2023年11月16日に発売される『桃太郎電鉄』シリーズ最新作『桃太郎電鉄ワールド ~地球は希望でまわってる!~』(以下、『桃鉄ワールド』)。

 前作『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~ 』を筆頭に、これまで多くのシリーズ作は舞台がおもに日本列島でしたが、今回の舞台は世界!

 マップはもちろん、歴史ヒーローが世界の偉人になっていたりと各要素がワールドクラスにスケールアップしています。また、ほぼすべての進行系カードが1枚で複数回使えるタンク式になるなど、基本的なシステムにも変化が。

 この記事では、筆者が実際に『桃鉄ワールド』をプレイした感想を交えつつ、従来作との違いや新要素に焦点を当てたプレイレビューをお届けします。

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手軽に世界旅行気分! 地球上を飛び回る新感覚『桃鉄』

『桃太郎電鉄ワールド』レビュー。世界が舞台の最新作はより濃密になった3年決戦やハマる収集要素など新たな魅力がてんこ盛り!

 『桃鉄』シリーズといえば、平面上に再現された日本列島などのマップを列車で進むすごろく型のゲーム。

 しかし『桃鉄ワールド』ではマップが日本列島から世界全体に広がっただけでなく、シリーズ初の球体マップになり、実際の位置関係を直感的に感じながら世界中を飛び回ることができます。

 「日本地図が世界地図になっただけでしょ?」

 と思うかもしれませんが、実際遊んでみるとこれがかなり新鮮な感覚で、プレイのモチベーションを大きく上げてくれます。

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空路を進むとマップが球体なのがわかりやすい。

 また、マップ上の駅も世界の都市が再現されたものになっているので、物件を眺めているだけでもちょっとした世界旅行気分が楽しめます。

 名前しか知らなかった国や都市の名産を物件名で知ったり、プレイ中に都市(駅)の位置関係を覚えていったりする、『桃鉄』シリーズおなじみ(?)の遊びながら学べる要素もしっかり継承されています。

 このゲームが小学校時代に出ていたら世界の地理博士になれていたのになあ……。

 このあたりはプレイする方の地理の理解度にもよりますが、筆者は日本近辺以外だと国の位置関係すらかなり怪しかったので、しっかり学ばせてもらいました。『桃鉄』ありがとう!

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エクアドルの首都キト。これまで聞いたことも見たことも食べたこともない名前ですが、トストーネとカングレホは名物料理のようで、検索するとおいしそうな画像が出てきました。

移動の高速化で3年決戦がより濃密に!

 筆者が実際にプレイしてみて、システム面でもっとも大きな新要素だと感じたのが進行系カードが1枚で複数回使えるタンク式になった点です。

 一部のものを除いて、ほとんどの進行系カードが1枚で3回使えるようになり、移動がかなり快適になりました。

 使用できる回数などの仕様が違うのでイコールではありませんが、感覚的には進行系カードがまるごと“周遊”系のカードになったようなイメージでしょうか。

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カード名横のアイコンが残り使用回数。見ての通り多くの進行系カードが複数回使用できます。

 “GS”と書かれた給油駅に止まれば減った使用回数を補給することも可能なので、3回使い切ってカードの枠を空けるか、残り1回で残しておき給油駅を目指すか、ただ便利になるだけでなく新たな戦略性も生まれています。

 “☆飛びカード”も3回使えるので、☆飛びで大移動を決めた後で一気に進行系カードを買いだめする戦法がより強力になりました。

 また、マップが球体になったことで“端”が実質的になくなったことと、1枚で3回使える進行系カードで、これまでのシリーズでは運要素が強く少し使いづらかった“ぶっとびカード”の有用性がアップしました。目的地が一定以上遠い場合は、とりあえずぶっとびカードを使ってみると、大抵の場合は目的地に近づける上に、もしも裏目に出て離れてしまっても使い直しがしやすいです。さらに、運がよければ、そのまま目的地にズッポシ到着する“ホールイン・ワン”も……!

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ホールイン・ワンでは特別なメリットもあります。このときは“ぴったりカード”がもらえました。ぶっとびカードは裏目に出る可能性があったとしても、ついつい狙いたくなる気持ちよさ!

 こういった各種カードの使いかたによって、プレイヤーの移動速度が全体的に速くなり、3年決戦などの短期決戦型のルールでも目的地に到着する回数が増え、より濃密な戦いが楽しめるようになりました。

 もちろん、長期決戦のルールでも大移動からの逆転を狙いやすくなるので、一方的な展開になりづらく、緊張感のある戦いが続きやすい印象でした。

新ボンビーがヤバイ……!?

