと自負しています。戦場のフーガ』はその集大成的な意味合いも含めて制作しているタイトルになっています。

昨今の現代人が忙しいなか、本作は長くとも20時間かからないくらいのボリュームで、ちょうど良いサイズ感の密度が濃いゲームになっています。なので、マンガからでも良いですし、キャラクターが気になったからでも良いですので、ぜひ手に取って遊んでみてください。

DLC第2弾の追加衣装を一部ご紹介!

戦場のフーガ
戦場のフーガ
戦場のフーガ
戦場のフーガ

新追加DLCでは、甲冑や着物など、マルトたちのSAMURAIコスチュームが楽しめる。


以上で、『戦場のフーガ』のインタビューを終わります。

インタビューの中にも登場したように、ファミ通.comでは火曜日にマンガ『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』を連載しています。ゲームとは異なる要素が詰まっている作品になっていますので、ぜひこちらの連載もお楽しみください!

来週3月8日(火)は、マンガ『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』の第6話を掲載予定です!