2022年11月1日、ソニーグループは2022年度第2四半期(2022年~9月)の決算を発表した。

決算短信・業績説明会資料(ソニーグループ公式サイト)
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 デジタル・エンターテインメント分野でさまざまな事業を行うソニーグループだけに、決算発表の内容も多岐にわたった。本稿ではとくにゲーム・アニメ分野について発表内容をかいつまんで紹介する。記事中の数字・資料は発表内容より引用したもの。

連結売上高は2兆7519億円

ソニーグループが第2四半期決算を発表。PS5は650万台超を販売。米国小売店では10万台を17.5時間で完売する

 グループの連結売上高は2兆7519億円、連結営業利益は256億円増の3440億円となり、前年同期比16%増という数字に。なお、これは第2四半期及び上半期の実績としていずれも過去最高の数字になるという。

ソニーグループが第2四半期決算を発表。PS5は650万台超を販売。米国小売店では10万台を17.5時間で完売する
ソニーグループが第2四半期決算を発表。PS5は650万台超を販売。米国小売店では10万台を17.5時間で完売する

 セグメント別業績でとくにゲーム&ネットワークサービス(G&NS)に注目すると、売上高は7207億円で前年同期と比較して753億円増加。しかし、営業利益の421億円は同405億円の減となった。

 これは、売上高においては為替の影響により大幅増(為替影響:+939億円)となったものの、サードパーティ製ソフトの販売減が響いたとのこと。営業利益においてもマイナスに響いており、また開発費の増加、開発スタジオBungie(バンジー)の買収費用の計上が含まれることも影響している。

 ハードウェアの損益については、為替の悪影響はあるものの、価格改定とコスト低減により前回の見通しから若干の改善を見込むとしている。

ソニーグループが第2四半期決算を発表。PS5は650万台超を販売。米国小売店では10万台を17.5時間で完売する
ソニーグループが第2四半期決算を発表。PS5は650万台超を販売。米国小売店では10万台を17.5時間で完売する

 また、現状認識として、

  • PSユーザーの総ゲームプレイ時間は、コロナ感染縮小による外出機会増加の影響などにより前年同期10%減少。
  • 過去タイトルのライブラリーの販売が大きく減少。
  • 2022年9月末時点のPS Plus加入者数は6月末から4%減の4540万アカウントに。PS4ユーザーのエンゲージメント低下は想定以上。
  • PS5ユーザーのPS Plus加入比率はPS4の同比率を大きく上回る水準。PS5の普及加速により力を入れる。

 といった内容が語られた。

PS5は3ヵ月で世界650万台超を生産

ソニーグループが第2四半期決算を発表。PS5は650万台超を販売。米国小売店では10万台を17.5時間で完売する

 PS5の生産は部材供給やロジスティクス(物流)の制約が緩和され、当四半期の生産台数は650万台を超え、計画以上のペースで進捗しているとのこと。

 米国小売店における9月の実売状況は「10万台の入荷から完売までの平均所要時間が17.5時間」であると紹介され、依然需要は高止まりしている模様だ。

 高い需要に応えるべく供給の前倒しを全力で進めており、通期販売台数も1800万台からの上積みを目指すとしている。

 今後の見通しとしては、2022年11月9日に『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』が発売されることや、2023年に『Destiny 2』の拡張パック『光の終焉』が発売予定であることなどが紹介された。

米アニメ事業が好調。『鬼滅』『呪術0』『ドラゴンボール超』興収は計1億2200万ドル超

ソニーグループが第2四半期決算を発表。PS5は650万台超を販売。米国小売店では10万台を17.5時間で完売する
ソニーグループが第2四半期決算を発表。PS5は650万台超を販売。米国小売店では10万台を17.5時間で完売する

 2021年よりソニーグループとなったアニメ配信事業のCrunchyroll(クランチロール)については、2017年から同グループとなっているFunimation(ファニメーション)とのサービス統合が順調に進み、有料会員が1000万人近くまで増加。当初想定を上回るペースで事業が拡大しているとのこと。

 2022年8月にはアニメ映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の公開初週興行成績が第1位を獲得したとも紹介された。

 今回公開された資料によると、クランチロールが配給を行った『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』、『劇場版 呪術廻戦0』、『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の劇場興行収入はそれぞれ4950万ドル、3450万ドル、3810万ドルで、計1億2210万ドルに登る模様だ。

質疑応答ではPS5関連の質問も

 発表後半には質疑応答の時間が設けられており、ゲーム事業についての質問も飛んだ。

 回答はおもに副社長兼CFOの十時裕樹氏が行い、第2四半期のゲーム事業について「当期外出期間も増え、ほかへの支出が増えた影響が大きかった。(10月28日に発売になった)『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアII』もいい滑り出しを見せており、第3四半期にはかなり期待ができるのではないか。PS5のエンゲージメント率は高く、シーズナリティ(季節性)もあるので3四半期には回復・反転が期待できる」との認識を示した。