2022年6月3日に発表された新家庭用ミニハード“メガドライブミニ2”。

 収録タイトル50本+αの中から11本が発表され、メガCDタイトルの対応や、オリジナルタイトルであるメガドライブ版『ファンタジーゾーン』など、往年のファンをも唸らせるタイトルがズラリと並び、大きな話題を集めた。

 そして2022年6月24日、ファミ通.comの編集部からお届けするWeb生放送番組"ファミ通LIVE"内にて配信した“メガドライブミニ2 夢、叶えし者”にて、新たなタイトルと、周辺機器が発表された。

 そんなメガドライブミニ2の鍵を握るのが、前回のメガドライブミニ同様に本機でも開発に関わり、セガ社内でも随一のセガファンとして知られる奥成洋輔氏だ。本

 記事では、収録タイトル発表第2弾を受けて、奥成氏へのインタビューをお届け。なお、前回の発表時のインタビューから引き続きのインタビューとなっているので、併せてチェックしてみてほしい。

メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?

奥成洋輔 氏(おくなり ようすけ)

セガ クラシックハードプロデューサー(文中は奥成)

メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?

収録タイトル発表第2弾

発表された周辺機器

  • サイバースティック(いわゆるフライトコントローラ)
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許諾! 許諾! 許諾の道!

――第2弾のタイトル発表にも驚きました。まず前回のインタビューでも『まじかる☆タルるートくん』の収録に触れましたが、テレビアニメが原作の『ふしぎの海のナディア』まで収録されるとは思ってもいなかったので。

奥成ありがとうございます。この場を借りて、改めてバンダイナムコエンターテインメントさんとNHKエンタープライズさん、東宝ミュージックさんにお礼を申し上げます。

 とにかくキャラクターゲームの復刻というのは大変です。もともとキャラクターもののゲームはその作品がいちばん盛り上がっている時期に出るものじゃないですか。たとえばテレビアニメ放送中ですとか、とくにそういったタイミングに発売されていましたよね。だから、キャラクター展開が一度落ち着いた時点でゲームなどの販売も終了しますので、その後は移植の機会に恵まれることも少なく歴史の中に埋もれてしまいがちで。

 イレギュラーなタイミングで移植したいとお願いする場合、権利を持つ方々を探し出して、一社一社へ相談させていただくのですが、そのうちどこかひとつでも許可をいただけなかったら実現できなくなります。なかなか体力のいる仕事です。

 でも、当時名作として語られていながらそれで日の目を見ないというのは悲しいじゃないですか。リメイクや配信などの機会がなかなかないキャラクターゲームだからこそ、メガドライブミニ2くらいの大きなプロジェクトを動かすチャンスがあるときにキャラクターもののゲームを収録しようと思ったのです。

――きっと複雑でたいへんなのだろうなと予想していますが、やはりキャラクターものの権利関係というのは苦労されるのでしょうか。

奥成初代メガドライブミニで実現した『幽☆遊☆白書 ~魔強統一戦~』、『アイラブ ミッキー&ドナルド ふしぎなマジックボックス』のときも、最初の移植希望リストアップの中に入ってはいましたが、正直「実現すればラッキー」程度の考えで、実現は難しいだろうと思っていました。

 ところが実際に話を進めていくと、ライセンサーの皆さんが“メガドライブの30周年記念”ということを好意的に受け止めてくださって、無事に収録することができました。そして、お客様からも予想通りの反響をいただくことができました。

 とはいえ「前回好評だったから今回もやろう」とかんたんにできることではなくて、実際に動き始めるとやはり一からスタートです。

 たとえば『まじかる☆タルるートくん』はおもに東映アニメーションさんのおかげなのですが、それだけではなく、オープニングもエンディングもテレビアニメと同じ主題歌がBGMとして流れるので、キャラクターライセンスとは別に楽曲の許諾が必要でしたし、ゲーム内にはタルるートの声を演じていらっしゃるTARAKOさんらの声が使用されているのでそれも許諾を取っています。

