2022年2月10日に満を持してリリースされたスマートフォンゲーム『ヘブンバーンズレッド』(以下、『ヘブバン』)。泣ける切ないストーリーと個性的なキャラクターがユーザーに好評を博し、SNSを中心に話題に。配信開始から3日で100万ダウンロードを突破するなど、サービス開始直後から大きな盛り上がりを見せた。そんな本作は、2022年5月20日にサービス開始から100日を迎えた。

 本稿では、リリース100日を記念して、『ヘブバン』のキャラクターデザイン・メインビジュアル・キャラクター原案を手掛けるゆーげん氏へのインタビューをお届け。ファンが愛してやまないキャラクターや美麗な部隊ビジュアルの制作秘話、週刊ファミ通 2022年6月9日号の表紙を飾った100日記念イラストのコンセプトなどをうかがった。

※インタビューは4月中旬に実施しました。

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『ヘブバン』ゆーげん氏インタビュー。一部キャラ原案も担当し、部隊ビジュアルにはネタを仕込み――麻枝 准作品はイラストレーターとして培ってきた人生を変えるプロジェクトだった

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ゆーげん氏

フリーのイラストレーター。おもな代表作は、コーエーテクモゲームスの『アトリエ』シリーズやYostarの『アズールレーン』など。文中ではゆーげん。

イラストレーターとしての人生を変えたプロジェクト

――『ヘブバン』がリリースされてから100日が経とうとしていますが、いまの率直な感想をお聞かせください。

ゆーげん『ヘブバン』には、約5年にわたって携わっていたので非常に感慨深いのですが、じつはうれしいという気持ちはあまりなくて。もちろん、セールスランキングで1位に輝くなどうれしいできごとはたくさんありましたが、『ヘブバン』というブランドを作っていくとき、サービス開始から半年~1年間は試される時期と言いますか、ユーザーの皆さんに『ヘブバン』のことをより好きになってもらう期間であると考えています。ですからうれしいという感情よりも、身が引き締まる思いのほうが強いです。

――ゆーげんさんが『ヘブバン』の開発チームに参加されて、もう5年も経つのですね。

ゆーげんリディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士~』(2017年12月発売)の開発が終わった後に『ヘブバン』の開発がスタートしたので、それぐらい経ちますね。イラストレーターという概念を超えてキャラクターデザインや世界観設定を企画からいっしょに考えていけたのは、ものすごく大事な一歩だったと思います。ただ、Wright Flyer Studiosさんに声をかけていただいたときは光栄でしたが、最初は断ろうと思ったんですよ(苦笑)。

――え! それはまたどうして?

ゆーげんCLANNAD』や『リトルバスターズ!』などはプレイしていましたし、アニメも観ていたので、麻枝さんとその作品は大好きでした。ただ、好きだからといって僕が力添えできるとは限りません。Keyさんや麻枝さんの作風がスマートフォンゲームにフィットするイメージがあまり湧かなかったというのもあります。それで参加するかどうか迷いましたが、柿沼さん(柿沼洋平氏。本作のプロデューサー)やスタッフの皆さんと議論を重ねる中で、この人たちといっしょにやりたいという気持ちが芽生え、プロジェクトに参加することを決めました。

――柿沼さんたちに心を動かされたんですね。

ゆーげんそうですね。最初に集まったメンバーは10人ぐらいだったと思いますが、本当におもしろい人たちばかりで。みんな優秀ではあるんですけど、柿沼さんが手を焼くほどとがったメンバーが揃っていて(笑)。僕はそれがとても楽しかったので、たいへんなこともたくさんありましたが、乗り越えられましたね。

――このメンバーとなら、がんばっていけると。

ゆーげんはい。麻枝さんとともにゲームを作る以上、Wright Flyer Studiosさんとしても妥協ができなかったかと思います。「全員でよりよいものを作ろう」という気持ちがみんなにあったからこそ、経費や時間という壁をこえた形でいいものにできたのかなと、いまちょっと誇りに思っています。

