女性VTuberグループ“ホロライブ”の所属タレント“天音かなた”さんが、2024年3月13日(水)に1stアルバム『Unknown DIVA』をリリース。

 活動4周年を迎えた2024年に活動初となるフルアルバムには、Giga氏、TeddyLoid氏、じん氏、藤田淳平氏(Elements Garden)、みきとP氏、つんく氏、トビー・フォックス氏など豪華プロデュース陣による新曲を含む全12曲が収録される。

 そんな待望の1stアルバムについて、天音かなたさんにインタビュー。アルバム名やご自身で作詞を担当した楽曲に込めた想いや今後の目標を語ってもらった。

天音かなた(あまね かなた)

ホロライブ4期生の天界学園に通う天使。親しい人の前では元気だが、人が増えるほど静かになる陰キャ。休日は家に引きこもる。いつか、さいたまスーパーアリーナでLIVEを開催することを目標に活動している。

天音かなた 1stアルバム『Unknown DIVA』(CD)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 天音かなた 1stアルバム『Unknown DIVA』DLページ

念願のアルバムがついにリリース! 『片羽』はトビー・フォックス氏の逆オファーで制作へ

――1stアルバム『Unknown DIVA』発売おめでとうございます。活動初のアルバムがついにリリースされましたがいまのお気持ちは?

天音ありがとうございます! アルバムをリリースすることはずっと憧れがありました。およそ2年前からアルバム制作についてのお話がありまして、そのころからアルバムを意識しながら楽曲の制作をしていました。ずっと準備していたので、「やっと出せた」という気持ちですごくうれしいです!

――アルバム名の『Unknown DIVA』に込められた意味やコンセプトはありますか?

天音『Unknown DIVA』には、ふたつの単語に意味と想いを込めています。“天音かなたは歌が好き”という点がどれだけ皆さんに知ってもらえていることなのか冷静に考えたときに、まだまだ足りないだろうと思ったんです。そこから“まだ知られていない”という意味で“Unknown”というワードを付けました。

 そして“DIVA”は、“歌を歌う人”といったイメージで入れました。僕はとても英語が苦手なので、自分が読める英単語から選びました(笑)。一発で読めないおしゃれなアルバム名にした場合に、多くの人が読めないとちょっともったいないと思ったんです。

――確かにキャッチーでわかりやすい名前ですね。

天音小学生でも読めると思います。“DIVA”は“歌姫”という意味の単語なので、使うのは恐れ多いなと思ったのですが……。もともとのアルバムタイトルは“DIVA”だけだったのですが、運営さんに確認してもらったところ「Unknownを付けてもかっこいい」とチラッと呟きのように言っていただいて、そのまま採用しました!

 ほかの案としては『Sky High』があり、“空高く”や“高い音を出す”のほか、“自信が高まっていく”といった比喩的な意味を込めた名前でした。あと、“このアルバムはきっかけ”という意味で『Trigger』という案もありましたね。これはどこかのタイミングで使えたらいいなとずっと思っています。

――“Trigger”は、今後どこかで登場するかもしれないワードなのですね。

天音2ndアルバムをリリースすることになったら、『Trigger』になる可能性もあります。僕が読める単語なので(笑)。

【ホロライブ】天音かなた1stアルバム『Unknown DIVA』インタビュー。『片羽』はトビー・フォックスからの逆オファー! 自身が作詞した曲への想いや裏話を語る

――今回、多彩な楽曲提供陣がアルバムに参加されていますが、このクリエイター陣はどのように決めていかれたのでしょうか?

天音僕のほうからお願いさせていただきました。とにかく自分が大好きだった作家陣だったり、ずっと聴いていた楽曲に携わっている方だったりと、僕の“好き“から選ばせていただきました。「まさか本当にこの方々に曲を書き下ろしていただけるなんて!」と、ずっと幸せを感じていられるようなアルバムになったなと思います。本当にテンションが上がりました(笑)。

――全12曲中、完全新曲が8曲で、すべて新規録下ろしとお聞きしています。各楽曲にそれぞれ思い入れがあるかと思いますが、とくに印象に残っている曲やチャレンジだったなと思う楽曲などはありますでしょうか?

