現在アマゾンプライムビデオでは、近未来SFアニメの金字塔『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』が配信されています。本作の監督を務めるのはご存知、アニメ界の巨匠・押井守監督。その緻密な映像や作り込まれた世界観、“人間の本質”を問う普遍的なテーマなどは、国内外のSF映画に多大な影響を与えてきました。

 いったいどんな物語なのか、今回は『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の魅力に迫ります。

※以下、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』のネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください!

『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊(レンタル版)』(アマゾンプライムビデオ)

 1995年に公開された本作は、士郎正宗先生のSFコミック『攻殻機動隊』を原作にしたアニメーション映画です。その人気は海外にも及び、『ビルボード』誌の全米セルビデオチャートでは第1位を獲得。のちに多くの作家や映画製作者にインスピレーションを与え、あの大ヒット映画『マトリックス』もインスパイアされたとして知られています。

 物語の舞台は西暦2029年。高度に発達したネットワーク社会において、コンピューター犯罪やサイバーテロが日常化した時代です。

 警察では対処できなくなった犯罪に拮抗するべく、ある超法規特殊部隊が結成されました。その名も公安9課、通称“攻殻機動隊”。攻殻機動隊に所属する草薙素子が本作の主人公で、彼女が謎のハッカー“人形使い”を巡る捜査に乗り出すところから物語は展開していきます。

長編アニメ『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』は難しい、けどおもしろい? 映画『マトリックス』にも影響を与えた近未来SFアニメの金字塔【アマゾンプライムビデオおすすめ】
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』Production I.G公式サイトより

 さて、前もって説明しておくと本作はなかなか難しい作品です。登場人物たちが口にする情報も多く、舞台設定などを知らずに視聴すると完全理解するのは不可能といっても過言ではありません。

 ……にも関わらず、作品世界に惹き込まれてしまうから不思議です。

 本作を語るうえでまず知っておきたいのが“義体化”という用語。義体化とはいわゆる“サイボーグ”のことを指しており、登場人物の多くが身体ないしは身体の一部を機械化させています。

 ある者は手を義体化させて仕事の処理速度を極めたり、またある者は身体を義体化して運動能力を向上させたり。ほかにもコンピューターネットワークに脳を繋ぐ“電脳化”という技術もあり、通信用として脳の一部を電脳化している者もいます。

長編アニメ『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』は難しい、けどおもしろい? 映画『マトリックス』にも影響を与えた近未来SFアニメの金字塔【アマゾンプライムビデオおすすめ】
『攻殻機動隊』Information Siteより(V-storage)

 いっぽう主人公の素子はというと、脳と脊髄の一部を除く全身義体のサイボーグ。ゆえに超人的な能力を有していますが、その一方で“いまの自分は電脳と義体で構成された模擬人格なんじゃないか”、“自分が自分であると何を根拠に信じればいいのか”などと葛藤を覗かせることも。

 身体の大部分を機械に置き換えた場合、それを人間とする根拠はいったい何なのか――。そんな哲学的な内容を含んでいるところも、魅力のひとつといえるでしょう。

 果たして素子に待ち受ける物語の結末とは!? 世界の多くのクリエイターに影響を与えた本作、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

※Amazon Prime Videoの配信情報は記事制作時のものです。

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