スクウェア・エニックスが2023年6月22日に発売するプレイステーション5用ソフト『ファイナルファンタジーXVI』(FF16)のプレローンチイベントが、本日6月12日8時よりアメリカ・ロサンゼルスで開催された。イベントの模様はYouTube、Twitchでの配信も実施。

 本イベントには、プロデューサーの吉田直樹氏、ディレクターの高井浩氏(※)、コンバットディレクターの鈴木良太氏、クリエイティブディレクター&原作・脚本の前廣和豊氏、ローカライゼーションディレクターのマイケル・クリストファー コージフォックス氏、コンポーザーの祖堅正慶氏ら開発チームの主要スタッフが登壇。インフルエンサーを招いて、本作のバトル、ストーリー、サウンドの魅力を深掘りしていく内容が放送された。

※高井氏の“高”の字は、正しくははしごだかです。

『FF16』プレローンチイベントで開発者がバトル、ストーリー、サウンドの魅力を深掘り。実写映像を使った最新トレーラーの公開も!
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Final Fantasy XVI Pre-Launch Celebration Live Stream!

 最初に行われた基調講演では、『FF16』体験版が本日(6/12)17時から随時配信されること、制作にはプラチナゲームズや『キングダム ハーツ』チームが関わっていることも発表された。基調講演で発表された内容は、以下の記事をチェックしてほしい。

 本記事では、プレローンチイベントのステージイベントの模様を紹介。発売直前となった『FF16』の魅力をチェックしていこう。

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幅広いユーザー層に響くコンバットシステムを構築

 『FF16』のバトルを紹介するステージでは、メインディレクターの高井浩氏、コンバットディレクターの鈴木良太氏、ストリーマーとして活躍するMaximilian Dood氏が登場。

『FF16』プレローンチイベントで開発者がバトル、ストーリー、サウンドの魅力を深掘り。実写映像を使った最新トレーラーの公開も!

 『FF16』のバトルは、いろいろなアプローチで多彩な敵と戦えるようになっている。ゲームをプレイしているだけでなく、見ている人でも魅力的に思えるように作られているという。

 戦闘をリアルタイムアクションにしたのは、「コントローラーを触って、アクションがダイレクトに反応してリアクションが返ってくる形を望まれている方が多いだろうということで、アクションを選択した」と高井氏が回答。アクションのカスタマイズ要素も豊富に用意されており、「我々も想像できないようなプレイを見せてもらえるようなシステムを構築できるように努力した」と語った。

 『FF16』は、アクションが得意な人はもちろん、アクションが苦手、これまでに触れたことがないという人でも楽しめる作りとなっているのが特徴。これについて鈴木氏は「普段アクションゲームを遊ばない人にも遊んでほしい。その方々が楽しめるコンバットシステムが構築できている」と、本作のバトルの魅力を紹介した。

『FF16』プレローンチイベントで開発者がバトル、ストーリー、サウンドの魅力を深掘り。実写映像を使った最新トレーラーの公開も!

 続けてステージでは、『FF16』の実機プレイが披露された。Maximilllian氏がヴァリスゼアに棲息する凶悪なモンスター“リスキーモブ”に挑戦。さらに、鈴木氏によるリスキーモブのチャレンジも行われた。

 なお、リスキーモブへの挑戦は、クライヴと敵のレベルが15も離れた状態で行われた。「プレイヤーと敵のレベル差が大きく離れていても、プレイヤーのアクションスキルで乗り越えることもできる。こういった遊びかたができるのも『FF16』の魅力」と鈴木氏がコメント。そのコメントどおり、華麗な動きでリスキーモブを制した鈴木氏。その模様は、以下の配信アーカイブからチェックしてみてほしい。

