2022年末に開催された“The Game Awards 2022”で開発が発表されて以来、世界中で大反響を巻き起こしているフロム・ソフトウェアの『アーマード・コア』(以下、『AC』)シリーズ最新作、『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマード・コアVI ファイアーズオブルビコン)』(以下、『ACVI』)。

【AC6】『アーマードコア6』山村D&小倉Pロングインタビュー。シリーズの新たな一歩を飾る最新作、スリリングな戦闘を実現するゲームシステムの詳細が明らかに!

 ついに2023年8月25日全世界同時発売が発表され、新たにゲームプレイトレーラーも公開された。

『アーマードコア6』ゲームプレイトレーラー

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 シリーズ最新作が遊べるという“夢”が現実となったいま、本記事では『ACVI』のキーパーソンであるフロム・ソフトウェアの山村優ディレクターと小倉康敬プロデューサーにインタビュー。

 フロム・ソフトウェアを代表するシリーズであり、世界中が待ち望んでいた『AC』の最新作を手掛ける山村氏と小倉氏は、この作品にどのような思いを持って、開発に臨んだのか。そして、本作が目指すメカアクションの楽しさはどのようなものなのか。『ACVI』が向かう“地点”を直撃する。

『アーマードコア6』アナウンスメントトレーラー

山村優(やまむら・まさる)

『DARK SOULS(ダークソウル)』、『Bloodborne(ブラッドボーン)』のプランナーを経て『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』のリード・ゲームデザイナーを担当。本作でディレクターに就任。

小倉康敬(おぐら・やすのり)

フロム・ソフトウェアでは長きに渡って『アーマード・コア』シリーズなど数多くのタイトルプロモーションに携わる。本作ではプロデューサーを担当。

蓄積された知見とシリーズの魅力を投入する最新作

――2013年に発売された『ARMORED CORE VERDICT DAY(アーマード・コア ヴァーディクトデイ)』(以下、『ACVD』)から数えると、約10年ぶりの新作となります。なぜ、『ACVI』の開発がこのタイミングで実現したのでしょうか?

小倉前作『ACVD』から10年もの長いあいだが空いてしまいましたが、ファンの皆さんの変わらない『AC』シリーズへのご愛顧をいただいたこと、まずは心より感謝しています。

 こうして長い期間が経ってしまいましたが、社長である宮崎(宮崎英高氏)や私自身も含め、『AC』を作りたいというスタッフが多くおりましたし、これまでのタイトル開発の経験から優秀な人材が育ってきたこともあって、そもそも『AC』を作らないという選択肢はありませんでした。

 しかしながら弊社内では同時に複数のプロジェクトが進行しており、ほかのタイトルの開発に社内リソースを配分していたため、結果的に長らくお待たせすることになってしまいました。

――実際に本作の開発が始まったのはいつごろでしょうか?

小倉2017年ごろから検討を始め、2018年ごろから宮崎と複数のディレクターが開発初期段階のイニシャルディレクターとして、新しい『AC』シリーズはどのようにあるべきかという大きな方向性を模索検討する形で、プロトタイプの開発に着手しました。

 そして目指す方向性や方針がある程度固まったうえで、本作のディレクターである山村に引き継ぎ、本格的なタイトル開発がスタートした形になります。

――となると、2022年に発売された『ELDEN RING』(エルデンリング)などと同時進行で開発を進めていったと。

小倉はい、本作だけに限らず、基本的にフロム・ソフトウェアでは複数のタイトルを同時に開発しています。

――なるほど。 “The Game Awards 2022”で電撃的に開発が発表された際は、海外からの反響の大きさにも驚きました。海外でも『AC』の続編がここまで待ち望まれていたのかと、正直意外だったんです。

小倉すごく驚きました。過去の『AC』シリーズを発売していたころは現在のようにSNSなども盛んではなく、海外のファンの皆さんがどのように思っているのかは不明瞭な部分もありました。

