2022年9月14日、“龍が如くスタジオ”の新作発表会が都内で開催された。『龍が如く』シリーズの新タイトル3作品が一挙明らかとなったイベントの模様をお届けする。
『龍が如く』シリーズは、2005年に初代作が発売されて以降、高いドラマ性と爽快なケンカバトルが魅力のアクションアドベンチャー、RPG。イベントの様子はYouTubeでも配信されており、世界中のファンがその内容に注目していた。
PS5『龍が如く 維新! 極』（Amazon.co.jp） PS4『龍が如く 維新! 極』（Amazon.co.jp）RGG SUMMIT 2022 ／ 龍が如くスタジオ新作発表会【音声修正版】
まずは龍が如くスタジオ代表の横山昌義氏が登壇。
「ようやく世界中の『龍が如く』ファンの皆様に、こういう形で報告できる日が来ました。新体制になって1年、あっという間だった気がします。スタッフもファンの皆様と同じくらいこの日を楽しみにしていました」と挨拶。
そして「今朝発表されたタイトルから見ていきましょう」という横山氏の言葉とともに、ステージのスクリーンに映像が流れ始めた。
『龍が如く 維新！ 極』はグラフィックの究“極”進化だけではない、意外な新情報も！
最初に映し出されたのは、当日の朝に発表された『龍が如く 維新！ 極』の映像。リメイクされたゲーム冒頭のムービーでは、雨に打たれる新選組の羽織に水の重さを感じさせられ、火花を散らせながら刀がぶつかるシーンはより緊迫感のあるものに。ひと目見ただけ映像の進化がわかった。
さらに、映像には幕末の英雄たちに扮する新たなキャラクーの姿も！ 配信を見た人の中には、新選組の幹部が集うシーンで“久瀬大作”（小沢仁志さんが演じる『龍が如く0 誓いの場所』のキャラクター）がいることに、驚かれた人も多いのではないだろうか？
そのほかにも、映像では『龍が如く0』から竹内 力さん演じる阿波野大樹と中野英雄さん演じる渋澤啓司、刑事の足立宏一やハン・ジュンギといった『龍が如く7 光と闇の行方』の面々も確認できた。
ここからや横山氏への質問コーナー。まずは、「なぜこのタイミングで『龍が如く 維新！』を“極”としてリメイクしたのか？」という問いに対し、
「幕末といった日本の歴史は難しいので、海外では売れないだろうという考えから『龍が如く 維新！』は日本国内のみで販売していました。ですが、思っていたよりも『龍が如く 維新！』を遊びたいと海外の方からの声が多く、2014年の発売からちょうど9年となる2023年2月22日に、皆様へお届けしたかったです」
と、制作に至った経緯を明かした。
今回、配役が一部変更となっている点については、もともとはシリーズの人気キャラクターが一堂に会するスピンオフ作品であることを意識しており、『龍が如く0』や『龍が如く7』といった2014年以降に登場した作品のキャラクターを含め、新たにキャスティングをしたとのこと。
さらに、横山氏は「最新版のオールスターキャストでお届けしたかった」という旨を語った。
竹内 力さん、小沢仁志さん、中野英雄さんがゲスト登壇。3人のエピソードトークが飛び出す！
横山氏が『龍が如く 維新！ 極』を一通り説明し終えると、武田観柳斎を演じる竹内 力さん、伊東甲子太郎役の小沢仁志さん、武市半平太役の中野英雄さんがゲストとして登壇。
早速トークが開始され、まずは竹内力さんに「今回のオファーを受けたときの気持ちは？」という質問が。竹内さんは
「『龍が如く』？ 久々だね。主役だろ？ ……はぁ、主役じゃない？ まあいいや、やろう！ 阿波野はあれだけ人気が出たから主役だと思ってたんだけどなぁ……って感じで、電話を受けました。今回また呼んでもらってうれしく思っております」
とマネージャーの方との電話を再現（？）しつつ、冗談交じりに語ってくれた。
続いて小沢さんが自身のYouTubeチャンネルで『龍が如く0』をプレイしていたことについての質問が。これに対し小沢さんは、『龍が如く0』で演じた久瀬大作とご自身の激闘を振り返りつつ、「『龍が如く0』の時も言ったんだけど、俺はあんなに顔怖くないし」とひと言。
すかさず竹内さんから「そう思ってんのアンタだけ」というツッコミが入り、小沢さんは「いちばんヤバいと思ったのは、下水道をバイクで走ってくるシーン（※）の顔……ヤバすぎて下向いちゃったもん」と、自身の演じる久世の形相に本人も怯えたそうだ。
※ 『龍が如く0』で逃走劇を繰り広げる桐生一馬を下水道に追いつめ、バイクでド派手な登場し1対1の激闘を繰り広げるシーン
最新作でも“顔面凶器”こと小沢さん演じる伊東甲子太郎から目が離せない。
