トイロジックとSkybound Gamesは、Nintendo Switch、プレイステーション5(後方互換機能)、プレイステーション4、PC(Steam)用ソフト『グリッチバスターズ:スタックオンユー』(以下、『グリッチバスターズ』)を、2022年冬に発売する。

 本作は、最大4人参加の協力プレイ型シューター。大都市や荒れ狂う火山など、インターネットをモチーフにした6つのワールドを舞台に、プレイヤーはレスキューチームとして仲間と協力しながら凶悪なコンピューターウイルスに立ち向かう。

『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
初公開された新ロゴ

 そんな本作のメディア向け体験会が開催。体験会では、本作の醍醐味である4人協力プレイを体験することができたのでその模様をお届けする。

磁力を駆使したアクションがユニークで楽しい!

 今回体験できたのは、高層ビルが立ち並ぶ近代的な街をイメージしたステージ。プレイヤーはステージ内に登場する敵を銃で倒しつつ、各所に存在するギミックを突破しながら、最奥に待ち受けるボスを倒すことがクリアー条件となる。

『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
プレイヤー(操作するキャラクターの名前は、チューバ―くん)たちの拠点。画面中央の射出座席のようなところに4人が並ぶことでステージに出発する。本作は4人協力プレイのタイトルなので、ソロプレイの場合ではNPC3人がといっしょに行動することになる。画面右の女の子はアナで、ゲームにおけるアドバイザー的な役割を務めている。
『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
今回体験できたステージ“チューブシティ”。屋外ビジョンには配信者たちによる動画のサムネイルが表示されているが、その一部は、トイロジックのスタッフたちが配信者に扮して撮影したものが使用されているとのこと。

 本作最大の特徴は、磁力を駆使したアクション。プレイヤーの身体の一部はU字磁石となっており、磁力を使うことが可能。これにより、仲間にくっついたり、弾いたりすることができる。この磁力をうまく扱えば、ほかのプレイヤーに乗っかって連結し、高い場所にある鍵を手に入れて閉ざされている扉を開放したり、磁力で壁にくっついてよじ登ったり、仲間にくっつくときに発生する引力を利用して敵にタックルして気絶させたり……と、多彩でユニークなアクションが行える。

『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
ほかのプレイヤーと連結したときには、それぞれの体を伸ばすことも可能。そうすることで、バリアで覆われている敵の上から攻撃を与えられる。

 これらの磁力を駆使したアクションは、他プレイヤーに影響を与えるものばかりなので、磁力によるアクションを使いこなすことが、自然と4人での協力プレイに繋がっているのがおもしろい。複数人による連携が必要な場面では、「ここに集まって!」と実際に声掛けをしながらプレイすることで、わちゃわちゃと盛り上がれるのも楽しい。

 体験会では他メディアと合同でのプレイだったが、初対面ながら自然と声を掛け合いゲームをプレイできたので、家族や友人とのプレイでも、間違いなく盛り上がれる作品だと思う。なお、「集合!」というような定型文のチャットも用意されているので、遠く離れた友人とインターネットで遊ぶ際に、直接声掛けができない場合でも安心だ。

『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
プレイヤーが使用できる銃は、ゲーム内の宝箱から入手できる。銃の数も、アサルトライフルやショットガンなど、かなり豊富に用意されているので、自分好みの銃で戦えるのもうれしい。
『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
エリア最奥で待ち受けるボス。道中に登場する敵とはひと味もふた味も違う強敵だが、4人で協力しながら無事撃破できたときの達成感はひとしお。本作では、キャッチーながら手ごわいボスが多数登場。彼らとのバトルもまた魅力のひとつと言える。
『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
横スクロールで進行するステージも登場。つぎつぎと迫りくる敵や障害物を避ける必要があるため、通常のステージよりも円滑な連携が必要となる。

【インタビュー】みんなで話しながら楽しめて、見ている人も楽しめる作品にできたらいいなと意識した

 体験会終了後は、開発ディレクターを務める落合勇介氏へのメディア合同インタビューの場が設けられた。ここでは、その模様をお届けしよう。メディアからの質問が多岐にわたったため、一部の質問に対しては、リードプロデューサーである西井良哉氏にお答えいただいている。 

