『Gungrave G.O.R.E』発売前夜祭ファンミーティングリポート。内藤泰弘氏とIGGYMOBキム・ケイ氏が本作の魅力を語る。『トライガン』のヴァッシュ・ザ・スタンピードが登場するかも!?

　PLAIONのPrime Matterレーベルより、2022年11月22日に発売された、ガンアクションゲーム『GUNGRAVE』（ガングレイヴ）シリーズの最新作『Gungrave G.O.R.E』（ガングレイヴ ゴア）。

　本作の発売を記念した“発売前夜祭ファンミーティング”が、11月21日に東京・中野の“Red Bull Gaming Sphere Tokyo”で開催された。本稿では、イメージデザイナー/キャラクター原案を担当した漫画家の内藤泰弘氏、本作のジェネラルディレクターを務めたIGGYMOB、キム・ケイ氏が登壇したイベントの模様をお届けする。

抽選に当選したファン50人と『GUNGRAVE』の歴史を振り返りつつ、本作の魅力に迫る

　イベントではまず、本作を販売するPLAIONのジャパン・リージョナルマネージャーの岩田真治氏が登壇。今年の9月にジャパン・リージョナルマネージャーに就任したばかりという岩田氏は、長期にわたって開発され、無事発売を迎えた本作を、ファンに楽しんでもらえたらと語った。

　つぎに、内藤氏とケイ氏が登場。『デビル メイ クライ』や『バーチャファイター』シリーズなど、日本のアクションゲームに親しんだというケイ氏は、数多く存在する日本のゲームの中でも、現実離れしたガンアクションや魅力あるキャラクターたちが多数登場する『ガングレイヴ』にとくに惹かれていたそう。なおケイ氏は、当時ゲーム内で無限に銃弾が出てくることに対して疑問に思っていたとのことだが、これについては内藤氏が、銃弾はすべて装填されていると解説し、会場を笑わせていた。

　続いて、『ガングレイヴ』のアニメ展開の話題へ。内藤氏は、1作目が発売されてから間もなくアニメもスタートしたことについて、ゲームを作りながらアニメを制作したマッドハウスにアニメ展開について持ち掛け、並行して作業していたと説明。また内藤氏は、アニメ全体の設定には関わっているものの、作品が感動できるものになっていたのは脚本の黒田洋介氏と監督の都留稔幸氏によるものだと語っていた。

　その後は、2017年発売の『GUNGRAVE VR』の話題へ。同作が発売されるまで、長い期間シリーズには動きがなかったことについて、水面下では映画化における監督候補の話も来ていたそうだ（現時点で続報はなし）。

　本作は、先述の岩田氏の話にあったように、長い期間を経て開発されたタイトル。2017年に発表され、そこから本格的な開発がスタート。約5年のときを経てリリースされるが、開発が長引いたことについてケイ氏は、韓国ではコンソールゲームよりPCゲームが遊ばれている傾向にあり、コンソールゲーム市場があまり大きくないことから、投資してくれる会社を見つけるのがたいへんだったと語る。

　また当時は、資金が集まらないゆえ、開発期間中、約1年間は給料がもらえなかったこともあったという。さらには、弁当の配達など別の仕事をしながら開発を続けていたとのこと。そうして開発を進めていくうちに、複数のパートナーから支援が集まり、開発に注力できたそうだ。

　イベントでは、ファンによる90秒のゲームプレイチャレンジも実施。参加したファンたちは、本作を楽しみながら進めつつ、ときには迫力満点のアクションも披露。会場は大いに盛り上がった。そんな会場の熱に刺激されたのか、ケイ氏みずからゲームプレイを披露し、本作の魅力をアピールするひと幕もあった。

　その後はQ＆Aコーナーへ。まずは内藤氏が、参加者たちから寄せられた質問に回答。ファンからの質問にユーモアを交えながら答えていた内藤氏。グレイヴの前に立ち塞がるならどんな武器を使うかという質問には、超長距離のスナイパーライフルを使うと返答。4キロぐらいの距離から一方的に狙いたいと話し、会場の笑いを誘っていた。

　続いて、ケイ氏が会場からの質問に対応。本作の制作にあたって大事にしたことを質問されると、シリーズ伝統の無限の弾薬や“バーストモード”、必殺技“デモシッションショット”はもちろん、ド派手な近接攻撃なども追加し、爽快で楽しいアクションを目指したとのこと。また、成長要素やあらゆる難易度なども追加し、奥深く、遊び応えのあるゲームにすることを大事にしたと語った。