天音僕が作詞を担当した『START UP』という楽曲はとくに印象に残っています。じつはこのアルバムは新曲と既存曲を、すべて録り直しています。なので、時期的にいちばんレコーティングが古いのがこの『START UP』なんですよ。

 当時は歌詞を書くことはもちろん、レコーディングにもぜんぜん慣れていない中、みんなに伝わるかなという想いを考えながら作詞して歌ったので、ドキドキしながら挑んだ楽曲です。そういった意味で印象に残っています。

 あとは最後にレコーティングをした『片羽』という楽曲ですね。僕とトビー・フォックスさん、かめりあさんの3人で作詞をした楽曲です。自分自身で作詞に携わっている曲にはとくに思い入れがあって、こんな風に歌おうとか、こんな想いが伝わったらいいな、ということを考えながら歌った楽曲になっています。

――それでは強く印象に残っているという『START UP』について伺いたいのですが、本楽曲はどのようなコンセプトで作詞されたのでしょうか?

天音『START UP』の作編曲はElements Gardenの藤田さんにお願いをしたのですが、Elements Gardenさんと言えばアニソンのような爽快感や疾走感のある楽曲というイメージが強いんですよ。

 だから、Elements Gardenさんに楽曲をお願いするのであれば、アニソンらしい曲を歌いたいという想いがまずいちばんにありました。デモ曲から歌詞を付けていったのですが、曲調は疾走感がありながらも、悩みや苦悩とかが浮かんできまして。

 ストレートな歌詞でありながらもみんなが一度は抱えるであろう悩みや悔しさを表現して、みんなの気持ちを重ねられるような楽曲にしつつ、爽やかなサウンドや疾走感に合わせて最後はプラスの気持ちで締めていく……そんな楽曲になったらなという思いで制作しました。隣りでいっしょに走っていくような、すごく前向きになれる楽曲になったかと思います。

――最初に楽曲を聴いたときはどんな印象でしたか?

天音とてもキャッチーで、「このままアニメ主題歌にならないかな?」と思うくらい素敵な楽曲でした。MVも公開しているのですが、リスナーさんから「今期覇権アニメの匂いがする」と言われてすごくうれしかったです!

【Original Anime MV】START UP - 天音かなた【Elements Garden】

――『UNDERTALE』などでおなじみのトビー・フォックスさんが手掛けている楽曲があることにもたいへん驚きました。そもそもどういった経緯で制作が決まったのでしょうか? また、ゲーム楽曲を多く手掛けているトビー・フォックスさんの曲を聴いたときの感想も伺えますと。

天音トビー・フォックスさんは僕の『UNDERTALE』配信を見てくださっていたというのが本当の始まりでした。

 30時間くらいラスボスと対峙する配信を3年ぐらい前にやっていたんですけど、それとともに僕の歌声も聴いてくださったそうで、逆オファーという形で曲を書いてみたいと仰っていただけて。もうそんなのこちらから頭を地面にめり込んででもお願いしたいようなことだったので、本当にありがたい気持ちでいっぱいでした!

【UNDERTALE】初見Gルートへ。その4。【天音かなた/ホロライブ】

天音かなた『UNDERTALE』配信 再生リスト

 最初は“天使っぽい楽曲”というコンセプトから、フワッとした神聖な雰囲気の楽曲になる予定でした。アルバムを作り始めたころは自分の歌に自信がなくて、コンポーザーさんや関わってくださるクリエイターさんたちの楽曲に自分が合わせたいという想いが強くあったのですが、『片羽』はアルバムの中でも後半に制作した楽曲でして、そのころには自分の歌のよさも出せたらいいなという想いもあったんです。それで一度「天使というものがなくてもいいくらいロックな感じでいきたい」とお願いしたんです。

 なので、最初の予定からはガラッと変わった楽曲になっています。歌唱も難しかったですが、開放感がすごく楽しくて幸せに歌わせていただきました。

――『片羽』はトビー・フォックスさん、かめりあさん、かなたさんが共同で制作されていますが、どのような流れで制作を進められたのでしょうか?

