本稿では、新旧さまざまなアニソンの中から筆者イチオシの1曲をピックアップ。その歌やアーティストにまつわるちょっとした情報をお伝えします。今回は、アニメ『魔法陣グルグル』第1期のエンディング主題歌『Wind Climbing～風にあそばれて～（ウインド クライミング カゼニアソバレテ）』に注目しました。
※以下、『魔法陣グルグル』のネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください！
懐かしい思い出の曲……のはずが!?
今回ご紹介する『Wind Climbing～風にあそばれて～』を歌うのは、数々のアニメ主題歌を担当してきた女性シンガーソングライター・奥井亜紀さんです。彼女のタイアップ曲といえばアニメ『ポケットモンスター ベストウイッシュ』のED曲『心のファンファーレ』やアニメ『∀ガンダム』の『月の繭』などがありますが、そのなかでも本曲は奥井さんの出世作ともいえるでしょう。
奥井亜紀「Wind Climbing ～風にあそばれて～」
『魔法陣グルグル』は『月刊少年ガンガン』誌上で連載されていた衛藤ヒロユキ先生の人気ファンタジーRPG風マンガ。過去3度にわたるアニメ化を果たしており、この曲『Wind Climbing～風にあそばれて～』はアニメ第1作目の前期EDテーマでした。
また本作といえば、予想外の最終回を迎えたアニメ作品としても有名です。というのも第1作目の最終回では魔王ギリとの最終決戦を目前にしながら、主人公たちが「やっぱりやーめた！」といきなり戦闘放棄して帰還する展開に。続くアニメ2作目もけっきょく魔王ギリは倒されず、それから約17年ぶりの新作アニメでようやくクライマックスを迎えます。
物語の結末は伏せますが、その最終回の挿入歌として流れたのが『Wind Climbing～風にあそばれて～』。数十年ぶりのアニメでの登場は懐かしさとともに視聴者の胸に迫る、まさに“エモい”演出。
“平坦な道じゃ きっとつまらない”、“這い上がるくらいで ちょうどいい”と謳った本曲の通り、平坦ではない道を這い上がったアニメシリーズの最後を華々しく飾りました。
現在奥井さんのYouTubeチャンネルでは、そんな本曲のPVとライブ映像を配信中。大人になったいまだからこそ心に響く歌詞と歌声を、ぜひこの機会に堪能してみてくださいね。
