ソニー・インタラクティブエンタテインメントより2023年10月20日発売予定のプレイステーション5用ソフト『Marvel's Spider-Man 2(スパイダーマン2)』。本作は『ラチェット&クランク』シリーズなどで知られる、Insomniac Gamesが開発中の『Marvel's Spider-Man』シリーズ最新作だ。

 2023年9月12日(現地時間)にアメリカ・ロサンゼルスにて、全世界のメディアやインフルエンサーを対象にしたプレビューイベントが開催。イベントでは、ゲームの先行プレイや開発者インタビューなどが行われた。

 本記事では、Insomniac GamesのシニアプログラミングディレクターDoug Sheahan氏のインタビューをお届けする。

 なお、先行プレイのリポートは別の記事として掲載しているので、ぜひそちらもチェックしてほしい。

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Doug Sheahan(ダグ シーハン)

Insomniac Gamesのシニアプログラミングディレクター。Insomniac Gamesには15年以上在籍し、『ラチェット&クランク』、『Sunset Overdrive』などに携わっている。

――『Marvel's Spider-Man』の発売後、『Marvel's Spider-man: Miles Morales』(以下、『Miles Morales』)を経てのナンバリングタイトルとなりますが、改めて本作のコンセプトを教えていただけますか?

Doug Sheahanコンセプトは進化やレベルアップです。ストーリーの面で言うと、ピーターとマイルズの関係は前作でも少し垣間見ることができましたが、ふたりのスパイダーマンがしっかりと同じ作品に出るのは本作が初めてなので、とにかく大きいことをしようとしました。

 ゲームプレイの面ではプレイヤーがより戦略的な判断ができるように選択のバリエーションを増やして、いままでにない戦いかたができるようになっています。

――本作を開発するうえでとくに苦労したことは何ですか?

Doug Sheahan本作ではボス戦のアプローチを変えました。たとえば、防御の手段としてパリィを追加しているのですが、これにより過去作のようにただ単に攻撃するだけはなく、敵の動きをもっと観察して行動を予測する必要が出てきます。

 パリィ以外にも、スパイダーマンたちはいろいろな能力が増えているので、それにあわせてボスもレベルアップさせて「やっと倒せた……」というような達成感を味わってもらえるように試行錯誤しました。また、ボス戦の中でどのようなストーリーを伝えるのかということにも注力しています。

――『Marvel's Spider-Man』、『Miles Morales』の開発時にマーベルとかなりやり取りをしたと過去のインタビューで語られていましたが、本作でも同じような感じだったのでしょうか? また、そのやり取りの中で印象的だったことはありますか?

Doug Sheahanそうですね。私たちはキャラクターを作る際に原作に忠実でありながら独自性も出したいと考えています。たとえば、原作のヴェノムの正体はエディ・ブロックというキャラクターなのですが、私たちはあえてエディではなく、ほかの人にしたいとマーベルに相談したところOKを出してくれました。

 また、リザードもいままでの作品ではどちらかというと服を着た小柄なキャラクターだったのですが、今回はあえて怪物のようながたいが大きいデザインにしたいと話し合った結果、こちらもゴーサインが出ました。このように忠実でありながらも自由を与えてくれたことに、マーベルが私たちをどれだけ信頼してくれているのかということを感じました。

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――本作から興味を持ってシリーズを初めてプレイする方もいるかと思いますが、『Miles Morales』のおさらいムービーのようなものは用意されていますか?

Doug Sheahanもちろん本作でもおさらいのムービーを用意しています。ただ、私たちはすべてのゲームをデザインするにあたって、過去作をプレイしていなくても100%楽しめるようにしなければならないということを意識しています。

 もちろん、過去作をプレイしたユーザーであれば、「これは前作にも出てきた!」と思い起こすようなものもたくさん盛り込んでいますが、本作でシリーズを初めてプレイするユーザーでも楽しんでいただけるように制作しました。

――注目ポイントとして、ピーターとマイルズのふたりのスパイダーマンを切り替えてプレイするところが挙げられる思いますが、開発時にどちらかひとりを主人公にするというような案もあったりしたのでしょうか?

Doug Sheahan『Marvel's Spider-Man』、『Miles Morales』で本当にすばらしい主人公をふたり作り上げられたので、開発初期からどちらかひとりだけを主人公にするということはほとんど考えていませんでした。スパイダーマンがふたりいるので、それぞれに光る瞬間や成長がありながらもひとつのまとまった物語を完成させるのは苦労しました。

 ゲームプレイの部分では、どちらのキャラクターでも挑戦できるミッションなどもたくさん用意していますが、最終的にはどちらを選んだとしても最高の体験を楽しめるようになっていると思います。

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――さまざまな要素がパワーアップしていますが、ゲーム全体のボリュームはどの程度なのでしょうか?

Doug Sheahan詳細な時間などはお話しできませんが、『Marvel's Spider-Man』と同じくらいのボリュームになると考えていただければ。

――『Spider-Man』はゲーム以外のメディアで展開されています。『Miles Morales』の発売後には、映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』や『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が公開されていますが、これらの作品から影響を受けたことはありますか?

Doug Sheahan彼らと直接いっしょに仕事をしたというわけではないのですが、同じ原作からインスピレーションを受けた点は共通していると思いますし、スーツやスパイダーボットのコレクタブルで映画からの要素をいくつか盛り込んでいます。

 とくにアニメーションの部分は、私たち独自の要素も入れているのでまったく同じようなものではありませんが、映画から影響を受けているところはあるかと思います。

――最後に発売を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。

Doug Sheahanファンの皆さんにプレイしていただいて、反応を見るのを本当に楽しみにしています。本作はかなりの時間を掛けて開発してきたものですし、私は最終的にはファンの皆さんのために作っているものだと思っているので、プレイしたらぜひ感想を聞かせてください。

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