天音僕の場合は、Googleのスプレッドシートに僕の歌詞、トビーさんの英語の歌詞、そしてふたつのいいところを拾ってくださったり、そこからいろいろと膨らませてくださったかめりあさんの歌詞の3本柱が並んでいました。

 それをもとに「ここはこうかも」、「ここはこういう想いで書きました」などコメントをして進めていくといった、すごく“いま”っぽい制作方法でした。在宅歌詞ワークですね。

 お互い顔は合わせていないのにいっしょに制作できるというのが、非常にいまならではと感じて、いい意味でみんな気楽で、作りやすかったと思います。

――オンライン上、かつ3人での制作となると難しそうだなと感じますが。

天音そもそも大前提として、僕はコンポーザーさんたちに対して圧倒的なリスペクトがあるので、たとえば「ここをこうしてほしい」という要望を出すこと自体が大丈夫なのか、と不安になるところがありました。

 もし対面での制作をしていたとしたら言えないこともあると思うのですが、スプレッドシートだと「ここをもっと自分の歌詞を足したいです」といったことが言いやすくて、逆に助かりました。

自身で作詞・作曲を担当した4thシングル『別世界』の隠された要素。かなたさん「つんくさんに作っていただいた曲を抱えて棺に入ろう」

――アルバムのそのほかの楽曲についても伺えれば。まずはリードトラックの『Knock it out!』についてお聞きかせください。GigaさんとTeddyLoidさんのタッグで作り出されている楽曲で、EDMサウンドと中毒性の高い歌詞が印象的ですが、かなたさん自身のアピールポイントはありますか?

天音この楽曲は歌うのが難しくも、楽しい曲です。かっこいいラップパートもあれば、吐き捨てるような言葉をいっぱい言うところだったり、ちょっとぶりっ子みたいな面もあったり、サビで高音をバシバシ出していったり……。

 この1曲で僕のいろいろな面が見える楽曲になったなと感じています。たくさんの歌いかたを試しているというところがアピールポイントになるのかなと。短い楽曲なのですが、濃度高めな楽曲になっています。

【Original MV】Knock it out! - 天音かなた【Giga & TeddyLoid】

――4thシングル『別世界』もアルバムver.で収録されています。かなたさんが作詞・作曲した同曲について、改めてそのコンセプトや制作時の裏話などもお聞かせください。

天音この楽曲は、僕の経験や感情をもとにして制作した楽曲でした。好きな女優さんがご結婚されてショッキングだったという……。

 でも、自分と彼女の中には絶対的に違う世界というものがあるんだなと、少し失恋っぽいような内容になっているんです。僕の想いはそこから広げたのですが、この楽曲自体は“最初は失恋ソングに聞こえるように”ということをかなり意識して作詞しました。

 とくにラスサビ前あたりで、物語の主人公とその想い人に面識がなさそうな歌詞を初めて出している点にこだわっていまして。最初は失恋ソングというミスリードをしつつ、最後はストーカーのようなホラー要素を入れようと。でも、僕の好きな女優さんの話を配信で何度もしていたので、みんなすぐに気付いて、そのミスリード要素は誰も引っかかってくれず、このこだわりに誰も気付いてくれなかったというオチがついてしまったんですけど(笑)。

――いまになって明らかになったのですね。

天音そうですね。それとじつは、星野源さんの楽曲からたくさんワードを拾っています。たとえば、『恋』という楽曲の「指の混ざり」という歌詞と対照的に「混ざることのない指」という歌詞を入れていたり。勝手ながら対になるようなワードをかなり散りばめているんです。その要素はあまり気付かれていないかなと感じています。

 星野源さんの本当に多彩で素敵な楽曲をたくさん聴きながら、そこからもちょっとイメージを膨らませて作詞をさせていただきました。

【Original Anime MV】別世界 - 天音かなた【ホロライブ】

――つんくさんが作詞・作曲を手掛けた『純粋心』はどのような流れで制作が決定したのでしょうか?

天音つんくさんには本当にダメもとでオファーをしてみたら、まさかの「オーケー」をいただいたというところから始まりました。僕自身、ハロヲタとしてつんく♂さんの楽曲をたくさん聴いて生きてきたので、そのときは本当に大興奮で!

 『純粋心』に関しては「仮歌の歌いかたをまんまマルコピしてきてください!」と要望をいただいた楽曲です。それがまたデモテープをもらったときのハロプロのメンバーたちのドキュメンタリーやメイキングと重なって重なって。またテンションが上がって、「うわー! ここでバチッと切るところハロプロっぽい!」みたいに思いながらウキウキで覚えましたね。本当にテンションが上がってしまって、天使としてどうかなと思うのですが、「この曲を抱えて棺に入ろう」と心に決めました(笑)。まるで夢のような気持ちでしたね。

【Original MV】純粋心 - 天音かなた【つんく/テレビ東京系「ゴッドタン」2月度エンディングテーマ】

――棺には入らないでください(笑)。ちなみに新曲発注の際には、「こういう曲がいい」など、何かオーダーなどをされていたりするのでしょうか?