――麻枝さんの名を冠した作品になることに、重みがあったのですね。

ゆーげん読んでもらえれば、麻枝さんの作品なので間違いなくおもしろいんですよ。ですが、読んでもらえるかは僕ら次第なんです。たとえると……お弁当のパッケージを見て、お弁当の中身がおいしいかなんてわからないじゃないですか。ですので、まずはパッケージを開けてご飯を食べてもらわないといけない。「開けてみたい」と思ってもらうまでが僕らの仕事で、責任はすごく大きかったです。麻枝さんが今後どういう評価をされていくかも、やはりそのパッケージを担う我々にかかっていたので、つねに完璧な仕事を目指して奔走してきました。

――5年間ほど試行錯誤をくり返して制作してきたわけですが、皆さんの方向性が見えてきたのはいつごろだったのでしょうか?

ゆーげん最後の1年です。それまではずっと作り直し続けていました。麻枝さんやビジュアルアーツさんがシナリオを作り、そのシナリオをもとにWright Flyer Studiosさんがゲームを作る。この制作体制の関係上、完成してみないとそれが本当にいいものなのかどうかを判断できないという状況でした。ほぼ完成形まで作ってから見ていただいて、違ったら直すというくり返しがけっこうあって。関わってた人間がどれだけ苦労したかは、言葉では言い表せない5年間だったと思いますね。

――とくにたいへんだったエピソードは?

ゆーげん50人以上のキャラクターを何度も描き直したことですね。キャラクターの方向性がしっかり固まったのもリリースまであと1年くらいのタイミングだったと思います。それまでは何度も描き直していました。というのも、麻枝さんは頭の中に役者が住んでいて、その役者がいろいろな動作をしてストーリーを展開していく方なので、イラストのイメージがちょっとでも違ったり雑味が入っていたりするとオーケーがもらえなくて。それにスマートフォン向けの作品に合った描きかたも要求されたので、これはイラストレーターとして培ってきた人生を変えないといけないプロジェクトだと覚悟しました。

――『アトリエ』シリーズのイラストと比べて、『ヘブバン』のイラストは具体的にどこが変わっているのですか?

ゆーげん『アトリエ』シリーズに関わっていたときは、線がものすごく大事だと思っていたんです。マンガのように、1本の線だけでも感情を表現できるイラストが至高だと考えていて、今後もこの作風でいこうと決めていましたが、スマートフォンゲームでは背景の色がはっきりしているケースが多いので、線がかっちりしたイラストを求められるんです。手描きではなく、CGで描いたような線で、肌にもしっかりグラデーションをかけたようなものですね。でも、僕はグラデーションをかけて塗るのが好きではなかったので、初期のアートディレクターの方とよくぶつかりました(苦笑)。落ち込むたびに、「それでも、このプロジェクトを完成させるんだ」と、気持ちを新たにしてがんばりましたね。

――お互いに納得できるところを探り合いながら、イラストの作業を進めていったのですね。

ゆーげんイラストレーターとして人生を変える覚悟が必要でしたが、結果的に見ると絵柄を変えてよかったと思っていて。肌のグラデーションの滑らかさや影の印象を出すことで、この世界観に重さと言いますか、質量を与えられたのは大きかったと手応えを感じています。

『ヘブバン』ゆーげん氏インタビュー。一部キャラ原案も担当し、部隊ビジュアルにはネタを仕込み――麻枝 准作品はイラストレーターとして培ってきた人生を変えるプロジェクトだった

部隊ビジュアルやキービジュアルに隠されたこだわりの仕掛け

――キャラクターをデザインするうえで、ほかに苦労したことがあれば教えてください。

ゆーげん縛りがある中で、キャラクターの個性をいかにデザインで表現するかが難しかったです。Keyさんが装飾の多いデザインを好まなかったのもありますが、アドベンチャーパートではキャラクターを複数表示するので、デザインが派手すぎると画面がごちゃごちゃしてしまう。これまでは、シルエットになったときでもどのキャラクターかわかるように、シルエットに特徴のあるデザインを考えていましたが、『ヘブバン』ではそれができないうえに、登場人物の数が50人以上と多い。しかも、キャラクター全員がプレイヤーにとって特別な存在になるように、デザインを考えなければいけません。

――どのような順番でキャラクターをデザインしていったのでしょうか?

