PLAIONより『Expeditions: A MudRunner Game』のパッケージ版がNintendo Switch、プレイステーション5向けに2024年4月4日に発売された(※)。

 本作は、広大な自然を舞台にしたドライブシミュレーターで、悪路をオフロードカーで踏破していくのが特徴。ハイスピードで荒野を駆けるようなレースゲームとは異なり、急な坂道への対処や、崖下りなど慎重な操作を楽しむタイトルとなっている。
 
 開発のSaber Interactiveは『SnowRunner』なども手掛けており、操作性などはよく似ているため、なじみ深い人もいるだろう。本作の場合はウィンチを使った操作が増えたことで、危険な道の踏破が大きな要素となっている。

 本記事では、そんな『Expeditions: A MudRunner Game』のプレイレビューをお届けしていく。

※ダウンロード版はFocus EntertainmentよりNintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC向けに2024年3月5日配信。

硬派なオフロードドライブシミュレーター『Expeditions: A MudRunner Game』レビュー。ウィンチを使って道なき道を踏破していく。危険な道を踏破していくのが醍醐味
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※本記事はPLAIONの提供でお届けしています。

舗装された道はほぼ皆無。あらゆる手段を駆使して先を目指すドライブシミュレーター

 本作ではリトルコロラド、アリゾナ、カルパティア山脈の3マップを舞台に、さまざまなミッションに挑むことになる。いずれのマップも舗装されている道はほぼなく、自分で走れそうなルートを考えながら進んでいくのが特徴だ。

 先に伝えておくと、大自然を好きなように走り回るレースゲームを想像している人は、イメージと違うと感じるはずだ。使用できるクルマはスカウト、オフロードの2種類で、どちらもスピードはあまり出ない。スピードを出して楽しむのではなく、精密な運転で崖を乗り越えたり、ハンドブレーキなどクルマの機能を細かく弄りながら遊ぶのが好きな人向けのゲームとなっている。

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 一見すると「こんなところ絶対通れない」と思う場所を装備を使って突き進んだり、時には崖登りに挑むことも。ミッションの目的地として急な坂道が指定されていることもあり、大自然を相手にオフロードカーで立ち向かわなければいけない。

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 具体的な内容についても、実際にプレイするときの流れに沿って紹介していこう。まずは3マップのいずれかを選択して、その中にある多数のミッションからひとつを受注することになる。ミッションを受けずにフリーでフィールドを回ることも可能だが、基本的にはタスクを達成していくのがセオリーだ。

 ミッションの内容は、険しい道を進んで目的地にたどり着くことをベースに、必要な物資の運搬、スタックしたトラックの牽引などさまざまな困難に挑むことになる。撮影や運搬などやることは異なるが、基本的には目的地までたどり着くことがゴールだと考えておくとわかりやすい。

 挑戦するミッションを選んだら、使用するトラックや、チームを編成していく。ミッションによって必要になるトラックの種類や、アイテム類などが提示されているので、これを満たしつつ好きなカスタマイズで出発することになる。

硬派なオフロードドライブシミュレーター『Expeditions: A MudRunner Game』レビュー。ウィンチを使って道なき道を踏破していく。危険な道を踏破していくのが醍醐味
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ミッションには3つのボーナスも設定されている。このボーナスを達成できれば追加報酬がもらえる仕組み。

 使えるクルマはスカウトとオフロードの2種類で、ザックリと分類するとスカウトは運搬できる荷物量は減るが機動力に優れた探索向け、オフロードは大量の荷物や機材を詰む運搬向けといった具合だ。

 ミッションを達成してお金を稼いでいると、タイヤやエンジン、サスペンションなどパーツごとのアップグレードも可能。挑戦するフィールドの特性に合わせてタイヤを変えるといった調整をするとより効率的に進められる。

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 クルマのカスタマイズだけでなく、持ち込む荷物についてもしっかりと準備しなくてはいけない。長距離移動になるなら予備燃料があると安全で、万が一クルマが故障したときのために交換部品を持ち運ぶこともある。

 こういった細かな部分は難しそうに感じるかもしれないが、慣れてくると1~2分でさっと準備できてすぐにミッションに取りかかれるので安心してほしい。

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 なお、使えるクルマは初期状態で4台あるが、資金が溜まれば追加で購入することも可能だ。資金繰りがけっこうたいへんなので序盤は購入する余裕がないが、気になるクルマがあればお金を貯めて手に入れたい。

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 準備が完了したら、いざミッションスタート。ベースキャンプからクルマを走らせて、目標地点に向かうことになる。

 さっそくアクセルを踏んでクルマを走らせたいところだが、まずはハンドブレーキを解除しないと燃料だけが消費されて前に進んでくれないのだ。ドライブシミュレーターなので、操作がメチャクチャ細かいっ……!