 ですので、今回の発表で世界中から大きな反響をいただけたことはもちろん、10年間も待っていてくれた国内外のファンがとても多くいてくれたことにとても感動しました。

山村国内ファンの皆さんの反応もうれしかったですし、スタッフ一同、最後まで走り切るための燃料をいただきました。

――最近のフロム・ソフトウェアには“ダークファンタジーのアクションRPG”というイメージが強いのですが、“フロム・ソフトウェアと言えばロボットゲームもあるぞ”という昔からのファンも、ここで喜びが爆発したと思います。

小倉やはり前作の発売から10年という月日はかなり長く、世代がひとつ変わったと言ってもおかしくありません。ここ数年でフロム・ソフトウェアを知ってくださった方々が、私たちのゲームといえばダークファンタジーのアクションRPGが多いという印象を持たれるのは当然かと思います。

 ですがフロム・ソフトウェアとしては、創業当時からダークファンタジーの『KING’S FIELD』とメカアクションの『アーマード・コア』というふたつのジャンルを両輪として手掛けてきましたので、再び本作をきっかけにフロム・ソフトウェアが作るゲームのバリエーションが豊かであることが改めてアピールできたらうれしいですね。

――台北ゲームショウのタイミングで公開されたインタビューでは、『ダークソウル』シリーズや『エルデンリング』で培われた知見とノウハウが本作に活かされているとお話されていました。改めてお聞きしたいのですが、これはスタッフの技術に対する練度やゲーム制作のノウハウという意味で、本作が『ダークソウル』シリーズのようなゲーム性になるわけではありませんよね?

小倉はい、その通りです。本作が『ダークソウル』シリーズのようなフォーマットのゲームになることを意味したものではありません。

 これまでのさまざまなタイトル開発から得られた知見や経験、蓄積されたノウハウを活かして、元来『AC』シリーズが備えているメカカスタマイズの根幹のおもしろさと掛け合わせて、いまのフロム・ソフトウェアだからこそ作ることができる新しいメカアクションゲームを作ろうというのが本作です。

山村具体的には、弊社らしい複雑かつ立体的なマップ設計であったり、敵の動きを観察して対処方法を見極めるバトルデザインだったり、このあたりには近年のタイトル開発で得られたノウハウが活かされています。

 とはいえ、『AC』は『ダークソウル』の系譜にある作品とはゲームの基本フォーマットから異なりますので、うまくいった試みをそのまま踏襲できる部分はありません。『AC』本来のよさに対して消化不良を起こさないよう、ノウハウ投入に際しても適宜検討を加えてきた形です。

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人間のキャラクターにはできない、拡張されたアクション

――あらためて、本作の物語や世界観をお聞かせください。

山村本作の舞台となる惑星“ルビコン3”は、ゲームスタート時点から半世紀ほど前に発生した新物質“コーラル”の大規模発火現象を原因とする大災害により焼き尽くされた、いわば災害跡地とも言える荒廃した惑星となっています。

 そして、物語冒頭では「大災害で失われたはずのコーラルが再び見つかった」という情報をキャッチした星外企業勢力たちがその利権を獲得すべくルビコンへの進駐を始めており、それに抵抗する土着勢力とも紛争状態にあります。

 プレイヤーはそういったコーラルを巡る戦火に対して、特定勢力に所属しない“独立傭兵”として、またACを操縦することだけに脳神経を最適化された“旧世代型強化人間”として、身を投じていくことになります。

――強化人間と言えば『アーマード・コア3』(以下、『AC3』)までのシリーズタイトルを思い出しますね。その後も強化人間のような要素は登場していましたが。

山村本作では“旧世代型”ということで、ACの操縦技術と引き換えに感情がほとんど死んでいる、という設定になっています。

 ストーリーにも関わってくるところですが、ゲーム的には“主人公がしゃべらない”というシリーズの伝統と設定を重ねている形ですね。いつもどおり主人公=自分と思ってプレイしていただけると思います。

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――シリーズらしさと言えば、先ほど宮崎さんと「『ACVI』で目指す方向性を決めた」とおっしゃっていましたが、方向性とは具体的にどのような内容だったのでしょうか?