落合勇介氏

トイロジック。『グリッチバスターズ:スタックオンユー』開発ディレクター。

西井良哉氏

トイロジック。『グリッチバスターズ:スタックオンユー』リードプロデューサー。 

――本作は、コンピューターウイルスに支配されたインターネットが舞台と、ユニークな世界観となっていますが、この世界観となった経緯を教えてください。

落合本作の企画を立ち上げる際に、敵がたくさん出てくるゲームにしようと決めました。そして、たくさん敵が出てきて退治するゲームを作ろうとしたときに、いまの子どもや大人みんなが嫌なことは何かと考えると、ネットが変わってしまうことが嫌だろうなと思いました。ですので、コンピューターウィルスが敵になるのはピッタリなのではと考え、本作の世界観が決定しました。

――たくさん敵が出てくるシステムを作ろうと考えた理由は?

落合複数人で遊ぶゲームを作ろうと考えときに、たくさん敵が出てきて、いろいろなところでいろんなことが起こっている状況を作ったほうが、コミュニケーションも取れて楽しいかなと思ったのが理由です。

――コンピューターウイルスをモチーフにするにあたって、どのようにウイルスを敵として登場させて、それをゲーム性に落とし込もうと考えたのですか?

落合まずは、敵がどんどん沸いてくるシステムを用意しようと考えました。その中で、液体のような形のものや、病原菌のような形のウィルスが出てくるようにしようと決めたんです。

――近年の協力プレイ型の作品では、対戦的な要素があるゲームも多いと思います。本作では、プレイヤーどうしで対戦させるような要素を入れようとは考えなかった? それとも、今後の開発で入れてみようと想定されている?

落合本作は、ほかの人とわいわい話しながら協力して遊べるゲームとして企画しましたので、対戦要素は企画段階からありませんでした。

――本作をプレイして、すごく配信に向いたタイトルだなと感じました。配信映えするゲームを作ろうということは意識されましたか?

落合そうですね。世の中的にゲームの配信が流行っていて、それを見ている方はたくさんいて、私もそのひとりです。ですので、みんなで話しながら楽しめて、それを見ている人も楽しめる作品にできたらいいなと意識して制作していました。

――公式サイトやプレスリリースでは、家族や友人とカジュアルに遊べつつ、コアゲーマーもしっかりと楽しめるとの記載がありましたが、コアゲーマーに向けたやり込み要素などはありますか?

落合本作では、ランダムで敵が沸いてくる生成の仕組みがあるのですが、そこの設定をプレイヤーのほうで決めることができます。その際、より強い敵が出てくるように設定したり、敵の沸く頻度や数を多くしたりすることも可能です。そうして、より難しく設定したステージにチャレンジしてクリアーすると、プレイヤーの見た目をカスタマイズできるアイテムなどが通常時より多くもらえるようになります。ですので、より高い難易度のステージにチャレンジして、プレイヤーさんたちどうしのチームワークを試すのもおもしろいかなと思います。

『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
いずれ劣らぬユニークなボスキャラたち。

――ステージは、ある程度自分好みに作れるのですか?

落合出現する敵を決めたり、ステージ内で入手できる武器を設定できます。

――カスタマイズ要素は、プレイヤーの見た目のみ?

落合そうです。アンロック要素で言いますと、先ほどの話にあった、ステージ内に出現する敵を決める際に、選べる敵の種類などをショップのほうで開放できるようになっています。

――キャラクターデザインが非常にユニークですが、今回のテイストに決定するまでに、試行錯誤はされたのでしょうか?

落合かなり試行錯誤しました。まず前提として、プレイヤーの皆さんが覚えやすいように、簡単に落書きが描けるぐらいのシンプルなキャラクターにしたいと考えました。その中で、当初は警察官や救助隊のようなアイデアなどが出ていました。ですが、できるだけシンプルにしたいという思いから、削ぎ落としていった結果、顔だけのデザインになったタイミングがあったんです。そのときに、絵文字のようなデザインなら、ネットのキャラクターとしてもピッタリなのではないかと考え、いまの形になり、そこに体づけを行っていきました。

――キャラクターデザインは、マンガ家のしりもと先生が担当させていますが、起用の経緯は?

落合しりもとさんには、私がお声掛けさせていただきました。理由としては、私がしりもとさんのWebマンガのファンということと、そして非常に特徴的かつシンプルな線を描かれる方だと思ったからです。

――先ほどの、警察官や救助隊のようなキャラクターのデザインもしりもとさんが描かれていた?

