PLAIONは、『Road 96: Mile 0(マイルゼロ)』を、Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC向けダウンロード専用ソフトとして、2023年4月4日にリリースする。

 本作は、2022年6月に発売され、高い評価を獲得しているアドベンチャーゲーム『Road 96』の前日譚にあたる作品。“ペトリア”でもっとも豪華な地域“ホワイト・サンズ”を舞台に、1996年夏に始まった『Road 96』のロードトリップの直前を描いた物語が展開される。そんな本作では、ゾーイとカイトという正反対の出自と信念を持つふたりのティーンエイジャーを、交互にプレイすることになる。

 本稿では、メディア向けに開催された、開発者オンラインセッションの模様をお届け。記事の後半では、本作のデモ版のプレイレビューも記載しているので、そちらもぜひチェックしてほしい。

クリエイティブディレクター ヨアン・ファニース氏みずからが本作の魅力をアピール

 今回のセッションは、本作のクリエイティブディレクター ヨアン・ファニース氏が担当。Yoan氏はまず、本作のゲームプレイについて、前作『Road 96』のようなアドベンチャーパートがありつつ、『ロスト・イン・ハーモニー -Lost in Harmony-』のようなリズムアクションも楽しめるようになっていると紹介。そして、リズムアクションのパートではスコアも記録されるため、とことんやり込めるものになっていると説明した。

『Road 96: MILE 0 (マイルゼロ)』の魅力をクリエイティブディレクターがみずから解説。ゾーイとカイトがロードトリップを行うにいたった経緯をマルチエンディングで描く

 また、本作のクリアーまでの時間については、前作が10~15時間でクリアーできるが、本作は前日譚の物語なので、前作に比べればクリアーまでの時間は短くなるとのこと。だが、短いプレイ時間の中でも、ゾーイとカイトがロードトリップを行うに至った経緯がしっかりと描かれるそうだ。

 物語については、主人公たちの選択によってたくさんのエンディングが存在。複数のエンディングを楽しむため、くり返しプレイするのもおもしろい作品になっているのではと語った。

 さらに、本作では音楽についてもこだわっているそうで、アメリカ・アトランタを拠点に活動しているロックバンド・The Midnightがゲーム内音楽を制作。彼らの音楽が、ゲームプレイを盛り上げてくれていると力説した。

 ヨアン氏が本作の紹介を行った後は、質疑応答へ。まずは、前作では、ランダムで多様なロードムービーのような冒険ができたが、本作ではランダム要素はあるか、という質問が。これについては、ランダム要素はなく、ゾーイとカイトのふたりのストーリー展開に注力しているとのこと。そんな物語を始めると、最初は明るく愉快な展開となっているが、次第に舞台となる“ペトリア”の“ホワイト・サンズ”が抱える闇などが明らかとなるダークな内容になっているとのこと。

 続いて、本作は前日譚の物語となっているが、これからシリーズを始める人はどのような順番で遊べばよいか、という質問では、まず本作をプレイして『Road 96』のキャラクターや世界観を理解し、その後『Road 96』本編を遊ぶのがオススメと回答した。

 『Road 96』の2作目を作るにあたって、続編ではなく前日譚を選んだ理由は、との質問では、まずは、ファンが『Road 96』の世界や登場キャラクターたちの過去を知りたがっていると感じたのが理由とのこと。そして、『Road 96』本編でもマルチエンディングが採用されているため、続編を選ぶと、プレイヤーの選んだエンディングと繋がらない可能性があるので、前日譚を選んだそうだ。

 本作の注目ポイントについて質問が飛ぶと、本作ではリズムゲームの要素を加えており、日本ではリズムゲームが広く親しまれているので、日本ユーザーにはそこも楽しんでほしいと語った。

 また、本作の主人公のひとりであるゾーイについて、前作ではゾーイのほかにも個性的キャラクターたちがいるが、なぜ今回ゾーイを選んだのか、との質問では、ゾーイは豊かな家庭で育っており、ほかのキャラクターたちとは背景が異なるので、彼女がロードトリップを行うに至った経緯を本作を描きたいと考えたからだそうだ。

プレイレビュー:じっくりと物語を追うアドベンチャーパートと軽快なリズムゲームパートが融合し、本作の世界に没頭できる作りに

 ここからは、本作のデモ版を遊んだプレイレビューをお届け。今回は、ゾーイを中心としたゲームプレイを遊ぶことができた。ゲームの流れとしては、基本的に、各エリアで発生するイベントを達成した後、ゾーイの抱える感情を具現化した空想世界でのリズムゲームをクリアーすることで、物語が進行。イベントやリズムゲームパートでは選択肢が存在し、それによってゾーイの感情パラメータが変化。これにより、エンディングが分岐していくシステムとなっているようだ。

 主人公のひとり・ゾーイは富裕層の出身で、父親は舞台となる“ティラク”の大統領府の石油大臣として働いている。対するカイトは、ゾーイとは真逆で、あまり裕福でない地域の出身。そんな、出自の異なるふたりが交流を深めることで、ゾーイはカイトに影響され、次第に“ティラク”に隠された闇を知ることになる。

 そんな背景の中で、ゾーイの行動をプレイヤーが決めていくことで、彼らの行く末が決まっていく。プレイヤー自身の信念が彼らに影響して物語の結末が変わるインタラクティブなストーリー展開が楽しめるのは本作ならでは。筆者は、ゾーイが現在の政府に対して不満を表すような選択肢を数多く選んでいたが、それが最終的にどのような結末に繋がるのかまでは確認できなかった。製品版をプレイして、自分の選択の行く末を確かめたいと思う。

『Road 96: MILE 0 (マイルゼロ)』の魅力をクリエイティブディレクターがみずから解説。ゾーイとカイトがロードトリップを行うにいたった経緯をマルチエンディングで描く

 ヨアン氏が本作の注目ポイントとしてあげていたリズムゲームパートは、ランアクションゲームのような形式で進行。迫りくる障害物を横軸の移動やジャンプで回避しつつ、青色の四角状のアイテムを集めることでスコアが加算。また、予期せぬタイミングで障害物が現れることもあるので、その際は、タイミングよくボタン押すことで回避できるQTE要素も存在する。

 これらのアクションは、流れる音楽に合わせてリズムに乗れるタイミングで行えるようになっているので、非常に心地よくて楽しい。障害物にぶつかってもその場ですぐリスタートできるので、サクサクプレイできるようになっていたのもうれしかった。イベント等を通じてじっくり物語を読み進めていくアドベンチャーパートと、軽快なリズムゲームパートが交互に続くため、ゲームプレイに飽きがこず、夢中になって遊べる作品になっていると感じた。

『Road 96: MILE 0 (マイルゼロ)』の魅力をクリエイティブディレクターがみずから解説。ゾーイとカイトがロードトリップを行うにいたった経緯をマルチエンディングで描く

 そんな本作は、Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC向けに、4月4日リリース予定。筆者がプレイした限り、『Road 96』本編を遊んでいなくても、問題なく楽しめる作品になっていると感じたので、『Road 96』ファンはもちろん、本編未プレイの方もぜひ手にとって遊んでほしい。

『Road 96: MILE 0 (マイルゼロ)』の魅力をクリエイティブディレクターがみずから解説。ゾーイとカイトがロードトリップを行うにいたった経緯をマルチエンディングで描く