山村宮崎はイニシャルゲームディレクターという形で、ほか2名のディレクターとともに開発初期のディレクションを行っています。そこではオールドSFを基調とした世界観やメカデザインの方向性が定義されたほか、“人間にはできない、拡張されたアクション”といった指針が提示されました。

 空中戦や高速移動はそのわかりやすい一例ですが、さらに私たちチームが着目したのは“メカであれば回避と攻撃が同時にできる”、“複数の武器を同時に扱える”といったポイントです。

 結果として本作では、三次元空間をダイナミックに飛び回りつつ、互いの攻撃を浴びせ合うような、双方向にアグレッシブでスリリングな戦闘体験を作れたと思っています。

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――気になっているのが、操作やアクション性の方向です。あくまで個人の印象なのですが、高速戦闘に特化された『アーマード・コア4』(以下、『AC4』)の系譜なのか、リアリティーや重厚感のある『アーマード・コアV』(以下、『ACV』)の系譜なのか、それともまったく別のものになるのか……。

山村一概には言えませんが、ゲームの平均的な移動速度という意味では『AC3』系と『ACV』系の中間あたりが近いと思います。

 『AC4』系の超ハイスピードアクションも個人的には大好きなのですが、本作では“敵の動きを見て対処する”アクションゲームであることを重視し、攻防が見て取れるレベルまではあえてスピードを落とした形です。

 ただし、併せて戦闘距離も過去作より近めに設定されているため、本作の体感速度は過去の『AC』にも引けを取らず、目まぐるしく緩急の増した印象になっているものと思います。

――本作では近接戦闘がメインになるということでしょうか?

山村いえ、そこまで近接に振り切っているわけではありません。射撃武器は依然としてACのメインウェポンですし、遠くから撃ち続けるのも戦術のひとつにはなります。

 とはいえ、リスクを取って前に出たほうが射撃も当てやすくなるような調整にはなっていますし、近接武器にもレーザーランスやチェーンソーなど個性的なものを用意しているので、ぜひスリリングな近間での攻防を楽しんでみていただきたいです。

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プレイヤーの選択で“手触り”が変わるアセンブル

――最新作でどのような“アセンブル”が楽しめるのかも気になります。

山村アセンブルについてはパラメータの高低だけでなく、アクションゲームとしての“手触り”の部分で自分好みの機体が構築できるようなものを目指しています。

 とくに移動を司る脚部パーツと攻撃を司る武器パーツは注力したところで、たとえばタンクならドリフトターン、四脚なら空中ホバリング移動といった追加アクションが使えたりします。また武器も使用モーションや射撃反動の受け止めかた、弾丸の飛んでいく挙動といった感覚的なところで個性が出るよう意識してきました。

――トレーラーでは『アーマード・コア フォーアンサー』の“アサルトアーマー”のようなアクションも確認できました。

山村あれは“コア拡張機能”と呼ばれる追加要素のひとつで、まさに本作におけるアサルトアーマーですね。作動原理など設定は異なりますが、バリアを伴った衝撃波を放つという点は同じです。

 しかし、本作のバトルには攻撃力と対になる重要項目として“衝撃力”という要素があり、アサルトアーマーはそれが極めて高い攻撃手段のひとつとなっています。衝撃力は言わば崩し性能とも言えるパラメータで、蓄積により敵の姿勢制御システムをダウンさせ、“スタッガー”と呼ばれる数秒間の動作不能状態に陥らせることができます。

――いままでの『AC』シリーズは攻撃で敵の動きを止めるシーンが少なく、いわゆるチャンスタイムみたいなものがわかりにくかった。それが衝撃力という形で視認できるのはうれしいですね。

山村ダメージに対するリアクションは武器の手触りにも直結しますし、アクションゲームの気持ちよさを作るには欠かせないところです。

 なお、スタッガー状態に陥った敵への追撃はすべて直撃扱いとなり、相手がMTなどの汎用兵器であればそれがトドメとなって派手に爆散してくれたりもするので、そういった敵の撃破演出にも注目していただきたいです。

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――ちなみに、アセンブルではペイントやデカール、エンブレムのカスタマイズもできますか?

山村もちろん可能です。前作でできていたことに加え、本作では鉄の光沢感や反射具合といった質感も選択できたり、ウェザリングを施せるようになっていたりするので、ユーザーの皆さんがいままで以上に愛機へのこだわりを反映できるようになってると思います。

ひとつひとつの瞬間で感情が動くものを

――トレーラーにはシールドのようなものも登場していましたが、あれは盾ですか?