　さらには、過去作のリマスターや続編についての気になる質問も。それに対してはケイ氏からは、「本作が認められたら可能性もあるのではないか」とコメント。「『Gungrave G.O.R.E』で新たな『Gungrave』サーガが始まります！」と、シリーズ化への意欲を見せていた。

　ちなみに、このQ&Aコーナーにはもうひとつの趣向があった。キム・ケイ氏が質問に答えているあいだに、内藤泰弘氏がライブドローイングに取り組んでいたのだ。内藤氏がライブドローイングを披露するのは東京ゲームショウ2022に次いでのこと。

　東京ゲームショウ2022ではグレイヴだったが、今回描かれたのは九頭文治。15分程度の時間を使って、すいすいと描く内藤氏を筆さばきを、来場者は食い入るように見つめていた。

　ライブドローイングを終えた内藤氏から最後に思わぬサプライズ発言があった。自身のSFガンアクションマンガ『トライガン』に登場するヴァッシュ・ザ・スタンピードを、ゲーム内で登場させてもよいと、版元の少年画報社から許可をもらったというのだ。この発言に、内藤氏ファンが集まった会場からは大きな歓声が。それに対してケイ氏は、「ファンの皆様に喜んでもらえることをできる限りやっていきたい」と答えていた。いったいどのような展開があるのか……期待したいところ。

　と、大いに盛り上がったところで、1時間30分に及んだイベントは終了。最後にケイ氏が「本作は、『Gungrave』の新しい物語の始まりとも言える作品。これからも内藤氏と開発を続けていけたらと思う」と挨拶し、イベントを締めくくった。

　イベント終了後には、内藤氏が来場したファンにサイン入りの記念品を手渡し、ひとりひとりと記念撮影してお見送り。ちなみに会場に展示されていた内藤氏のサイン入りパネルは、希望する来場者にプレゼントされた。何とも温かい雰囲気の、フレンドリーなファンミーティングだった。

PLAION ジャパン・リージョナルマネージャーの岩田真治氏を直撃

　PLAION ジャパン・リージョナルマネージャーの岩田真治氏にコメントをいただいたので、以下にお届けする。同社の今後の取り組みや『Gungrave G.O.R.E』の魅力などを聞いた。

――PLAIONの日本代表に就任されましたが、まずは意気込みをお願いします。

岩田PLAIONは、Koch Mediaから社名を変えて新たな旅の次章が始まる瞬間と同時に私は着任しましたので、これから始まる新しい旅の始まりから携われてたいへん光栄です。

――PLAIONの強みはどこにあると分析していますか？

岩田PLAIONは、ご存じの通りEmbracer Groupの傘下にいます。Embracer Groupには、最近でも全世界で素晴らしいタイトルを制作されている開発スタジオが仲間に加わりました。それにより各開発スタジオから今後もクリエイティブに溢れた良質なタイトルが開発されると思うと、ユーザーとしても凄く楽しみなことでもありますし、またそれらのタイトルを日本のユーザー様へ届けられると思うと凄く光栄でもあります。もちろん、あくまでも弊社で発売出来るならば、全力で発売させていただきます。

――その強みを日本市場で活かすための戦略・方針をお教えください。ちなみに、何か具体的な目標は設定されていますか？

岩田現状、具体的な戦略・方針はこの場では控えさせていただきますが、PLAIONが今後発売するタイトルが、日本のユーザー様に1タイトルでも多く手に取って楽しんでプレイしてもらえるようになることが、私たちの願いです。それには、これからも日本市場にあったタイトルを発売することが私たちの最大の目標になります。

――今後、日本市場でどのようなタイトルをリリースしていく予定ですか？　とくに注力しているタイトルをお教えください。

岩田すでに発表されている『PAYDAY3』を筆頭に、こちらも引き続き楽しみにしていただけるようなタイトルを準備をしていますので、今後もご期待していただければと思います。

――11月22日に発売される『Gungrave G.O.R.E』の遊びどころをお教えください。

岩田『Gungrave G.O.R.E』は、スタイリッシュなアクションが好きな方に触れてもらいたい1本です。必殺技はどれも派手で、湧き上がる数々の敵をなぎ倒して進み、スカッとすること請け合いです。内藤先生ならではの特有の世界観が詰まった作品で、とにかくグレイヴの動きがよい意味でいちいちかっこいいことに尽きるかと思います。シリーズ未経験でもとくに問題なく始められると思います。

――最後に日本のゲームファンにメッセージをお願いします。

岩田これからも日本のユーザー様に弊社のゲームを楽しんでもらうためにPLAIONはチーム一丸でがんばっていきますので、これからも応援のほど、よろしくお願い申し上げます。