“PlayStation Partner Awards 2022 Japan Asia”にて、フロムソフトウェアの『エルデンリング』がグランドアワードとユーザーズチョイスアワードをW受賞した。本記事では、授賞式に先駆けて行われた宮崎英高氏のインタビューをお届けする。

宮崎英高(みやざきひでたか)

フロム・ソフトウェア代表取締役社長。『エルデンリング』ではディレクターを務める。

【PSパートナーアワード】『エルデンリング』がグランドアワードとユーザーズチョイスアワードをW受賞。宮崎英高氏にインタビュー

――グランドアワードとユーザーズチョイスアワードのダブル受賞となりましたが、率直な気持ちを聞かせてください。

宮崎たいへん光栄なことだと思っております。とくにユーザーチョイスに関しては、ユーザーの皆さんに直接選んでいただける賞なので、開発一同、非常にうれしく、励みにしております。

――ふり返ってみて、『エルデンリング』がここまで高い人気を獲得した理由は何だとお考えですか?

宮崎正直、あまり分析できていません。売り上げが高いのは確かですが、その理由がどのようなものなのか? というのは、まだわからない状態で。

 なので、理由を聞かれてもも困ってしまうのですが、感覚としては、いままで通りの作りかたをこれからも変えるつもりはないです。そこに固執すると、つぎの作品を作るときに邪念になるので、あまり考えないようにしています。ただ、すごくありがたいことで、光栄なことだと噛みしめております。

――1000万本以上売り上げて、世界的なデベロッパーになったといっても過言ではないと思いますが、フロム・ソフトウェアのつぎなる目標は?

宮崎先ほどの話と同じになりますが、自分たちには世界的になった……という実感はなくて。いままで通り、我々らしいもの、我々が作りたいものを作ってきたのが、この結果だと思っているので。それをこれからも続けていきたいです。

 1000万本の売り上げという評価は、そうしたものをバックアップしてくれるすばらしい環境に繋がっていくと思うので、そういった意味でも、我々らしい、おもしろいものを作っていきたいと思っております。

――発売後、世界中のプレイヤーから多くの声が届いたと思うが、その中でも特に印象的なものがあれば教えてください。

宮崎僕自身は直接、ユーザーさんの声みたいなものは見ないようにしていて。というのも、すべてのユーザーさんの声を聞くことはできないので。そうなると、たまたま僕が聞いた声や意見が僕の中に強く入って、今後の調整や方針に影響を与えてしまうということが怖くて、あまり自分の中に直接的に意見を入れないように注意しています。

 ただ、反応を見ていると、『エルデンリング』で初めて同ジャンル(『デモンズソウル』や『ダークソウル』シリーズなど)をプレイされた方が多くて、そういった方たちの反応と言いますか……阿鼻叫喚が多いんですけど、それを聞くと懐かしくて。『デモンズソウル』のときの感覚をひさしぶりに味わって、すごくうれしく感じたことを覚えています。新規のユーザーさんが増えて、やっぱり初めてプレイすると刺激的なタイトルなので。そういった感想を聞くことができて、個人的にはうれしかったですね。