山村はい、肩武器の1種としてシールドがあります。敵の攻撃が凌ぎきれなかったり、ステージが屋内で回避が難しいときには有効な選択肢になるのではないかと思います。

 また、シールドには“イニシャルガード”という、展開から1秒前後はさらに出力が高くなるという特性もあるので、敵の攻撃パターンが読めていれば活用の幅も広がります。

――近距離での戦闘ではかなりうれしい機能ですね。ほかにも『ACVI』ならではのアクションはありますか?

山村本作のバトルを体現する新要素として“アサルトブースト”というアクションがあります。

 挙動イメージとしては過去作の“オーバードブースト”に近い高速移動ですが、アサルトブーストはさらに敵への強襲に特化した性能にしています。戦闘を仕掛ける初手はもちろん、遠距離の撃ち合いで敵のスタッガーを引き起こしたときに、直撃ダメージを確実に当てるための高速接近手段となるアクションです。

――いろいろな立ち回りができそうでワクワクしますね。スタッガーをどう引き起こすかについても、さまざまな戦略が考えられそうです。

山村そこが本作ならではの武器選択のおもしろさと言えると思います。つまり、スタッガーを引き起こして直撃ダメージを取るまでの“自分なりの連携攻撃を構築する”という遊びですね。

 武器にはそれぞれ個別に攻撃力と衝撃力が設定されているため、両手両肩の4武器をどう組み合わせれば流れるような攻撃パターンが構築できるか、そしてそれを相手によってどうアレンジしていくか、そういった試行錯誤を楽しんでいただけるものと思います。

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――衝撃力や連携攻撃の概念は、どのような経緯で生まれたのでしょうか?

山村ひとつは“メカならではのアクション”について突き詰めていった結果ですが、もうひとつはシンプルに“バトル中にも区切りとなる成功体験が欲しい”という考えがありました。

 決着がつくまでの過程の中にも、プレイヤーが「これはうまくいった」、「気持ちいい」と思えるような瞬間を作りたかったのです。

――お話を聞いていると、これまで以上にアクションのメリハリを意識されていると感じました。

山村そうですね。やはり全体として、“アクションゲームである”という点は強く意識していていて、攻防におけるひとつひとつの瞬間で感情が動くものを目指してきました。

――メリハリがついたことで、失敗もよりわかりやすくなりそうですね(笑)。『AC』シリーズではAP(HP)回復は基本、ミッション中ではできませんでしたが、本作では回復はありますか?

山村本作ではミッション中にAPを回復する“リペアキット”が標準装備されています。最大3回まで使える回復アイテム、というシンプルなものですが、これによってリスクコントロールのゲーム性が加わっています。つまり、状況や相手によってはAPが6割残っていても安全圏とは限らない、ということです。

 過去の『AC』ではAPはミッションが終わるまで可能な限り被弾を避けるという、どちらかと言うと集中力の持続性を評価する指標でしたが、本作ではリスクをどう捉えるか、リペアキットをいまこのタイミングで使ってしまっていいのか、という状況判断が重要になってきます。

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直感的な操作とアセンブルによるボス攻略

――『ACV』ではユーザーのあいだで“AC持ち”なる特殊なコントローラの持ちかたが生まれたこともあって、操作が難しいという印象を持っている人も多いですよね。

山村“AC持ち”についてはもちろん把握していますが、ユーザーの皆さんは我々の想像を超える遊びかたをされるので、いつも驚かされています(笑)。ですが、“AC持ち”がプレイに必須というわけではなかったはずなので、そこに誤解があるならば解消しておきたいところですね。

 一方で、本作の基本操作は近年の弊社タイトルに近い、より直感的なものになっています。

――『AC』シリーズはアセンブルの幅広さがあるゆえに、楽しみかたやプレイヤーが感じる難度も変わるタイトルだと思うのですが、本作の難度はどのようなバランスで調整されているのでしょうか?