天音完全におまかせということは基本的になく、枠組み時点でロックがいい、バラードがいいなど、そのコンポーザーさんたちのこんな楽曲が好きですと伝えています。その後、いただいたデモ曲から、「もっとロックに寄せたいです!」など、フィードバックはさせていただきつつ、そこからいただいたものを活かすような形が多かったです。

――コンポーザーさんによって曲の雰囲気を変えていくイメージでしょうか?

天音そうですね。今回お願いした方々の楽曲はやっぱりたくさん聴いたことがあったので、こういう楽曲も素敵で有名だけど、この方のこういったアプローチもいいんだよな、みたいな。たとえばロックが有名な方だけどバラードもめっちゃいいんだよなとか。そういうところから拾わせていただいたりしました。

 アルバムのほかの楽曲との雰囲気も被りすぎないようにと考えつつも、お願いさせていただいたクリエイターさんたちのいちばん自分の好きなところが出る楽曲になったらいいなという思いでオファーさせていただきました。

――本アルバムには、いままでにリリースされた楽曲も収録されています。過去の楽曲でとくに思い入れのある楽曲はありますか?

天音やはり最初のオリジナル楽曲の『特者生存ワンダラダー!!』ですね。本当に盛り上がる楽曲なので、いろいろなところでたくさん歌わせていただいております。いちばん歌っているにも関わらず、「飽きた」といった感想は聞こえてこないですし、むしろ歌わないときは「『特者生存ワンダラダー!!』は?」と言われたりするような楽曲で、本当にいろいろな人に愛していただいているんだなと感じています。

 作詞・作曲をしていただいた田淵(智也)さんにも大感謝をしつつ、自分にとってもすごくいろいろな思い出がある曲でして。リリースされた当初はもちろん、このライブでも歌ったなとか、このときは高くてしんどかったなとか、そんな思い出がたくさん詰まっている楽曲です。

――『特者生存ワンダラダー!!』のたくさんの思い出の中で、とくに印象が残っているものなどはあったりしますか?

天音最初のころはやっぱり歌い慣れなくて、“VARK”さんでVRライブをさせていただいたときには、正直高くてキツいなと思いながら歌っていました。いまでも「高いな」とは思うんですけど、昔に比べてここは高いからここで息を吸ってみたいな形でちゃんと準備ができるようになってきて、自分の中ではだいぶ歌えるようになったなと感じられるようになりました。

 この曲は歌うたびに「前より上手く歌えたな」という思い出が毎回毎回更新されていって、レベルアップしていくような楽曲です。フェスだと新しい曲を歌うことが多いので、いつかソロライブで歌ったときは信じられないぐらい盛り上がるなと思っていて、密かに楽しみにしています。

【Original MV】特者生存ワンダラダー!! 【天音かなた/hololive】

豪華アナザージャケットには大きな苦労。活動休止もあったこの1年は、配信と歌への想いが溢れる年に

――今回、先行特典のランダムアナザージャケットの制作を、イラストの発注など含めてご自身で行われたということですが、ご自身でやろうとしたきっかけや、実際に作業をしてみての苦労などはありますか?

天音これはもうたいへんすぎて気を失い続けました。アナザージャケットを先行特典で付けようと決まったとき、けっこう時間がなくてイラストを使い回すか、1種類か2種類に絞るという話が挙がったんですよ。でも、せっかくやるのならばいろいろな方に声を掛けたいと思ったんです。

 あともうひとつは“歌ってみた”をたくさんいままで出してきて、いろいろなクリエイターさんにお願いをしてきたので、そういった経験がここで活きるのではと思ったんです。かなり短い制作期間の中ではありながらも、皆さんにありがたく制作を請けていただいたので、せっかくならたくさん作りたいなと。

 当初、自分の中では6種類を想定していました。それだけの数を作るには時間もないので自分で動くしかないと。また、制作期間もきびしい中なので、もしかしたらやはり難しい、という方が出てくるかもしれないと思ったので、7名の方にお願いさせていただいたんです。そしたら皆さん締め切りより前に納品していただきまして、クリエイターさんにはご迷惑をおかけしましたが、ありがたくアナザージャケットを7枚出せることになりました。