※リスキーモブへのチャレンジは1:39:50~あたりからスタート

ヴァリスゼアの世界を紹介するふたりのNPCの詳細も明らかに

 『FF16』のストーリーに関するステージでは、クリエイティブディレクター&原作・脚本の前廣和豊氏、ローカライゼーションディレクターのマイケル・クリストファー コージフォックス氏、ライターでYouTuberのAlanah Pearce氏が登壇。発売直前ということで、メインストーリーのネタバレは一切なしでイベントが進められた。

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 『FF16』の世界観がダークで、似たような世界観の人気番組『ゲーム・オブ・スローンズ』(Game of Thrones)に影響を受けているのか? という問いに対して、前廣氏は「僕も『ゲーム・オブ・スローンズ』のファンで、少なからずインスピレーションを受けている。その中でもっとも影響を受けたのがアートディレクション」と回答。『ゲーム・オブ・スローンズ』のアートディレクションを参考に、『FF16』でもゲームへの没入が途切れないようにするため、ストーリーはもちろん、ゲームデザイン、レベル、BGMに至るまで世界観を徹底しているという。

 また、英語版での言葉遣いのガイドラインという観点でも『ゲーム・オブ・スローンズ』を参考にしているとのだとか。ファンタジーに似合う英語はもちろん、昔ながらの英語になじみのないユーザーに疎外感を与えないようなバランス感を『FF16』でも採用し、ドラマチックな場面では重み、ほかの場面では聞き取りやすい部分が作れたとコージ氏が語った。

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 一方でストーリーは『FF16』独自のものが展開。物語の中で政治的な観点や倫理的な複雑さを描きつつ、ストレートに主人公のクライヴ・ロズフィールドの物語が体験できるものになっている。クライヴの物語は少年期、青年期、壮年期の3つの時代に分かれており、自己嫌悪とどう向き合うか、自分自身がどういう人間なのかを知っていく過程も描かれていく。

 ストーリーをプレイするうえで役立つ機能が“アクティブタイムロア”だ。この機能にはすぐにアクセスでき、このキャラクターが誰なのか、どういう関係性を持っているかをすぐに確認できるようなシステムとなっている。ただし、すべての情報をその場で見られる機能ではなく、カットシーンに登場するキャラクターなど、プレイヤーが必要な情報が厳選して表示されるという。

『FF16』プレローンチイベントで開発者がバトル、ストーリー、サウンドの魅力を深掘り。実写映像を使った最新トレーラーの公開も!
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 アクティブタイムロア以外にも、ヴァリスゼアの世界や情勢を教えてくれるゲーム内キャラクターも登場。語り部ハルポクラテスからはヴァリスゼアの歴史や風俗、軍事学者ヴィヴィアンからはヴァリスゼアの現在の情勢を聞くことができる。このふたりは世界を知る機能のために存在しているだけでなく、ストーリーの中でも役割を担っているという。サイドクエストをプレイすると、ふたりの過去や成長していく様子が見られるとのことだ。

『FF16』プレローンチイベントで開発者がバトル、ストーリー、サウンドの魅力を深掘り。実写映像を使った最新トレーラーの公開も!
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 サイドクエストは、クエストひとつひとつにしっかりとしたストーリーが用意されていて、集落の物語やヴァリスゼアという世界をより深く知ることができるものになっている。クエストによっては、ポーションの所持数や回復量がアップするような、システム的なアップデートが入るものもあるという。

 メインシナリオとサイドクエストは深くつながっていて、サイドクエストをクリアーすればより深い理解が得られるが、クリアーをしていなくても本編の物語が理解でき、楽しめる作りとなっているとのこと。とはいえ、どのクエストもすばらしいものになっているから、ぜひプレイしてほしいとコージ氏。

 最後に、前廣氏が「『FF16』は一度コントローラーを握ったらクリアーまで離したくないと思うぐらい、没入感が続くようにした」、コージ氏が「ヴァリスゼアにはいろいろな物語が隠されていて、クライヴだけでなく、いろいろな人の物語が描かれている。すべてがメインシナリオで描かれるわけではないので、探す必要はあるけど、好きな人は楽しんでもらえると思う」とコメントした。

実写映像を使った『FF16』の新トレーラーも公開!