ゆーげん31A、31B、31C、30Gまでをデザインした後に、ほかの部隊のキャラクターをデザインしていきました。世界観がまとまらないと、そのキャラクターがどこに立っているかをきちんとユーザーに伝えられず、ユーザーがキャラクターを納得して見てくれないと僕は思っています。ですので、第31A部隊を中心に世界観やゲームの部分ができ上がるにつれて、より一層彼女たちの立ち位置がわかるようになり、描きやすくなっていきました。

――とくにデザインするのに苦労したのは?

ゆーげんやはり第31A部隊ですね。主人公の茅森月歌が所属する部隊ということもあって、麻枝さんたちのこだわりも強いですし、制服姿の子が多いぶん、衣装で個性を出しにくかったので。第31A部隊は最初に描いたのですが、ほかの部隊を仕上げていく中で改めてほかの部隊のキャラクターと見比べてみると、少しだけ古臭く見えてしまうところもあったので、全キャラクターを仕上げてから、最終的に描き直して調整しています。

――オーケーが出たにもかかわらず再度描き直したのですね。

ゆーげんはい。何か物を作るときって、ふつうは工期などが決まっていて、決められた期間内に作業を終えたらおしまいになるんですけど、『ヘブバン』はそうはなりませんでした。全部作り終わった後にもう一周して見直してみようという、プロジェクトに対する丁寧な姿勢があったというのがすごく大事で、第31A部隊もその中で洗練されていきました。いまはリリースしてしまっているので、もう一周見直すのは難しいところもあるとは思うんですけど、『ヘブバン』プロジェクトのよさである“妥協しない姿勢”をこれからも貫いていきたいです。

『ヘブバン』ゆーげん氏インタビュー。一部キャラ原案も担当し、部隊ビジュアルにはネタを仕込み――麻枝 准作品はイラストレーターとして培ってきた人生を変えるプロジェクトだった

――なるほど。第31A部隊のほかに、とくに印象に残っているキャラクターはいますか?

ゆーげんどのキャラクターも印象的ですが、第31X部隊などはすごく自由にデザインさせていただいて、一部原案も担当させていただいたので……いちから作ったという意味では、クリエイターとしてものすごく思い入れがありますね。あとは、強いて言うなら第31B部隊のビャッコ。こちらも原案から参加しているぶん、思い入れが強いのもありますが、イラストレーターになって、まさかビャッコのようなトラを描くことになるとは思いもしなかったので(笑)。

――(笑)。ビャッコはすんなり描けましたか?

ゆーげん動物の絵は昔描いていて、トラの骨格表現も頭に入っていました。驚きはしましたけど、すんなり描けたと思います。キャラクターデザインを任されたからには、ビャッコだけほかの方に描いてもらうのは悔しいですから。

――そもそもビャッコは、どのような経緯で誕生して、第31B部隊に加わったのですか?

ゆーげん麻枝さんのアイデアです。トラを出すという、奇想天外ともとれる考えかたが麻枝さんらしいですよね。じつは第31B部隊にはもともと、ビャッコの飼い主である女の子もいました。ビャッコが隊員になったことで外れてしまったのですが、そのエッセンスは、教官の浅見真紀子に活かされています。浅見の腰のムチは、トラ使いだったときの名残なんです。このようにさまざまな理由からゲームに落とし込めなかった設定はたくさんありますが、エッセンスとして抽出し、それを再構築してキャラクターデザインに落とし込むようにしています。

『ヘブバン』ゆーげん氏インタビュー。一部キャラ原案も担当し、部隊ビジュアルにはネタを仕込み――麻枝 准作品はイラストレーターとして培ってきた人生を変えるプロジェクトだった
ビャッコ(左)と浅見真紀子(右)

――ゆーげんさんは部隊ビジュアルも手掛けられています。どのビジュアルも印象的ですが、構図などはどのように考えているのですか?