――時間がない中で7枚はすごく豪華ですね。

天音本当にそうですね。デザイン、ロゴもアナザージャケットなのでそれぞれに付けたいと思いまして、デザイナーさんにもそれぞれお願いしたので、クリエイターさんも僕自身もたいへんではあったのですが、本当にやってよかったなと思いました。

 無事終わったときは「抜け出せた!」という気持ちでいっぱいで(笑)。特典はランダムなので、自分でも何枚か店頭で購入してどれが当たるのかワクワク楽しみにしたいと思っています。

【ホロライブ】天音かなた1stアルバム『Unknown DIVA』インタビュー。『片羽』はトビー・フォックスからの逆オファー! 自身が作詞した曲への想いや裏話を語る
イラスト:おしおしお
ロゴ:天音かなた
背景:さまてる
【ホロライブ】天音かなた1stアルバム『Unknown DIVA』インタビュー。『片羽』はトビー・フォックスからの逆オファー! 自身が作詞した曲への想いや裏話を語る
【ホロライブ】天音かなた1stアルバム『Unknown DIVA』インタビュー。『片羽』はトビー・フォックスからの逆オファー! 自身が作詞した曲への想いや裏話を語る
イラスト:FiFS
ロゴ:JEFF99
イラスト:けろりら
ロゴ:ユカシ
【ホロライブ】天音かなた1stアルバム『Unknown DIVA』インタビュー。『片羽』はトビー・フォックスからの逆オファー! 自身が作詞した曲への想いや裏話を語る
【ホロライブ】天音かなた1stアルバム『Unknown DIVA』インタビュー。『片羽』はトビー・フォックスからの逆オファー! 自身が作詞した曲への想いや裏話を語る
イラスト:ちひろ綺華
ロゴ:ユカシ
イラスト:ニナハチ
ロゴ:ミナトデザイン
【ホロライブ】天音かなた1stアルバム『Unknown DIVA』インタビュー。『片羽』はトビー・フォックスからの逆オファー! 自身が作詞した曲への想いや裏話を語る
【ホロライブ】天音かなた1stアルバム『Unknown DIVA』インタビュー。『片羽』はトビー・フォックスからの逆オファー! 自身が作詞した曲への想いや裏話を語る
イラスト:にもし
ロゴ:HONEYIE
イラスト:栗原さくら
ロゴ:ミナトデザイン

――活動のお話もお聞きかせください。2023年12月27日で活動4周年、2024年1月6日に本アルバムが発表となった4周年ライブが実施されました。1年を振り返ってみていかがでしたか。

天音4周年イヤーは、咳が止まらなくなって活動を3ヵ月ぐらい休止した期間があったんですよね。もう本当に配信がしたかったのですが、咳でちょっと声が出なくなっている状態だったので、我慢をかなりしたなと思っています。でもそれはリスナーさんも同じで、待っていてくれたということに感謝でいっぱいでした。

 最初のほうはむしろ2023年2~3月あたりはものすごく配信をしていて、『ダークソウル』をめちゃくちゃやっていた時期でした。それがもう楽しくて仕方がなくて。

【DARK SOULS REMASTERED】#01 完全初見ダークソウル!初めましてのフロムゲー!!行くぞおおお!!!!!!【天音かなた/ホロライブ】

天音かなた 『ダークソウル』配信 再生リスト
天音かなた 『ダークソウル3』配信 再生リスト

 そういったものを通して考えると、歌はもともと大好きなので精力的に活動をしたいなという想いが強くはあるものの、ホロライブの原点は配信だと思っているので配信を疎かにせず、歌も楽しむという両方やっていけたらいいなと強く感じた1年だったと思っています。

 配信ができないときはもうもどかしくて。お休みがあっても「やったー! ラッキー!」と思うタイプではなく寂しくて思わず「配信しちゃおうかな」と思ったりもするので、配信活動を経てどんどん好きになったなと思っています。休止もありましたが、それも含めていい1年でしたね。

――今年は5周年イヤーになりますが、目標はありますか?

