セガの『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズ最新作『ソニック スーパースターズ』。2023年6月9〜10日にアメリカのロサンゼルスで開催された"Summer Game Fest Play Days 2023 (サマーゲームフェスト プレイデイズ 2023)"に出展され、実際にプレイできたので本作の概要と実際に遊んでみての感想を紹介しよう。

 2023年秋にPS5/PS4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam/Epic Games Store)向けにリリース予定の『ソニック スーパースターズ』は、ソニックやテイルズといったおなじみのキャラクターやステージを3Dで描きつつ、『ソニック』シリーズの原点といえる2D横スクロールアクションのゲームだ。さらに今作は最大4人でのオフライン協力プレイに対応しており、使用可能なキャラクターもソニック、テイルス、ナックル、エミーの4キャラクターが用意されている。

 展示されていたデモ版ではふたつのステージと先述した4キャラクターが選択可能だった。 筆者はソニックを選んでプレイしてみたが、まずソニックの見た目に驚かされた。

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 これまでも3D版のソニックはたくさん登場してきたが、本作のソニックは3Dでありながらどの作品よりも2D版ソニックらしさを感じられるのだ。これはもちろんテイルスなどの他キャラクターにも言えることで、デザイン上の違和感が全くないのである。

 各キャラクターの動きもしっかりと特徴づけされており、スティックを傾けただけでそのキャラクターの仕草から性格のようなものが感じ取れる。 たとえば放置しているとソニックは早く先に進みたいイライラを表現してくるし、温厚なテイルスは眠ってしまうといった具合だ。

 デモ版ではストーリーパートはなかったが、それでも『ソニック』シリーズ初体験の方も各キャラクターの特徴をすんなり掴めるだろう。

 各キャラクターは性能も設定されており、ソニックはスピード、テイルスはホバリング、ナックルズは壁にしがみつき、エミーは壁を砕けるといった過去作の特徴を引き継いでいる。

新しい舞台“ノーススター諸島”を駆け抜けろ

 ステージは2D横スクロールアクションらしく左から右へどんどん進んでいくのだが、横に長いだけでなく縦にも長く、ボーナスステージの入り口が隠されていたりと探索要素も多い。 最後までいくとボスステージがあるのもお約束だ。

 ちょっとプレイしていて気になったのがカメラが近い点だ。 これがうまく作用している。 2D時代の『ソニック』シリーズと同じくらいカメラが近いことで、画面の先に何があるのだろうか好奇心が刺激されるのだ。 ソニックたちも大きく描画されることで、よりキャラクターの描写の細かさも目に入りやすい。 とある場所では触れると即死するサメのような敵からひたすらまっすぐ逃げる場面があるのだが、ただ走っているだけだと画面外から突然現れた石にぶつかりサメに追いつかれてしまうこともあった。 カメラが近いという点を活かしたマップデザインと言えるだろう。

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 本作の新要素にカオスエメラルドを使ったエメラルドパワーというものがある。 今回体験できたのは“ウォーター”と“アバター”だが、“ウォーター”は水になって滝を上れるようになる。 いくつかの足場はソニックだと“ウォーター”を使わないといけないところがあった。“アバター”は画面を埋め尽くすほどの分身を大量に召喚して一斉攻撃ができる。カオスエメラルドはボーナスステージに隠されているので、探索すればするほどおいしい報酬が待っているというわけだ。

 最初のステージのボスステージではおなじみのエッグマンがロボットに乗って出てきた。 こちらはとてもシンプルでタイミングをあわせてロボットを踏みつければいいだけだった。 一方で、もう一つのステージのボスたちはそのままではダメージが通らず、ボスの攻撃を利用してダメージを与えていく軽い謎解き要素があった。 決して複雑なギミックではないが初めてダメージが通ったときの気持ちよさには満足だ。

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 クリアーしてから気がついたのだがどちらのステージもこれまでの過去作にはなかった名前が付いていた。 気になったので質問してみたところ、『ソニック』シリーズのお約束だった“グリーンヒルゾーン”をはじめ、これまでに登場したステージは本作にはないとのこと。 それもそのはずで、本作ではソニックたちは新しい舞台の“ノーススター諸島”で冒険するからだ。

 原点回帰のクラシックを追求しつつ、新しい要素もしっかりと加えて面白さを生み出しているのは老舗ブランドならでは。 ファンだけでなくシリーズ初心者でも楽しめる作品に仕上がる期待は大きそうだ。