ゆーげん部隊ビジュアルに関しては、柿沼さんから「好きなように描いてください」と言っていただいて。もちろん、ゲーム上の制限はありますが、構図などはある程度自由に考えていて、僕なりに世界設定を詰め込むようにしました。たとえば、第31B部隊ビジュアルの背景には、輸送機があって兵士が作業をしていますよね。セラフ部隊が現場に到着するまでに、キャンサーを足止めする部隊がいるはずだし、彼女たちをサポートするバックアップ部隊も存在するはず……。そういった、ストーリーでまだ語られていないこの世界の情報を、少しでも感じてもらえるように意識しています。

『ヘブバン』ゆーげん氏インタビュー。一部キャラ原案も担当し、部隊ビジュアルにはネタを仕込み――麻枝 准作品はイラストレーターとして培ってきた人生を変えるプロジェクトだった
第31B部隊ビジュアル

――31Cや31Eの部隊ビジュアルの背景に描かれている鳥も特徴的ですが、これもゆーげんさんのアイデアですか?

ゆーげんはい。キャンサーは人類を襲ってきますが、そのほかの生物は襲われるのか。不思議ですが、作中では明かされていません。それで僕なりに考えて、背景に鳥を描いてみました。鳥は生物の中でもメッセージ性が強い存在です。皮肉ではあるんですけど、自由に空を飛べる鳥に対して、人類は自由に空を飛べなくなったというメッセージがプレイヤーに伝わればおもしろいかなと。今後、設定を考えるときに役立つかもしれないという思いもあって、イラストにはいろいろなネタを入れ込んでいますので、じっくり観察してもらえるとうれしいです。

『ヘブバン』ゆーげん氏インタビュー。一部キャラ原案も担当し、部隊ビジュアルにはネタを仕込み――麻枝 准作品はイラストレーターとして培ってきた人生を変えるプロジェクトだった
第31C部隊ビジュアル
『ヘブバン』ゆーげん氏インタビュー。一部キャラ原案も担当し、部隊ビジュアルにはネタを仕込み――麻枝 准作品はイラストレーターとして培ってきた人生を変えるプロジェクトだった
第31E部隊ビジュアル

――そういえば、キービジュアルにも「アレっ?」と思ったところがありました。茅森の足もとの水面に映った顔は、なぜか眼鏡をかけていますよね。あれは茅森ではないのかなと。

ゆーげんよくご覧になっていますね(笑)。

――やはり何か秘密があるのですか?

ゆーげんご指摘の通り、意味があってあのキービジュアルを描いていますが、ここでお話しすることはできません。ただ、キービジュアルは構図などをシンプルにしているので、ネタを仕込むことによって奥深いイラストになりますし、そこにイラストを描く醍醐味があると思っていて。クリエイターとしての僕の個性を出せているかなと考えています。

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キービジュアル

第31A部隊は束の間の休息!? 和気あいあいとした姿に注目

――週刊ファミ通 2022年6月9日号は、ゆーげんさんに描き下ろしていただいた100日記念イラストが表紙を飾りました。第31A部隊のメンバーとナービィが描かれていますが、コンセンプトは?

ゆーげん本当はいろいろなキャラクターを描きたかったのですが、数が多いので代表して第31A部隊の6人とナービィを選びました。そこからどんなイラストにしようか考えたときに、ファミ通さんの表紙を飾るなら、荒廃した世界を描くのは相応しくないなと思って。それに勇ましい表情の第31A部隊のメンバーたちは、ゲーム内で目にする機会が多いだろうと考えて、ナービィを中心にリラックスした表情で和気あいあいとしている姿を描くことにしました。サービス開始から100日の記念日を、第31A部隊のメンバーがお祝いしているような雰囲気が感じられるように意識して描いていますので、彼女たちの和やかな姿を見て、応援してくれているファンの方たちに喜んでいただけるとうれしいです。

――明るい雰囲気が表紙にピッタリですよね。ステキなイラストをありがとうございます!