『桃太郎電鉄ワールド』レビュー。世界が舞台の最新作はより濃密になった3年決戦やハマる収集要素など新たな魅力がてんこ盛り!

 ここまで、おもにプレイヤーにとってうれしい新要素を紹介してきましたが、プレイヤーの最大の敵である貧乏神もパワーアップ。新たなボンビーが激しく&残酷に場を荒らしてくれます……!

 本作で新たに登場するのは“世界旅行ボンビー”と“ばらまきボンビー”の2体。

 “世界旅行ボンビー”は毎ターンプレイヤーを勝手に大移動させた挙句、移動距離に応じた大金を旅費として奪い取っていき、“ばらまきボンビー”は毎ターンプレイヤーの持ち物を近くの駅にばら撒いてきます。

 世界旅行ボンビーの大移動では移動した先が目的地付近になるという可能性もありますが、基本的にはまともに移動ができなくなるうえにお金まで取られる極悪なもの。

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世界旅行ボンビーが土煙を上げながら駆け抜けていく様はなかなか爽快ですが、この後しっかり地獄が待っています。

 ばらまきボンビーには、ばらまいた持ち物を自分で回収することもできますが、逆にほかのプレイヤーに奪われてしまう可能性もあるうえに、回収に躍起になると目的地に近づいたりボンビーをなすりつけるのが難しくなってしまうかなり厄介な能力です。

『桃太郎電鉄ワールド』レビュー。世界が舞台の最新作はより濃密になった3年決戦やハマる収集要素など新たな魅力がてんこ盛り!
見た目や言動からは一種の神々しさも感じますが、仕打ちは悪魔です。やめて!

 どちらも一撃でどん底に落ちてしまうタイプの能力ではありませんが、一度食らってしまうとリカバリーが難しいので、ほかのプレイヤーになすりつけられる手札はつねに持っておきましょう。

 しかし、前述した通り今回は進行系カードが扱いやすく、全プレイヤーが進行系カードを潤沢に持っていることが多いので、ボンビーのなすりつけ合いはこれまで以上に壮絶な争いが楽しめること請け合いです。

 あ、もちろんキングボンビーはいつも通りとてつもなく極悪なのでご注意を。こちらは一撃でどん底へ真っ逆さまです……!

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グェッヘッヘ。

少しずつ情報が増えるマイワールドが収集癖をくすぐる!

 『桃鉄ワールド』には、これまでのプレイで到着した駅や目的地、出会った歴史ヒーローなどを確認できる、プレイ記録と収集要素が合わさったような新モード“マイワールド”が実装されています。

 このマイワールドでは、プレイの記録がテキストで一覧で表示されるだけではなく、ゲーム中に使われている球体マップを自由に動かしながらそれぞれの駅の情報を確認することもできます。

『桃太郎電鉄ワールド』レビュー。世界が舞台の最新作はより濃密になった3年決戦やハマる収集要素など新たな魅力がてんこ盛り!

 そして、到着した駅はマスが光って表示されるなど、視覚的にも自分のやり込み具合を確認することができる仕様になっています。

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マイワールドモードではマップ上を汽車で自由に走り回ることもできます。う~ん、世界の車窓から。

 おまけ的なモードではありますが、数プレイ終わるたびに、どのくらい新しい情報が記録されたか確認しに行きたくなる魅力があります。地理好きやコレクター気質がある方はとくにハマるはず。遊べば遊ぶほど情報が記録されていくデジタル地球儀……イイですよ!

『桃太郎電鉄ワールド』レビュー。世界が舞台の最新作はより濃密になった3年決戦やハマる収集要素など新たな魅力がてんこ盛り!

 また、マイワールドの情報を埋めて行けば、どの都市を独占すれば歴史ヒーローが仲間になるかや、どのあたりに独占しやすい物件駅があるのかを確認することもできるので、やり込むほどに攻略情報を手軽に確認できる便利モードへと進化していきます。

 ぜひコンプリートを目指してみてください。

『桃太郎電鉄ワールド』レビュー。世界が舞台の最新作はより濃密になった3年決戦やハマる収集要素など新たな魅力がてんこ盛り!
対人マルチプレイはもちろん、おなじみの強力なCPUたちもいるので収集要素が埋まってからも無限に遊べますよ!

 ここまで紹介してきたもの以外にも、遊んだ年数で新モードが解放されたりと、やり込み要素はまだまだあります。

 『桃鉄』シリーズファンはもちろん、友だちや家族と遊ぶパーティーゲームや、長く遊べるやり込み甲斐のあるゲームを探している方にはとくにおすすめできる1本になっています。

 これから年末年始にかけて増える、家族や友人と集まる機会に盛り上がれる一本として、手に取ってみてはいかがでしょうか。

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