現在アマゾンプライムビデオでは、細田守監督の劇場アニメーション3作品を配信中。『おおかみこどもの雨と雪』や『バケモノの子』といった名作が並ぶ中、今回は2009年公開の大ヒット作品『サマーウォーズ』に注目してみました。
※以下、『サマーウォーズ』のネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください！
『サマーウォーズ』（アマゾンプライムビデオ）細田守監督作品『時をかける少女』のスタッフが贈る、ひと夏の青春物語『サマーウォーズ』。本作はインターネット上の仮想世界“OZ（オズ）”と、そのOZとリンクする現実世界を物語の舞台としています。
OZでは自分の分身となる“アバター”の設定が必要で、職業についている人なら現実世界と同じ権限をOZ上で持てます。たとえば消防士なら現実世界の緊急発動令をOZから発令できるように。水道局員であれば、現実世界の水道管理をOZから行えるのです。
このようにOZと現実世界は密接につながっているため、アバターが盗まれると世界は大混乱に見舞われます。だからこそ人々の個人情報はOZの世界一高度なセキュリティによって守られていたのですが、そのセキュリティを突破するための暗号を知らず知らずのうちに解いてしまったと思われる人物が――そう、主人公の小磯健二です。
おかげでOZの世界は無法地帯と化し、OZとリンクする現実世界も大パニック。おまけに健二のアカウントはまったく使えず、OZにアクセスすることすらできません。果たして健二は無事に事態を収束できるのか、ここから人類の未来を賭けたひと夏の戦いが幕を開けます。
本作は“OZ”というハイテクなデジタル世界を扱いながら、リアルの世界では長野にある田舎の地方が物語の舞台になっています。そしてその田舎にあるのが、武家の血筋を受け継ぐ旧家・陣内家。作中には陣内家の関係者総勢27人が登場し、そんな個性豊かな面々も本作の魅力のひとつです。
中でも特筆したいのが、陣内家の大黒柱・陣内栄。彼女はヒロイン・篠原夏希の曾祖母にあたり、まもなく90歳になるおばあちゃんでありながら年齢を感じさせないバイタリティにあふれています。また、政財界に幅広い（謎の？）人脈を持っており、世界が大混乱に見舞われた際には関係各所に片っ端から電話をかけて励ましの言葉を送っていました。
「ここでがんばらないでいつがんばるんだい？」
「諦めなさんな。諦めないことが肝心だよ」
「あんたならできる。できるって！」
じつは彼女の存在こそがヘタレな主人公が成長するきっかけとなり、ひいては陣内家が一致団結して世界の危機に立ち向かう要因にもなっています。
夏が来るたびに観たくなる、ど派手でエンタメ感満載の夏の闘い。気になる結末はぜひ本編を確認してみてくださいね。
※Amazon Prime Videoの配信情報は記事制作時のものです。