中野さんには収録についての話題が投げかけられた。中野さんは、もとの『龍が如く 維新！』で武市半平太を演じた高橋克典の演技についても触れつつ、
「彼（高橋さん）の演技を参考にしたのですが、彼の演じるの武市半平太は完璧で改めてすごいなと……これはもう“裏切る”しかないなと思って、やらせていただきました」
と、収録時の胸のうちをあらわにした。横山氏からは
「中野さんのキャラは収録量がとにかく膨大で、丸々三日かけてやったんですよ。最近ではこの収録がいちばん印象深かったです」と語った。
中野さんが武市半平太というキャラクターと真摯に向き合うなかで、音響監督と「ここはこう演じたほうがいいのでは？」といったやり取りが多くあったそう。また、今回はアテレコでの収録ということで、口の動きとの合わせかたなど難しい部分も多かったそうだ。
そして話題は、ゲストのお三方が収録の際に龍が如くスタジオを見学されたときのお話に。竹内さんは「CGで描かれる筋肉の光沢の加減などがたいへんすばらしく、就職したいと思った」と『龍が如く 維新！ 極』の映像のすごさが印象的だった様子。
小沢さんは、フェイスキャプチャーを担当するスタッフのもとへ行き、自身のキャラクターの顔について「こんな顔を毎日見ていやじゃない？ もっとやさしい感じにしたら？」と持ち掛けたそう。しかし、スタッフからは「見慣れました」という回答が返ってきたとか。
中野さんは片っ端からグッズを探しては「これもらっていいですか？」と聞いて回り、大量のグッズをもらったされたそうだ。
なおその模様は、お三方のYouTubeチャンネルで近日公開されるとのこと。
最後に、それぞれファンに向けてメッセージを残し、竹内さん、小沢さん、中野さんはステージを後にした。
中野さんのコメント
武市半平太を、高橋克典さんとはまた違う感じだとい思いますけど、僕なりに一生懸命“裏切るように”やらせていただきました。楽しみにしていてください。
小沢さんのコメント
また“極悪”でやらせてもらいました。その極悪度合がどれくらいになってるか、どれくらい顔が怖くなってるか。そのあたりを楽しみにしてプレイしてもらえればと思います。
竹内さんのコメント
昔は爽やかな役柄のお芝居でやらしていただいたのですが、今回はそのときのようなすごくまじめなキャラクターです（横山氏は「嘘です」とひと言）。皆さん、『維新 極』ブチっと！ 遊んじゃってください！
『龍が如く8』は桐生一馬×春日一番のダブル主人公！
竹内さんらが降壇すると、続いてはふたつ目のタイトル『龍が如く8』についての映像が流された。
神室町の路地を歩いてくる春日一番らしき人物と、その隣にはもうひとり別の人物が。ふたりは手前に向かって歩いてきて、それと同時に聞き覚えのあるキャラクターたちの声が流れている。
しだいにふたりのシルエットが鮮明になってくる。特徴的なパーマの男はやはり春日一番で、隣の男は髪を下ろし白髪になった桐生一馬であった。
黒田崇矢さんと中谷一博さん登壇！中谷さんからは良い意味で「とんでもないものになってます！」とのコメントも！
ここからは、ゲストとして桐生一馬役の黒田崇矢さんと、春日一番役の中谷一博さんが登壇。横山氏は今回の『龍が如く8』について、桐生と一番のダブル主人公であることを発表。ジャンルについては前作と同じくRPG形式であることもあわせて発表した。
龍が如くスタジオでは、ジャンルを決める際に“ストーリーに沿って決める”という方針があるそうで、『龍が如く7』では、主人公の春日一番が仲間とともに成長していく物語であるためRPGになった。今回の『龍が如く8』についても、春日一番や桐生一馬が仲間たちとともに目的に向かって進んでいく物語であるため、RPGというジャンルを継承したそうだ。
また、仲間とともに進んでいくということに関して、横山氏は「それって桐生っぽくないって思う人も絶対にいると思います。ですが、それについてもちゃんと理由が描かれていきますので、そのあたりについてはいろいろとご想像いただければなと」とコメントした。
ここからは黒田さんと中谷さんを交えて、さらにに掘り下げたトークが行われた。まずは黒田さんが、ふたたび主人公として出演することについて「毎回最後だと思って演じさせてもらっているので、今回また新たにダブル主人公として出させていただけるのが非常にうれしいです」と喜びのコメント。
収録状況についてはまだ途中段階ということだが、それでもかなりの量を収録されているのだとか。現場ではおふたりに、同業の方々からそれとなく『龍が如く』新作についての“探り”が入るそうで、黒田さんは「大人として、しゃべらないように気を付けてます」と笑いながら話された。