天音もちろんソロライブがしたいという思いはずっとあります。それと有観客でのユニットライブをしてみたいなぁ! たとえば、AZKiちゃんと沙花叉の3人でやっている“かな建”だったり、何人かでのユニットライブをしてみたいというのも夢ですね。

 もちろん1stアルバムを皮切りに2ndアルバムをリリースするのも目標です。アルバムを作るとなると、楽曲もたくさん作れるので、自分で作曲もしたいし、どなたかにお願いをしたいという想いもたくさんあります。

 あとは“歌ってみた”の企画を2023年の年末からちょこちょこ始めておりまして、そういった“歌ってみた”企画の大きなコラボとか、自分発信でいっぱい企画していきたいなと思っています。

――ソロライブもユニットライブも盛り上がりそうですね。続いて、ちょっとドキュメンタリー的な質問になってしまうのですが、天音かなたさんにとって“音楽”とは?

天音音楽というのはいままでは生活の一部であり、自分の感情表現、自己表現のひとつでした。辛いときや悲しいとき、楽しいときもうれしいときも必ず音楽を聴いて生きてきました。

 僕は少し耳の病気などもありまして、音楽を丸々1年聴かなかったり、歌わない時期もありました。そのときに初めて音楽が日常からなくなって、いま一度音楽について見つめ直すタイミングがあって。配信の中であまりうまく歌えなくなったなって思いながら歌う歌を、それでも「好きだよ」って言ってくれるリスナーさんがいて、また自信を持って歌おうとか、この人たちが聴いてくれるならまたがんばりたいな、音楽はやっぱり好きだったしなって思ったんです。

 もう一度がんばるきっかけをみんなにもらって、またこうやって自信を持ってアルバムを届けられるところまできたので、本当に自分の人生、日常というよりは辛い思い出も含めてすごく人生になっているなと感じることが最近は非常に多いですね。なので、楽しいだけではないけど、やっぱり好きだなっていうところに落ち着いています。

 いままでとはまた違った音楽の楽しみかたにはなっていますが、音楽が嫌いなままで終わらなかったのが本当にこの活動で出会ったリスナーさんやスタッフの皆さん、ホロライブメンバーのおかげなので、本当に感謝しています!

【ホロライブ】天音かなた1stアルバム『Unknown DIVA』インタビュー。『片羽』はトビー・フォックスからの逆オファー! 自身が作詞した曲への想いや裏話を語る

『スイカゲーム』と五目並びにとらわれる日々。今後は『エルデンリング』に挑戦!?

――ファミ通.comがゲーム情報サイトなので、ぜひ最近のゲーム事情についても伺えれば。最近お気に入り、もしくはよくプレイされているゲームは?

天音最近は『スイカゲーム』をプレイしていて、配信外でもずっとやっています。最近、公式のスマホアプリがリリースされたのですが、当日に課金して即ダウンロードして時間が余ったら『スイカゲーム』やるか、みたいな生活になっています(笑)。一生ダブルスイカができなくて、もうダブルスイカができないまま人生終えるのかなって思いながらプレイしています。

【スイカゲーム】スイカ企画 ダブルスイカで巨乳実装!!【天音かなた/ホロライブ】

天音かなた 『スイカゲーム』配信 再生リスト

 あとは、『世界のアソビ大全51』の五目並べもプレイしています。ホロライブで流行ったというのももちろんあるのですが、やっぱりおもしろくて。「ホロライブのみんながやっているゲームって何?」って聞いたときに“五目並べ”と答えたら、相当渋い集団に思われると思うんですけど(笑)。裏でもひとりで黙々と“CPUヤバい”と打ち合っています。

【五目並べ、7並べetc】勝った回数の文字数分、宣伝するヒトリアソビ大全!!!!!【天音かなた/ホロライブ】

――2023年で、プレイして印象に残っているゲームは?

天音2023年だと『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』がめちゃくちゃ刺さりました。デビューする前に自分がゲームに疎すぎるのでどんなゲームがあるのか調べたときに『SEKIRO』があったんですよ。すごく評価されているんだと思って調べたらめちゃくちゃ難しいということが書いてあって、「じゃあダメだ」と思ってデビュー当初気になってはいたんですけど諦めていたゲームでした。

【SEKIRO】#01 かなたがカタナを振るう!!!!初見隻狼行くぞおおお!!!!【天音かなた/ホロライブ】

天音かなた 『SEKIRO』配信 再生リスト

 その後、同じフロムゲーの『ダークソウル』をやってみて、時間は掛かりつつも諦めなければクリアーはできたので、『SEKIRO』も諦めなければ人より何倍も時間が掛かってもいけるんじゃないかと思ってプレイしてみました。最初は本当に難しすぎて心が100回は折れたんですけど、慣れてきたら「みんなが言っていた神ゲーってこれなんだ」って実感しましたね。

 ストーリーもよくて『SEKIRO』が終わっちゃったことがじつはいまも心の穴になっていて、五目並べでも埋められていないんですよね。もうダブルスイカぐらいしか僕の心の穴を埋めてくれなさそうなんですけど、ただダブルスイカを作ったらスイカは消えるので結局穴は穴かな、というところではありますが(笑)。

 『SEKIRO』のストーリーがあれでひとつ終わっているので続編はないだろうなと思いつつ、いまは『エルデンリング』が気になっています。

――今後もしかしたら配信でも?