ゆーげんお礼を言いたいのは、むしろ僕のほうなんですよ。ゲーム好きとして、自分が担当したタイトルがファミ通さんの表紙に取り上げられるだけでもありがたいことなのに、表紙のイラストを描き下ろす機会までいただけるなんて、夢にも思いませんでした。そういう意味では、麻枝さんとお仕事ができたことにも驚いています。というのも、僕の兄はKey作品の大ファンなんですよ。僕がプロのイラストレーターとしてデビューしたとき、兄が「将来、麻枝さんと組んでゲームを作れたらいいね」と、当時は冗談交じりに話していたのですが、まさか実現できるとは思いもしませんでした。

『ヘブバン』ゆーげん氏インタビュー。一部キャラ原案も担当し、部隊ビジュアルにはネタを仕込み――麻枝 准作品はイラストレーターとして培ってきた人生を変えるプロジェクトだった
100日記念イラスト

――『ヘブバン』で、ゆーげんさんの夢がつぎつぎと実現できているのですね。ちなみに、ナービィのデザインも、ほかのキャラクターのようにゆーげんさんが考えられたのですか?

ゆーげんナービィのデザインは、最初から決まっていました。ビジュアルアーツさんと打ち合わせをしたときに、スライムのような謎の生物がいると衝撃を受けたのをいまでも覚えています。ナービィが謎に包まれた存在であることは、いまも変わりませんが(苦笑)。

――(笑)。ナービィは、開発初期のころからデザインが変わっていなかったんですね。

ゆーげんビジュアルアーツさんにとって、ナービィは第31A部隊のメンバーと同じくらい強いこだわりがあるみたいで。じつは何度か、ナービィのデザインの改修案も出したんですよ。でも、そのたびに「ナービィはこのままで大丈夫です」と断られて。このシンプルなデザインに強い想いが込められているのだと思います。

『ヘブバン』ゆーげん氏インタビュー。一部キャラ原案も担当し、部隊ビジュアルにはネタを仕込み――麻枝 准作品はイラストレーターとして培ってきた人生を変えるプロジェクトだった

『ヘブバン』のIPを盛り上げるさらなる今後の施策とは?

――最後に、今後の展望についてお聞きしたいと思います。ゆーげんさんが『ヘブバン』でチャレンジしてみたいことはありますか?

ゆーげん『ヘブバン』はゲームなので、あくまでゲームの土壌で培っていくことが大事だと考えていますが、ゆくゆくはいろいろな企業やタイトルとコラボレーションしたいですね。たとえばコンビニとコラボできれば、作品の認知度をますます高められますし、新規のユーザーを増やすことができると思います。

――ナービィはすぐに商品開発ができそうですよね。ナービィまんじゅうとか、ナービィゼリーとか。いちばんやってみたいコラボは?

ゆーげん僕は自分がデザインしたキャラクターがフィギュア化されることを夢見てこの業界に入ったところもあるので、コラボを通してフィギュア化できるとうれしいですね。登場人物の数が多いから難しいとは思いますが、せっかくなら全員フィギュア化したいな(笑)。

――いいですね! 女の子たちはもちろん、ビャッコのフィギュアも楽しみです。

ゆーげんぜひそうなってほしいですね。もしかしたら、原型師さんにとっては女の子たちよりもビャッコのほうがフィギュア化しやすいかもしれません(笑)。いずれにせよ、コラボを通して『ヘブバン』のキャラクターがより多くの人たちの目に止まることで、キャラクターのことを好きになってもらい、意中の子と楽しめるようなコンテンツにしていきたいです。

――夢はどんどん広がりますね。

ゆーげん昔と比べて、いまは新規IPを作るハードルが高いですし、コンテンツが増えている中で、たとえリリースにこぎつけてもヒットさせるのが難しいのではないでしょうか。ユーザーの目線で考えると、膨大なコンテンツの中から当たりを見つけるのもたいへんですからね。そういった状況だからこそ、がんばって新作を出しても、なかなか手を出してもらいにくい時代になっていると思います。この流れが続いてしまうと、新作がますますリリースしにくくなってしまい、ヒット作の続編だけが作られるようになってしまう。そうなるとゲームファンとしてガッカリしますし、クリエイターとしても寂しいですよね。この時代に、『ヘブバン』のようにオリジナルの世界観やキャラクターを作ることができたのは、クリエイター冥利に尽きますし、できることならサービスを長く続けていきたいと思います。最初にお伝えした通り、サービス開始から半年~1年間の期間が非常に大事だと考えているので、多くのファンの方たちに今後も応援してもらえるように、引き続き麻枝さんや柿沼さんたちと協力して、『ヘブバン』というIPを盛り上げていきたいです。