2023年3月24日にプレイステーション4、プレイステーション5、Xbox Series X、PCで発売が予定されている、カプコンの『バイオハザード RE:4』。2005年に発売され、いまなお絶大な支持を得ている『バイオハザード4』のリメイク作品であり、グラフィックはもとより、シナリオやゲームシステム、操作感なども“再構成”されており、現代のプレイフィールに合ったものになっている。

 発売日に先駆けてゲームを最初からプレイさせていただく機会を得たので、本稿にてプレイレビューをお届けしよう。なお、初回プレイ時の感動や驚きを損なうようなネタバレの類いはいっさいないので、安心してお読みいただきたい。

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『バイオハザード RE:4』製品版発売前に実機プレイ

原作からどう進化したの? 怖いの? ユーザーとしては気になるところ、たくさんありますよね

 数多くのファンを抱える『バイオハザード4』なだけに、そのリメイクとなれば、プレイヤー自身のこだわりも手伝って、あれこれ気になる部分が多々出てくるのは無理からぬこと。ここでは筆者がプレイ前に気になっていた部分をピックアップし、それぞれ感想を交えつつ解説していきたい。

原作からはどんなところが進化している?

 古今東西、リメイク作品なら誰しもが気になる点。やはり筆頭に挙がるのはグラフィックで、これはお世辞抜きにすばらしい。原作は約18年前のゲームでありながら現代でも見栄えのするグラフィックだったが、『RE:4』を実際にプレイすることで確かな進化が感じられた。どんよりとした空気感、キャラクターや背景の輪郭をくっきりと現す陰影、水に濡れた表現、血糊の生々しさなど、『RE:4』ならではの特徴を挙げればキリがない。

【ネタバレなし】『バイオハザード RE:4』発売直前レビュー。ナイフでのパリィで脳汁ドバドバ! コアなファンもシリーズ初心者もしっかり怖くてバッチリ楽しめる“正統派”リメイク作品
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 ゲームプレイの面でも変化は多い。もちろん原作をベースにはしているため変わらない部分もあるのだが、ステージの形状やちょっとした構成の変化、ギミックの手順(内容も含めて)に手が入っていたりと、「ああこれこれ、懐かしい」、「あれっ違うの!?」という感覚が交互にやってきて楽しい気分になる。

 なかには原作をプレイ済みだからこそ気付けるネタ的な変更点などもあったりする。プレイ中はホラーゲームゆえに当然恐怖感があるのだが、終始ニヤニヤが止まらないという不思議な状態になる。とあるイベント発生地点で「ああ、ここはアイツが……」と思わせてからの「お前かい!」は、夜中にも関わらず大声をあげてしまった。

 では内容が原作無視レベルで変わってしまっているのか? というとそうではない。随所に入っている“アレンジ”はじつに自然な流れで挿入されており、原作を何周もやり込んでいるようなコアプレイヤーでないとすぐには気付けない箇所もある。自分はといえば、アレンジ部分を探すのが楽し過ぎて、ステージ探索に莫大な時間がかかってしまった。レオンの足腰も十分に鍛えられたことだろう。

【ネタバレなし】『バイオハザード RE:4』発売直前レビュー。ナイフでのパリィで脳汁ドバドバ! コアなファンもシリーズ初心者もしっかり怖くてバッチリ楽しめる“正統派”リメイク作品
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 シナリオに関してもアレンジはあるが、当然ながら、こちらは詳細に語れない。ただ、本作は『バイオハザードRE:2』の世界線にあるストーリーなので、その辺でいろいろと予想や妄想を膨らませておくといいかもしれない。何なら本作の前に『RE:2』をプレイしておくのもアリだろう。

ゲーム的な難しさは?

 まずゲームの難易度設定について書いておきたい。本作では、初期状態で以下の難易度が用意されている。

ASSISTED

 アクションゲームに不慣れな方におすすめのモード。

  • 照準操作がアシストされる(OPTIONのCONTROLSから変更可能)
  • クラフト時の弾薬作成数が増加
  • DANGER状態になると体力が一定値まで自動回復する
  • 一部アイテムの価格が低下

STANDARD

 標準的な難易度。原作を未プレイの方におすすめのモード。

  • ゲームオーバー時にASSISTEDへの変更が可能(一度下げると元に戻せない)

HARDCORE

 難しめの難易度。原作での腕前に自信のある方におすすめのモード。

  • 敵や仕掛けの配置が難しくなる
  • 一部アイテムの価格が上昇

 自分はSTANDARDで進めたが、程よい難易度だと感じた。操作に慣れ、強力な武器を手にして調子に乗ったあたりで強敵が出現し、鼻っ柱を折られるのも原作通り。

 弾丸は無駄撃ちをしなければ、足りなくなるといったことはあまりない。ガンパウダーによる弾丸クラフトがあり、好きなタイミングで補充できるのもうれしい点。しかし、それゆえに素材類でアタッシェケースが圧迫されるという悩みどころもある。溜め込み過ぎると余剰アイテムを売ったり捨てたりする必要も出てくるのだが、この辺の取捨選択は、人によってはかなり悩まされるところだろう。そしてこの悩みも、本作の楽しい要素のひとつと言える。

