2022年12月17日、“龍スタ ファンミーティング”が開催されている裏で、2023年2月22日に発売予定のプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC用ソフト『龍が如く維新! 極』のメディア向け先行体験会が行われた。
本稿では、歴代『龍が如く』シリーズをすべて遊んできた筆者が、20分という限られた時間で感じたもののすべてを皆さんにお伝えしようと思う。なお、“龍スタ ファンミーティング”の内容は追って別記事にて紹介する。
『龍が如く 維新! 極』(PS5)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『龍が如く 維新! 極』(PS4)の購入はこちら (Amazon.co.jp)『極』化されたゲームを遊ぶということ
本作は2014年にオリジナル版が発売されている作品を『極』として生まれ変わらせたものになる。『極』化が何かと言えば、グラフィックなどが大幅に進化や新要素の追加、バトルシステムの調整などを行うこと。逆に言えば、物語の大筋以外には細かく手を入れ、生まれ変わった作品だと思ってもらっていい。
ゆえに、かつてオリジナル版に触れている人なら、「8年振りくらいに『龍が如く維新!』に触れた」という感覚になる。いざゲームに触れてみるとそれはより顕著で、少し歩くだけでみるみる当時を思い出していく。「ああ、この先で川釣りができたなあ」とか「こっちのほうに池田屋があったよねえ」といったように。
背景などは当時と比べて圧倒的に美しくなっているのだが、おそらく多くの人は画面を見比べないと実感できないだろう。
ゲームのグラフィックはハードの性能を含めて8年間進化し続けてきたわけで、本作はそんな8年分の進化を見事に埋めている。というか、思い出はだいたい物事を美化するものにも関わらず、それにもキチン耐えられる作りになっているのだ。
どんなに名作と言われていても、よほど映画が好きでなければモノクロ映画を観るのはシンドイはず。そこまで極端ではないにせよ、現役のゲームハードで、いまのAAAクラスのゲームに劣らぬグラフィックで、しっかり作り直された名作を遊べるということは、完全新規作として本作を遊ぶ人にとっても、大きなメリットだろう。
わかりやすいグラフィックを例に出したが、それはバトルシステムなども同様だ。オリジナル版をプレイしていたとはいえ、それは8年前のことなのですっかり忘れているはずなのだが、それでもすぐにバトルで動かせるようになる。
今回の短時間のプレイでは感じられなかったが、おそらく強敵とのバトルの難度調整や、育成を極めた際の4つのバトルスタイルの強さのバランスもしっかり整えられていることだろう。
ちなみに、バトル関連のシステムでオリジナル版と大きく違う点に、隊士カードが挙げられる。その詳細は過去記事に記されているので、今回のリポートでは割愛する。
ただ、バトルの手触りとしては、これまで『龍が如く』シリーズを遊んでいた筆者にとってはかなりしっくりものであったことだけは伝えておこう。
新作サブストーリーは連続もの!
今回の試遊版は、東京ゲームショウ2022の試遊版と大きな差がないとのこと。ただ、現段階で公開可能なサブストーリーがふたつあるということで、そちらを中心に遊ばせてもらった。
『龍が如く』シリーズ未体験の方に念のため説明しておくと、サブストーリーとは物語の本筋に影響しない、オマケ的なエピソードのことだ。本筋には影響しないとは言え、クリアーすれば経験値はもらえるし、キャラクターのパーソナリティーを深掘りできるので、シリーズファンなら絶対にプレイするものといっても過言ではない。
今回遊べたのは、“酒気を帯びた異人”と“正義の借金取り”の2本で、どちらも連続もののサブストーリーの1話目に該当するものだった。ストーリーの概要は下の過去記事を参照していただきたい。
“酒気を帯びた異人”には、『龍が如く0 誓いの場所』で桐生のチンピラスタイルの師匠であったバッカスが登場。本作で“アーネスト・サトウ”として配役されており、彼と“手記集め”というやり込み要素の顔見せ的なストーリーになっていた。
このサブストーリー進行中に、『龍が如く』に登場した田中シンジがキャスティングされた河上彦斎とのバトルが楽しめるのは、『龍が如く』シリーズファン的にはうれしいポイントだろう。
なお、河上彦斎は『るろうに剣心』の主人公“緋村剣心”のモチーフになった人物という説もある。そこに田中シンジが配役されているのは、斎藤一(坂本龍馬=桐生一馬)との関係性も含め、グッと来る人もいるのでは?
もうひとつの連続サブストーリーである“正義の借金取り”には、『龍が如く0 誓いの場所』で桐生の壊し屋スタイルの師匠だったタツ姐が登場。彼女は本作では山本八重というキャラクターにキャスティングされている。
悪党と戦うというパーソナリティーはタツも山本八重も共通。テレビドラマの主人公にもなった新島八重の旧姓が山本だったということを踏まえて見れば、歴史好きからするとワクワクできるかもしれない。
そもそも本作はオリジナル版のころから“『龍が如く』シリーズのキャラクターが総出演するお祭り的タイトル”という側面があった。当然ながら、8年前に発売されたオリジナル版以降にリリースされた『龍が如く』シリーズ作はいくつもある。そこに登場するキャラクターが、サブストーリーを始め、あちこちに登場してくれるのは喜ばしいことだ。
また、仮に本作が『龍が如く』シリーズの入り口だったとしても、「過去作を知らなければ物語を楽しめない」という作りにはなっていない。むしろ、『龍が如く』シリーズを知らなくとも、幕末の歴史に詳しければニヤリとできるシーンのほうが多いかもしれない。
細かい部分のブラッシュアップもすごい!
遊び要素であるプレイスポットを始めとした、クリアー後でも楽しめるやり込み要素の充実ぶりも相変わらず。今回のプレイでは限られた部分しか遊べなかったが、歌まる屋(カラオケ)や、本作で新たに収録されたフォトモードなども確認することができた。おそらく、オリジナル版で楽しめた遊びの要素はすべて本作でも体験できるのだろう。
また、本作では隊士カードをセットすることでさまざまなスキルをバトル中に使うことができるようになっており、その隊士育成などもやり込み要素のひとつとして挙げられるだろう。素材を集めて武器を作ることもオリジナル版と同様にできるので、究極の武器を作り上げることもひとつの目標になるかもしれない。
筆者としては、設定に操作設定の操作タイプに“右手のみ”という項目が用意されていた点も気になったポイント。
要するにこれは、アドベンチャーシーンでの操作を完全に右手側に集約させ、左手をフリーな状態にして遊べるようになるという、右利きのプレイヤーにはうれしい操作モードだ。『極』化により、このような細やかな気遣いも追加されているのかと感心した。
限られた時間でのプレイだったため、今回気付けたことはこのくらい。ただ、短時間のプレイでも本作に対してファンが期待していることは、ほとんどすべてフォローされているのではないかと思う。
本作のリリースまであと2ヵ月程度だが、筆者もみなさんと同様に心躍らせて待つことになるだろう。
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