 音楽に関するステージでは、コンポーザーの祖堅正慶氏、ゲームや映画の作曲家でYouTuberのAlex Moukala氏が登場。コージ氏も続けて登壇し、祖堅氏の通訳を担当した。

『FF16』プレローンチイベントで開発者がバトル、ストーリー、サウンドの魅力を深掘り。実写映像を使った最新トレーラーの公開も!

 昨年末に公開されたトレーラー“REVENGE”で聴けるBGMがお気に入りだというAlex氏。この楽曲はジョシュアのことを考えて作られているのだという。「ジョシュアの何を考えて作ったかはまだ言えないけど、プレイしてくればわかるはず」と祖堅氏。なお、本日(6月12日)に配信される体験版でもこの楽曲が聴けるとのことだ。

 ここでステージでサプライズとして実写映像を使った『FF16』のトレーラーが公開。製作を手掛けた映画監督のDiego Contreras氏も登壇した。映像は以下のツイートや海外の公式YouTubeチャンネルから確認可能だ。

FINAL FANTASY XVI - Requiem Live Action Trailer

 実写版映像は、『FF16』の楽曲のアレンジを使用し、音楽を中心にしたミュージカルのような構成で作ったという。使用されている楽曲は『FF16』の要所でも流れる大事な音楽とのことで、祖堅氏とDiego氏が協力しながら映像を制作していったそうだ。

 新たなトレーラーが公開されたが、「ゲームをクリアーした後に、これまでに公開された『FF16』のPVを見ると泣いちゃうかもね」と祖堅氏はコメント。以前に公開したインタビューでも、吉田氏が「最終的には本編を遊んでいただいたときに、改めて発売までにPRで出てきた動画を見直していただくと、いろいろな発見があるように仕込んでいたりします」と語っている。どのような仕掛けが用意されているのか、ぜひとも本編クリアー後に確かめてみるのもおもしろそうだ。

FINAL FANTASY XVI “DOMINANCE”

 そして話題は『FF16』のサウンドシステムに。近年のゲームで多く採用されている、物語の展開によって楽曲が切り替わる仕組みが『FF16』にも導入されているが、『FF16』はアクションゲームなので、アクションが得意な人と苦手な人とで戦闘を終えるタイミングに違いが出てきてしまう。そこで祖堅氏は、アクションが得意な人、苦手な人の両方が同じプレイ体験をできるようなサウンドシステムを、新たに導入したと説明。

 システムの詳細は語られなかったが、“このシーンではこのBGMが流れる”ということを自動でアジャストする機能の模様。そのサウンドシステムを取り入れたふたつの映像が流されたが、会場は「どこが違うの?」という反応に。この反応こそが「正解」だと祖堅氏は語り、「自動的にアジャストした結果」とのこと。簡単に言えば、バトルと音楽がマッチしていない場面を作らないようにする仕掛けが施されているシステムのようだ。

『FF16』プレローンチイベントで開発者がバトル、ストーリー、サウンドの魅力を深掘り。実写映像を使った最新トレーラーの公開も!

 また、「メロディーが『FF14』の楽曲に似ている部分もある」という意見に対しては、「ふたつのパターンがあって、ひとつは意図的にやったこと。ひとつは単純に僕が作っているから」とコメント。そして20年来の付き合いがある祖堅氏とコージ氏についての話題では、『FF16』にもふたりが歌っている楽曲が「あるかもね」と回答していた。

 最後に、トレーラー“REVENGE”で流れる楽曲を祖堅氏とAlex氏がセッションして、ステージイベントが幕を閉じた。

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日本での『FF16』生放送が実施決定!

 閉会式では、吉田氏から日本でも『FF16』の生放送を実施することが発表された。詳細は明かされなかったが、体験版を遊んだ後にでも放送を見てほしいとのこと。こちらのイベントにもぜひとも注目したい。