 ギアチェンジこそオートでやってくれるがシフトレバーも用意されており、状況に応じてニュートラルやリバースに切り換えたりと、実際にクルマを運転するときとほぼ同様の動かしかたが求められる。細かな点だが、走っていて自動的にギアが変わる際、カコンと心地いいギアチェンジの音が鳴るのが最高だ。

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慣れるまでは毎回スタート地点でエンジンを空吹きしていた。

 ほかにもスタックした際にはデフロックを作動させたり、全輪駆動に変えて走りやすくするなど、クルマの状況は臨機応変に切り換えていくのがポイント。

 最初こそ複雑に感じるのだが、全輪駆動にするメリットや、ハンドブレーキの使いどころなどが手になじんでくると、最初とは比べものにならないほど運転がうまくなっていく。実際にクルマの運転がうまくなっていくのと同じ感覚で、少しずつ操作が上達していくのが心地いい。

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 坂道を上るときはタイヤの空気圧を調整することもあるのだが、基本的にクルマが走りやすくなる=燃費が悪くなるのが難しいところ。燃料切れで動けなくなるのがいちばん致命的なので、本当に必要なときだけタイヤの圧を変えたり、全輪駆動に変更するなど燃費のやりくりも求められる。

硬派なオフロードドライブシミュレーター『Expeditions: A MudRunner Game』レビュー。ウィンチを使って道なき道を踏破していく。危険な道を踏破していくのが醍醐味
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平坦な道を走る際はなるべく低燃費を心掛ける。ただし、こんなキレイな道を走る機会はほぼない。

 クルマの調整に加えて、大自然に挑むのに欠かせないのが各種デバイスだ。とくに、クルマを引っ張ってくれるウィンチは無限の可能性を秘めており、ほぼすべてのステージでウィンチを頼り続けることになった。

 ウィンチでクルマを引っ張るアクションがマニアックながら非常にワクワクする内容なので、ウィンチが好きな人は本作をより楽しく遊べるだろう。

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ウィンチを周囲に生えている木などに引っかけて、引っ張ったり押してもらえる。
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動けなくなったクルマの牽引にもウィンチを活用していく。

 通常は木に引っかけて使うウィンチだが、アンカーというアイテムを購入しておけばどんな場所でも使用できるのがポイント。アンカーはウィンチを付ける場所として使えるアイテムで、崖を登る際や、段差を乗り越えるのにも活用できる。

 このアイテムのおかげで通常登れないような勾配でも、ゴリ押しで進めるので、プレイスタイルの幅を大きく広げてくれた。ちなみに、アンカー設置時も時間は止まらないので、ハンドブレーキをオンにしないと坂道を急降下することも……。

硬派なオフロードドライブシミュレーター『Expeditions: A MudRunner Game』レビュー。ウィンチを使って道なき道を踏破していく。危険な道を踏破していくのが醍醐味
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 ウィンチ&アンカーのセットは、工夫するととんでもない踏破ルートも生み出せてしまうのがおもしろい。たとえば、通常であれば大きく回り道をしないと進めないような崖も、ウィンチを使って安全に降りることができるのだ。

 崖の上にアンカーを設置し、ウィンチを付けてゆっくりゆっくりと降りていけば、車両にダメージを与えずに崖下りができてしまう。こういったテクニックを駆使できるようになると、本作がより楽しくなっていく。

硬派なオフロードドライブシミュレーター『Expeditions: A MudRunner Game』レビュー。ウィンチを使って道なき道を踏破していく。危険な道を踏破していくのが醍醐味
まずは崖の近くにアンカーを設置。
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クルマの後部側にウィンチをセット。
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ゆっくりと崖を降りれば、ウィンチのおかげで落下ダメージを受けない。

 ちなみに、どうしても多少ダメージを受けてしまうのであまりおすすめはできないが、荷物を大量に積んだ大型のオフロード車でも崖下りは可能だ。ウィンチが便利すぎる。

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 ほかにも、川や沼を進まないといけない場合は水深をレーダーで調べて、安全なルートを模索するなどデバイスを駆使することで、より効率的なルートを選択していくことも重要だ。初見のエリアならまずは双眼鏡やドローンで周囲の地形を把握して、あらかじめどのルートを進むかを考えたりと、工夫すればするほどやり応えが増していく。

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 ときには大量の資材を運んで橋を建設したり、巨大な地震振動装置を積んで土地の調査をしたりと、ミッションによってやるべき要素も変わってくる。過酷なミッションも多いが、デバイスを駆使して困難を乗り切り、無事にクリアーできたときに操縦テクニックの成長を実感できるはずだ。 

硬派なオフロードドライブシミュレーター『Expeditions: A MudRunner Game』レビュー。ウィンチを使って道なき道を踏破していく。危険な道を踏破していくのが醍醐味
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 一度クルマを操縦する楽しさに気づくと、ひたすら黙々とやり続けたくなるタイプのゲームに仕上がっている『Expeditions: A MudRunner Game』。マップには古い遺跡など見応えのあるエリアも用意されているので、オフロード車で崖を昇降しながら、美しいフィールドを冒険してみてほしい。

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Expeditions: A MudRunner Game

  • 対応プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC
  • 発売元:パッケージ版/PLAION、ダウンロード版/Focus Entertainment
  • 開発元:Saber Interactive
  • 発売日:ダウンロード版/2024年3月5日配信、パッケージ版(Nintendo Switch、プレイステーション5)/2024年4月4日発売
  • 価格:ダウンロード版/Nintendo Switch版は6460円[税込]、プレイステーション5版とプレイステーション4版は6600円[税込]、Xbox Series X|S版とXbox One版は6450円[税込]、PC版/6480円[税込]、パッケージ版/6480円[税込]
  • 対象年齢:CERO 全年齢対象
  • 備考:プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PCはダウンロード専売
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