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 また、本作においては、ナイフが持つ意味もかなり重要になってくる。すでに情報が出ている通り、ナイフには耐久値が設定されており、使用するごとに減少して修理が必要になるが、その反面多彩なアクションを行使できる。

 その筆頭に挙がるのがパリィで、敵の攻撃を弾き返せるというもの。ナイフを装備時、画面右下のアイコンにサインが出たタイミングでボタンを押すと、パリィが可能。少々タイミングがズレてもパリィは発動するが、ジャストなタイミングでパリィを行うと、敵を1回でひるませることができる。これがかなり気持ちいい。

 耐久値の関係でどうしても温存しようという心理が働くが、これは間違い。ナイフを適宜使っていくほうが明らかに強く、ゲーム進行もスムーズになる。耐久値は武器商人のショップで回復させればいいし、道中では使い捨てのナイフを拾う機会もあるので、そちらを使ってもいい。

 何よりナイフを使ったほうが絶対に楽しいので、出し惜しみせず積極的に使うことを推奨したい。敵の投げてきた斧をパリィで弾き、すかさずヘッドショットを決める流れは“俺ツエー感”がすさまじく、脳汁がドバドバ出ること間違いなし。

【ネタバレなし】『バイオハザード RE:4』発売直前レビュー。ナイフでのパリィで脳汁ドバドバ! コアなファンもシリーズ初心者もしっかり怖くてバッチリ楽しめる“正統派”リメイク作品
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 ちなみに、ゲーム最序盤のみだが、ほかふたつの難易度でもプレイしてみた。まずASSISTEDだが、これは上記の変更点以外に、敵も若干弱体化される。とはいえ、STANDARDと圧倒的な差があるようには感じられなかった。体力自動回復やクラフト弾丸数増加などの明確な強みもあるため、死ぬ危険はグッと減るだろう。「難しいのは嫌だけど、簡単過ぎるのも……」と考えている人にピッタリの匙加減に思えた。

 そしてHARDCOREだが、こちらは敵が一気に強くなる。というよりは、恐ろしく攻撃的になるようだ。STANDARDでは様子を見ながら攻撃を仕掛けてくるのに対し、HARDCOREではこちらを発見次第ダッシュで向かってきたりと、どんどん間合いを詰めてくる。若干ひるみにくくもなっているようで、ハンドガンで大雑把に撃っていてはまず止められない。強い敵上等な“バイオマニア”の方は、ぜひこの難易度でご自身の腕を試してほしい。

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ホラーゲームとしての怖さ

 グラフィックの進化である程度は予想できるだろうが、恐怖演出にも一層の磨きがかかっている。ちょっとしたびっくり要素から、クリーチャーによる嫌悪感がすさまじい生体描写まで非常に幅広く、そして恐ろしい。

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 怖さ、という面では音による演出も光る。風や雨音、木々がきしむ音といった環境音から、ガナードたちによる奇声や話し声など(どこからか、たまに祈りの言葉のようなものも聞こえてきたりする)、かなり恐怖心を煽ってくれる。

 個人的にはチェーンソーの音を聞いたときの焦燥感がヤバかった。正直、チェーンソー男は原作のころから苦手意識があったので、あの“ブーンブーン、ブオオオオオオン”という音を聞くだけで手に汗が浮かぶ。怖すぎる。

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ディープなファンにも、シリーズ初心者にもオススメしたい、理想的なリメイク作品

 プレイしてみてまず言えるのは、とにかく作りが丁寧であるということ。原作でおなじみのちょっとした演出であるとか、キャラクターのセリフ回しなど、それらをきちんと再現しつつ、しっかりとした肉付けでグレードアップされている。リメイク作品としては理想的なものに仕上がっていると断言できる。

 もうひとつ言いたいことが。ぶっちゃけるとこのゲーム、けっこう難しい。しかし、ある程度の手応えがあるからこそ困難を乗り越えたときに得られるカタルシスも大きいわけで、さらにゲームを進めたいというモチベーションにもつながってくる。出てくる敵全員が誰にでも簡単に倒せるようではまったく怖くない(=ホラーゲームとして成立しない)し、途中で飽きが来て投げ出してしまうだろう。

 また、さまざまなアレンジ要素が楽しい作品であるが、原作ファンは当然として、原作未プレイ、あるいはシリーズ初心者にも強くオススメしたい。あらゆる体験をまっさらな状態で楽しめるのはとても幸せなことだからだ。もし本作をプレイして気に入ったら、原作をプレイして比較してみるというのもいい。それはいわゆる原作ファンにはできない楽しみかただ。

 けっきょく何が言いたいのかというと、このゲームはめちゃくちゃおもしろい。発売まであと少し、体調をしっかりと整えて惨劇の幕開けに備えてほしい。自分はといえば、ちょっと気になることがあったので武器商人に会いに行ってこようと思う。そうそう、担当声優の千葉繁さんの演技は必聴もの。「ウェルカム!」は何度聞いてもいいものだ。

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