天音ちょっと触れてみたいですね!

――最後に、読者の皆さんにひと言メッセージをお願いします。

天音ホロライブの天音かなたです。普段はおもにゲーム配信をやっているのですが、僕はデビューするまでの4~5年前までテレビゲームを一切触ったことがなく、Nintendo Switchをデビューして初めて買うというプロセスを踏んでおります。

 かなりゲーム慣れをしていないので、ファミ通.comの読者の皆さんからしたらありえないくらいのゲームセンスのなさだと思うんですけど、そこから『SEKIRO』をクリアーできるまでがんばってみたり、昔はキラーを使ってもコースアウトしていた『マリオカート』も必死に毎日2時間練習してレート7000まで上げたりして、ド下手くそな中から努力をする女です。そういう人がおもしろいな、成長過程を見たいなという方がいらっしゃいましたら、ぜひ配信に遊びにきてください。そして、ゲームを教えていただきたいと思います! ダブルスイカのその瞬間もぜひ見にきてほしいです(笑)。

『片羽』を手掛けたトビー・フォックス氏からサプライズコメントが到着!

 1stアルバム『Unknown DIVA』に収録される、楽曲『片羽』を手掛けたトビー・フォックス氏からのサプライズコメントが到着。

 かなたさんの『UNDERTALE』配信を見て感じたことを楽曲として描いたトビー氏の想いをチェックしてほしい。

日本語訳

こんにちは、Toby Foxです。かなたさんの新曲、『片羽』を作曲させていただきました!

まずは、今回も制作全般を担当してくれた、かめりあさんに感謝します。かめりあさんはいつも難しい部分を引き受けてくれるので、ひょっとしたら僕の守護天使なのかも……(笑)

僕がかなたさんの歌声を初めて聴いたのは、もうずいぶん前なんですが、個性的で魅力的な声に心を打たれました。その声には純真さみたいなものが感じられて、すごくすてきだと思ったんです。『UNDERTALE』の実況プレイ中に泣いているのを見たとき、僕の中に曲のアイデアが浮かんできました。「天使」、「努力」、「希望」……そんなものを歌った曲を作りたくなって……それがどういうわけか、今回実現してしまいました!僕、人間が歌う曲の作り方なんて、よくわかってないのに……。でも、幸いかなたさんは、ふつうの人間じゃないですからね。天使ですから。

かめりあさんといっしょに、かなたさんの歌う『片羽』を初めて聴いたとき、2人で「かなたさん、やべえ!!!」ってさけび合ったのを覚えてます。かなたさんファンのみなさんにも、この曲を気に入ってもらえたらうれしいです。それから、かなたさん本人が忘れちゃわないように、伝えてあげてくださいね。彼女には羽があって、その羽でどこへだって飛んでいけることを……。

原文

Hi, it's me, Toby Fox. I was the composer of one of Kanata's new songs, Fallen Wing! First, I want to thank Camellia for doing all the production again. He's always handling all the difficult parts, so he might be my guardian angel... (lol)

Long ago, when I first heard Kanata singing, I was struck by her unique and charming voice. It had something genuine about it I really liked. After seeing her cry during her UNDERTALE playthrough, I started to get ideas for a song... A song about angels, about struggle, about hope.

Somehow, that song became real! ... Even though I don't really know how to write songs for humans to sing. Luckily she's not a normal human, but an angel. I remember when Camellia and I first heard her singing "Fallen Wing", we were both yelling at each other "She's amazing!!!"

To her fans, I hope you enjoy the song! And, don't let Kanata forget that she has wings, wings that can fly anywhere…

トビー・フォックス 公式X
天音かなた 1stアルバム『Unknown DIVA』(CD)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 天音かなた 1stアルバム『Unknown DIVA』DLページ