『ノーマンズスカイ』新米トラベラーが惑星ライフを体験。未知の惑星に出会い、光の速さで銀河を駆け抜けるSF好きにプレイしてほしい宇宙探索ゲーム

　2022年10月7日に、イギリスの開発会社Hello Gamesより、宇宙探索ゲーム『No Man’s Sky』（以下、『ノーマンズスカイ』）のNintendo Switchダウンロード版が発売となった（バンダイナムコエンターテインメントより、パッケージ版も10月6日に発売）。

『ノーマンズスカイ』は、2016年にプレイステーション4で発売されたSFアクションアドベンチャー。プレイヤーはひとりのトラベラーとなり、宇宙船に乗って広大な宇宙を自由に冒険することができる。

　そんな本作はアイテム収集やクラフト、戦闘など豊富なコンテンツが用意されているのが特徴。新たな惑星を求めてきままに旅をしたり、好きな惑星に拠点を構えてサバイバルをしたり、はたまた宇宙海賊と戦ったりと、とにかく自由度が高い。

　SF好きの人にとっては、間違いなく心揺さぶられる作品であり、筆者も宇宙での冒険に憧れて『ノーマンズスカイ』の世界へと降り立つことを決意。ここでは、新人トラベラーとして実際に惑星ライフを体験し、魅力的に感じたポイントやどういった楽しみかたができるのかを紹介しよう。

一生あっても訪れられないほどの星が散らばる広大な宇宙

　『ノーマンズスカイ』の世界には、数えきれないほどの惑星との出会いがある！

　この言葉は大げさではなく、実際に1800京個以上（正確には18,446,744,073,709,551,616個）の惑星が本作には存在する。その数を簡単に表すなら、1日ひとつの惑星を訪れるとして、1億個の星を巡るとするだけでも、単純計算で27000年以上もかかってしまう。一生では訪れることができない数の中から、運命的な惑星との出会いがあることにロマンを感じずにはいられない。

　もちろん惑星といっても、星の風景はさまざま。環境も違えば、そこに住む生物も異なる。例を挙げるなら、特定の気候を持つ星でしか手に入らない植物や星に巣食う超巨大な寄生虫などなど。

　最初の星に降り立つと、まずは、惑星の大きさに驚かされる。少し歩いても、先の見えない地平線がどこまでも広がっているのだ。それと同時に「自分はいま広大な宇宙にいるんだ」と実感させられることだろう。

　基本的には自由に行動していいが、惑星での活動に必要な生命維持システムや危険防御システムなどがあり、それを動かし続けるには特定のアイテムが必要。知識がない状態だと、それらが止まってしまい、いずれは息絶えてしまう。まずは、冒険の基礎を学びつつ、メインミッションを進めていくのがおすすめ。

　宇宙を旅している最中には他の知的生命体に出会うことも。本作では、商人気質の“ゲック”、好戦的な“ヴァイキーン”、研究好きの無機生命体“コーバックス”たちが銀河で暮らしており、アイテムを取引したりお願いを聞いてあげたりと交流も深められる。

思わず没頭してしまう素材集め

　いちばんの醍醐味といえば、やはり探索。広大な宇宙を旅する本作では、大量の資源を確保することが必須となる。先にも述べたが、生命維持システムや危険防御システムはしだいになくなるし、宇宙船を動かすのに燃料が必要となったり、惑星に拠点を構えるにもアイテムを揃えなければならなかったりと、さまざまな場面で資源が必要となるのだ。

　ただ資源集めを行うだけでは億劫にも感じるかもしれないが、そういうわけでもない。惑星には、先人たちが残したデータやアイテムボックスなどが無数に存在している。それらの回収に寄り道しながら、素材を集めているうちに、気付けば1時間以上探索しているなんてことも。

　ちなみに、資源集めはとっても簡単。便利アイテム“マルチツール”の出すビームで、欲しい物質を含む岩や植物などのオブジェクトを焼いていけば資源をゲットできる。なお、オブジェクトがどんな物質を含んでいるかは、“分析レンズ”や“スキャナー”を使えばすぐにわかる。分析レンズ・スキャナーで周りをスキャン→欲しい物があればマルチツールで回収の流れさえ覚えておけば、探索の基本はマスターしたといってもいいだろう。

　宇宙船も探索を語るうえでは外せない要素。宇宙船は、惑星内、宇宙空間といった広大な場所を素早く移動できる乗り物。アイテムを保管する倉庫的な役割もこなすうえ、目的地への移動もスムーズなので探索においては非常に頼れる存在だ。宇宙船は、墜落したものを修理したり、交易所にいる生命体と交渉し購入したりすると手に入れられる。

基地を確保して過酷な惑星を便利な我が家に

　着陸した星が生命の活動に適しているとは限らない。探索したい場所が極寒の地、灼熱の地、放射能や毒が溢れる地など、長くいると生命に関わるような星も数多く存在する。そんなときに活躍するのが“基地”。過酷な環境でも、床や壁、天井を設置して家を作れば安全な拠点として利用できる。

　建築に必要な床、壁、天井などのオブジェクトは、木製、石製、金属製の3種類に分かれており、自分の好みに合った質感の家も建てられる。ステッカーやポスター、フラッグ、家具などの装飾用アイテムもあるため、そういったものを駆使して、自分だけの家を建てるのも本作の楽しみかたのひとつだろう。

　また、基地では、プレイに役立つさまざまなオブジェクトも作成可能。アイテムを保管するコンテナ、基地と基地をつなぐポータル、宇宙船発着用の離着陸場などを配置していけば、過酷な環境も便利な拠点に早変わりする。

映画のようなSFアクションバトル

　広大な宇宙では、宇宙海賊、謎の機械生命体“センチネル”などの脅威に出くわし、戦うことも多い。

　宇宙海賊は、宇宙での移動中にトラベラーに襲いかかってきたり、星の交易所を襲ったりする厄介な存在。彼らとは基本的に宇宙船で戦うことになるのだが、戦闘機のドッグファイトのようなバトルが展開される。敵機の後ろを追いながらビーム兵器で迎撃するといったバトルは、SF映画さながらでかなり爽快。

　星の探索中に現れるセンチネルとは、マルチツールを使った銃撃戦が展開。ほかセンチネルを回復させたり、バリアを出したりなど、さまざまなタイプを持つ機械たちが存在。また、センチネルは、倒せば倒すほど強い個体を呼びだしてくるので、アクションゲームのウェーブ戦のように戦っていく感じとなっている。とくに四足歩行型の機械や巨大な人型の機械は、真っ向から戦ったらすぐ返り討ちにあうほどの難敵だ。

　なお、宇宙船やマルチツールの武器は、宇宙ステーションでの取引などで手に入るアップグレードモジュールを入れることで強化が可能。装備を万全にして、強敵たちとの戦いに挑んでみるのもよいだろう。

　先にも述べたが、宇宙船で銀河を光の速さで駆け抜けたり、未知の惑星を探索したりと、『ノーマンズスカイ』はSF好きにはとくにプレイしてみてほしい一作となっている。

　そんな本作だが、2016年のリリースから度重なるアップデートを重ねており、2021年にはグラフィックの大幅な改善も行われたりと日々進化し続けている。そして、ついにはNintendo Switchでも遊べるようになった。広大な宇宙の冒険に興味が沸いた人は、ぜひプレイしてみてはいかがだろうか？