中谷さんはそんな『龍が如く8』について
「もう言っちゃいけないことだらけで……何をチョイスして話したらいいのかわかりませんが、いち『龍が如く』ファンとして言わせてもらうと“とんでもない”です！ もうそれしか言えないです。モーション班の人たちとも、ここの△△は、××だよね！ という感じでファンとして没頭できるストーリーになってます」
と、非常に熱い思いを打ち明けた。
発売日については「2024年である」と横山氏があらためて明言。さらに「まだ1年以上先になりますが、（2024年の）早い時期で出せそうです」とうれしいコメントも聞くことができた。
桐生一馬は『龍が如く7』でも一部登場していたが、桐生の物語は『龍が如く6』で完結していたはず。なぜ再び主人公として登場することになったのか？ という点について聞かれると、横山氏は
「本作は過去をすべて背負った男と、未来をすべて背負った男の物語であり、そのうえで桐生に出てもらう必要がありました」
と本作のテーマを説明。そして
「『龍が如く6』後の桐生は何をしていたのか。そして、どこへ行っていたのか気になりますよね？」
と会場へ向かって問いかけると、新たな映像が突如映し出された。
映像には“大道寺”というお寺が映っており、そこには出家し、座禅を組む桐生一馬の姿が。桐生一馬としての存在を捨てたものの、俗世への未練が残る様子で、桐生の“仕事”の管理を請け負うという人物も登場。多くの謎が残るのなか、さらなる最新作『龍が如く7外伝 名を消した男』がお披露目となった。
この『龍が如く7外伝 名を消した男』は、『龍が如く6』から『龍が如く7』にかけての桐生一馬の空白期間を描き、『龍が如く8』へとつながる作品。
ジャンルについては桐生一馬の単独主人公であり、ジャンルはアクションであることも発表された。名言はされていないが横山氏からは“スタイル”という気になるワードも。もしかすると『龍が如く0』以来、久々となるバトルスタイルを切り替えながら戦うシステムが復活するのかもしれない。続報が気になるところだ。
外伝ということで、話のボリューム的には通常のナンバリングタイトルの半分ほどのコンパクトなストーリーボリュームとなるそう。しかし、街遊びやミニゲームなどは新しい形で登場すると横山氏は語った。
本作を制作することになった経緯としては、シリーズをこれまで遊んでいた人の「桐生一馬は裏でなにしてたのか？」という疑問を解消すると同時に、『龍が如く7』から始めた人にも、桐生一馬という男を理解してもらうという狙いがあったそう。
2023年のどこかのタイミングでの発売ということで、2023年2月22日発売予定の『龍が如く 維新！ 極』と合わせて年内に2本の作品が遊べるのはうれしいサプライズだ。
終わりの時間も迫り、最後に黒田さん、中谷さん、横山氏がファンへ向けてメッセージを送った。
中谷さんからのメッセージ
『龍が如く7』で春日一番を受け入れていただいたおかげで、ふたたび一番を演じることができます。情報については今後どんどん出てきますし、すごいボリュームになっています。桐生一馬のことを「桐生さん」と呼べる幸せ、ファンの方ならわかっていただけるかと思います。この幸せをゲーム本編で皆さんにお伝えしたいです。
黒田さんからのメッセージ
『龍が如く 維新！ 極』や『龍が如く7 外伝 名を消した男』、言えないことがまだ多いですが、私自身も楽しみですし、皆さんにも楽しめる形になっていると思います。『龍が如く8』では長年演じさせていただいた桐生一馬がまた年月を重ね、いままでとは違う戦いかたをしてると思うので、ぜひ期待してください。
横山氏からファンの皆様へ
初代作の発売から20年近くの期間を経て、いろいろ変化がありましたが、代わっていく『龍が如く』を感じてもらえるとうれしいです。
まずは『龍が如く 維新！ 極』が発売され、続いて『龍が如く7 外伝 名を消した男』、その先に『龍が如く8』と、開発は順調に進んでいて、ボリューム・クオリティにおいても過去の『龍が如く』を超えられるものを作れると思っています。
東京ゲームショウ2022などで実際に手に取っていただいて、龍が如くスタジオの進化を感じ取っていただければと思います。これからも龍が如くスタジオをよろしくお願いいたします。
発表会後の写真撮影では、竹内 力さんがさまざなポーズをノリノリで披露するお茶目な一面も。終始笑顔の絶えない雰囲気で新作発表会は幕を閉じた。
なお、『龍が如く 維新！ 極』は現在開催中の東京ゲームショー2022で試遊プレイ可能。会場に足を運ばれる方は、進化した『龍が如く 維新！』をひと足先に体験してみてはいかがだろうか？
