2022年8月6日、7日に、京都市勧業館 みやこめっせにて開催された日本最大規模のインディーゲームの祭典BitSummit X-Roads(ビットサミット クロスロード)にて、取材陣が見つけた気になるタイトルをピックアップ。本記事ではイラストレーター/コンセプトアーティストのリアス氏が手がけるオリジナルゲーム『狐ト蛙ノ旅 アダシノ島のコトロ鬼』をご紹介!
『狐ト蛙ノ旅 アダシノ島のコトロ鬼』は探索パートと、敵から逃げる鬼ごっこパートが魅力の3Dアドベンチャーゲーム。今回展示されていたデモ版では、物語の主人公となるキツネが、謎多き不思議な島“アダシノ島”にたどり着いた所から展開される物語を体験することができました。
舞台となるアダシノ島は、鳥居や灯篭などの古きよき和のモチーフが散りばめられた、うす暗くて不気味な雰囲気が漂う島。昔の日本の街並みのようで、でも異質な雰囲気も感じる不思議な空間となっていました。なぜこのような和のテイストを押し出した作品にしたのか、開発者のリアス氏に尋ねると、「日本人として日本の文化にずっと触れてきたことは自分の強みであり、海外のゲーム開発者にはなかなかできないこと」という考えがあったそうで、日本の文化を基にした世界観を構築していったそうです。
そんなアダシノ島には、黒い靄がかかった場所があり、島の各所に配置された祠に光を灯していくことで靄が消え、道が開かれていくといった要素も体験。このシステムは探索パートの肝となっていきそうです。
そして、デモ版を進めていくと、“コトロ”と呼ばれている鬼が登場。突如主人公に襲い掛かるコトロとの“鬼ごっこ”が始まります。もちろん、このお面を付けた恐ろしいコトロに掴まるとゲームオーバーですが、キツネは鬼の動きを一時的に止めることができる“キツネの光”を使うことができ、これを鬼に当てながら逃げるというのが重要なシステムとなっているようです。不気味なアダシノ島の雰囲気も相まって、じわじわと距離を詰められる鬼ごっこはまさに鬼気迫る体験となっていました。
猫のような耳を生やした少女“ペル”の助けもあり、鬼を巻いたキツネは旅館にたどり着きます。布団の上で休むキツネのデモシーンが流れ、とりあえずはひと段落……と思いきや、近くの能面がだんだんと鬼の形相に変わっていく、不穏な演出でデモ版は終了。まだしばらく、キツネに休息の時間はないようです。
SteamとSwitchでの発売を目指し、現在は5人のメンバーで開発が進められている本作。全体の約30パーセントぐらいが完成しているとのことですが、今後は鬼ごっこにもいろいろな鬼を実装予定で、そのほかの遊びなども想定されているそうです。