2022年8月13日~8月23日のトレンドワードにスポットを当てていく本稿。今回は、8月13日にトレンド入りした『クックロビン音頭』に注目してみました。『クックロビン音頭』とは何か、なぜ令和の世にトレンド入りしたのか? ことの経緯を含めてご紹介します。

昭和のアニソンがなぜ令和の世に?

 発端となったのは、2022年8月12日に開催された神田明神納涼祭りの名物“アニソン盆踊り”。文字通り新旧アニメソングによる盆踊りを取り入れたイベントで、祭りは17時30分~21時までおこなわれました。

 会場に『ドラえもん音頭』や『サンシャインぴっかぴか音頭』、『ハムハムON-DO』などのアニソンが流れる中、数あるうちのひとつとして登場したのが『クックロビン音頭』。とある祭り参加者がそのときの様子をTwitterに投稿したところ、「令和に『クックロビン音頭』だと……!?」、「盆踊りで『クックロビン音頭』はすばらしいセンス(笑)」などと大反響が巻き起こる事態に。そこからじわじわとツイート数を伸ばし、8月13日にトレンド入りを果たしたのです。

 そもそも『クックロビン音頭』とは、1978年11月からいまなお連載が続き、2016年からは加藤諒さん主演で舞台化もされているご長寿マンガ『パタリロ!』に登場するギャグのひとつ。

 「誰が殺したクックロビン♪」というやや物騒な歌詞とともに、両手を鋭く前方へ突き出し、頭を下げ片足を後方へ下げつつ大きく上げるという独特のポーズが特徴です。1982年放送のテレビアニメ化に伴い作曲がなされ、のちにアニメのエンディングテーマに採用されました。

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 ちなみに『クックロビン音頭』の“だーれが殺したクックロビン”というフレーズは、イギリスの伝承童謡集『マザーグース』に収録されている“Who Killed Cock Robin?”という詩から引用されたもの。

 萩尾望都先生が描く『ポーの一族』シリーズの1篇『小鳥の巣』でこの詩が使われており、そこから着想を得て生まれたのが『クックロビン音頭』だったそうです。

 そんな昭和のアニソンが令和の世にトレンド入りした今回の一件。夏の良き思い出として、多くの人の心に刻まれたことでしょう。

Twitterで“クックロビン音頭”を検索