山村まず誤解のないようにお伝えしておくと、『AC』はすべてのミッションがつねに難しい、といったゲームではありません。自機よりも性能の劣る汎用兵器を大量に蹴散らしていくような、爽快感のある殲滅ミッションも魅力のひとつです。

 一方で歯応えのあるゲーム体験はやはり我々に期待されているところだと思いますので、要所のボスは一筋縄ではいかない相手となっています。

 そして、ここで活きてくるのが近年の弊社タイトル開発で培われた“観察と学習”のゲーム性であり、アセンブルによる“挙動変化”のゲーム性です。

小倉たとえば“あるボスのレーザー薙ぎ払いがどうにも避けられない”といった状況では、アセンブルで上昇性能に特化した構成にして上に避けてしまう、といった解法が考えられます。

 あるいは、衝撃力に優れるバズーカなどを撃ち込んで、その攻撃が発生する手前ギリギリで敵の動きを止めてしまう、という対処もあるかもしれません。

山村そういったところで、本作ではボスの脅威に対して、ユーザーの皆さんが自分なりの解法を組み立てる創意工夫を楽しんでいただけるものと思います。

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――オンライン要素ですが、アリーナでのオンライン対戦のみと発表されています。

小倉まず本作のメインコンテンツはミッションを攻略していくストーリーモードと位置付けており、この中で協力や敵対といったマルチプレイ要素はなくオフラインのシングルプレイに特化しています。

 一方で、オンライン要素は別モードとしてプレイヤーどうしが自分の組み上げた機体で対戦したり、機体データや自作エンブレムをシェアできる機能を用意していますが、その詳細についてはまたの機会に改めてお知らせさせていただければと思います。

新たな『AC』の第一歩となるための『ACVI』

――そろそろ取材時間も少なくなってきたのでズバリお聞きします。開発進捗はいかがでしょうか?

小倉2023年8月25日の発売を目指して、まさに開発終盤となります。

――そんな本作でどのような体験を楽しんでほしいのか、新規のプレイヤーとシリーズを楽しんできたプレイヤーそれぞれに向けてお聞かせください。

山村本作が初めての『AC』となる皆さんに向けては、いまのフロム・ソフトウェアが作る銃撃戦メインの三次元メカアクションと、それを彩る宇宙スケールのSF世界にご期待いただきたいです。また、メカを自由にカスタマイズして自在に動かして遊ぶという、『AC』が元々備えていたプリミティブなおもしろさをぜひ体験していただければと思います。

 そしてシリーズファンの皆さんには、そういった変わらないよさを思い出していただきつつ、ハードや技術の進化がもたらす臨場感に満ちた戦場表現や、重厚感溢れるメカの質感を堪能していただきたいです。

 また、本作でのアセンブルに対する新たな解釈などから、『AC』というゲームにはまだ発展させられるところがあるという、シリーズへの可能性を感じていただければ幸いです。

――フロム・ソフトウェアを代表するシリーズの最新作に携わることに、おふたりはどのような想いがあったのでしょうか?

山村『AC』シリーズの、いわば歴史の一部ともなる仕事に携われたことを、とても光栄に感じています。

 本作のタイトルに付いている“VI”という数字はただの番号ではなく、これまでシリーズを愛してくれたファンの方々や、開発を続けてきたスタッフの熱量が積み上がってきたものであると受け止めています。微力ながら自分にできることを投入して、『アーマード・コア』という言葉が持つ広がりや深みを、ひとつ足していかなければならない。そういった使命感を感じています。

小倉フロム・ソフトウェアの創業当時から続くシリーズタイトルであり、さらに10年ぶりの最新作ということでその重責を強く感じています。

 そして、このプロジェクトに携わる機会を与えてくれたことに感謝するとともに、本作『ACVI』がいまの我々だからこそ実現できる『AC』シリーズの新たな一歩として踏み出すことができればと思います。

【AC6】『アーマードコア6』山村D&小倉Pロングインタビュー。シリーズの新たな一歩を飾る最新作、スリリングな戦闘を実現するゲームシステムの詳細が明らかに!
『ACVI』でディレクターを務める山村優氏(写真左)と、プロデューサーを務める小倉康敬氏(写真右)。