落合はい。非常にたくさんかわいいイラストを描いていただきました。

西井予約特典などで、しりもとさんに描いていただいたイラストなどをお出しできたらなとは考えています。

『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
『グリッチバスターズ:スタックオンユー』キーアート

――本作の開発期間と、開発中に苦労した点などはあれば教えてください。

落合約2年ほど前から、最初の企画の立ち上げとプロトタイプの制作を、私ともう1名で行っていて、その期間が長かったような感覚です。プロトタイプが完成して、ある程度ゲームの仕組みを作ってから約1年半ほど、実際にスタッフを入れて開発を行っている状況です。

 苦労した点ですと、ゲームの根本の仕組みをどこまで作り込んだら製品としてお出しできるラインに載るかを見極めるのがたいへんでした。その際、クオリティーアップのために作り直しなども発生したので、苦労しました。ですが、いろいろなバリエーションのコンテンツを開発し、実装しているいまの段階もけっこうたいへんです(笑)。

――本作のリリース後に、アップデートでステージの追加などを行う予定はありますか?

落合ゲームバランスの調整などのアップデートは行うと思いますが、コンテンツの追加などは、現状決まっておりません。ただ、何かやりたいなとは考えています。

西井ゲームの発売が年内ですので、いまはそちらに集中している状況です。リリース後にたくさんのプレイヤーさんに受け入れていただけたら、その思いに応え、たくさんコンテンツを追加したいと考えています。

――プラットフォームがSwitch、PS4/PS5、PC(Steam)となっていますが、異なるプラットフォーム間でのクロスプレイには対応していますか?

落合クロスプレイには対応しておらず、今後のアップデートでも対応予定はありません。同じハードの方といっしょにプレイしていただければと思います。

――Skybound Gamesさんをパブリッシャーとして選んだ理由を教えてください。

西井本作は、日本のみならず、全世界をターゲットにしています。トイロジックのみでは海外展開は難しいので、それが可能な会社さんを探していました。その中で、Skybound Gamesさんにお声掛けさせていただき、『グリッチバスターズ』をたいへん気に入っていただけたということもあり、海外でのパブリッシングをお願いしました。日本における宣伝や販売展開は弊社が担当しています。

――ちなみに、現段階でSkybound Gamesさんと組んでよかった点などはありますか?

西井Skybound GamesさんはSkybound Entertainmentの一部門ですが、Skybound Entertainmentではアメコミや映像作品など、ゲーム以外の展開もされています。本作は弊社の大事なIPですので、しっかりと育てていきたいという思いがあります。そして、将来的にアニメやグッズ展開なども行っていけたらと考えていましたので、ゲーム以外の展開を特異とするSkybound Entertainment、そしてSkybound Gamesさんにお願いした部分もあります。

 また、海外で本作を展開していくにあたって、Skybound Gamesさんの力は非常に大きく、6月に海外で“Summer Game Fest 2022”開催されましたが、そこでSkybound Gamesさんに出展していただき、落合も現地で宣伝を行うことができました。弊社ではできないことですので、そういった意味では、海外での宣伝において、すでにお力いただいている状況です。

――他作品とのコラボ展開などは予定されていますか?

落合コラボができたらうれしいですが、本作独自の世界観を含め、まずは『グリッチバスターズ』を楽しんでいただけたらと思います。

――本作をプレイする方に注目してほしいポイントはありますか?

落合キャラクターのデザインがとてもユニークですので、表情の変化などに注目していただけると、キャラクターへの愛着も沸くかなと思います。

西井本作のプレイヤーキャラクターは絵文字がモチーフとなっていますが、どの角度から見ても2Dの絵文字っぽく見えるようなモデルとなっていますので、そこに注目していただけるとまた楽しいと思います。

――では最後に、本作の発売を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

落合本作は、みんなであーだこーだ言いながら、じゃれ合いながら遊ぶのが楽しいゲームかなと思いますので、ぜひ仲のいい友だちやご家族といっしょに遊んでいただけたらうれしいです。

『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行レビュー&インタビュー。磁石の力を駆使したアクションシューターは、最大4人による協力プレイがハチャメチャでユニーク
『グリッチバスターズ:スタックオンユー』の開発ディレクター落合勇介氏。ちなみに手に持っているのは、会社で作ったという人形。いずれこんな人形が製品化されるようになる?