 ただ、それが相談できるのって、もともとセガが発売したゲームだからなのですよ。当時の契約書などを掘り返して交渉ができますので。ですから今回はもう1歩冒険して、セガのタイトルではなく、バンダイナムコエンターテインメントさんの開発、販売したキャラクターものを「移植させてほしい」とお願いしてみることにしました。

――それが『ふしぎの海のナディア』につながるわけですね。

奥成ええ。まずバンダイナムコエンターテインメントさんに「『ふしぎの海のナディア』を移植させてほしい」とご相談させていただいたところ、快く許諾してくださいました。ただしバンダイナムコさんに許諾いただけるのはあくまでゲーム部分です。

 で、そのつぎは『ふしぎの海のナディア』という作品の権利を管理されているNHKエンタープライズさんの許諾が必要です。NHKさんに許諾を取りに行ったところ、ちょうど放送開始30年記念イベントを開催されていることもあってかこちらも快く許諾をいただけました。

 最後にこのゲーム版『ふしぎの海のナディア』は主題歌がBGMとしてオープニングで流れて、しかも歌詞まで表示されます! ですので、こちらの権利を管理されている東宝ミュージックさんにも許諾をいただきました。これらの中からどれかひとつでも許諾を得られなかったら実現できないお話でした。

メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
『ふしぎの海のナディア』
メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
『ふしぎの海のナディア』
(C)NHK・NEP
(C)Bandai Namco Entertainment Inc.

――いやそれは……もう本当にたいへんな道のりですね……。

奥成それでもメガドライブの思い出として『ふしぎの海のナディア』を遊んでほしかったんですよね。

 いまって、サブスクが普及して昔のアニメや漫画を見る機会がすごく増えたじゃないですか。『まじかる☆タルるートくん』も『ふしぎの海のナディア』も配信されているのでいまでも気軽に観ることができますよね。これを機会に原作のアニメを観てみたり、観直したりということもできるんです。

 ちなみに、『ふしぎの海のナディア』は、メガドライブを持っていた『ナディア』ファンにとってはかなり話題になった作品でした。テレビアニメ放送中に発売されたゲームで、じつはエンディングがテレビアニメで放送されるよりも先にゲームで体験できたのです。

 ただし、ストーリーはテレビアニメと違います(笑)。これ、後から知ったところによると、ゲーム版は最初の原案書で企画されていたストーリーをもとに制作していて、テレビアニメは制作中にストーリーが変化していったので後半のシナリオが違うそうなんです。

――そんな裏話が(笑)。キャラクターものはこれだけではないのでしょうか?

奥成そこはやはり気になりますよね。じつはこの2作だけではありません。今後もぜひご期待ください。

 ですけど、やはりとにかく収録のハードルは高いんです。さまざまな事情により、残念ながら交渉しても実現に至らなかったケースもありました。そこは我々の勝手にできるものではありませんので、各関係者様の方針として、受け止めています。

 逆に言えば、これから発表していくタイトルはライセンサーの皆さんがこのお祭りに快く参加してくださったタイトルばかりです。今後もそういったタイトルで盛り上がりたいですね。

――あの~なんだか許諾の話を聞くと実現しなさそうなんですが……超個人的にはメガCDの『キャプテン翼』が収録されてほしいんですよ。シリーズ作品の中でも随一に、すごくいいゲームで、みんなに遊んでほしくて……。

奥成あぁ~……それはセガ発売タイトルではなく、テクモさん、現コーエーテクモゲームスさんのゲームですね……。メガCD版だけの対戦モードがあって、発売から1年以上、セガ社内で昼休みに対戦でずっと遊んでいたスタッフたちがいたほど根強いファンがいるタイトルだというのは認識しています。

 テレビアニメの『キャプテン翼』は、初代や『キャプテン翼J』、2019年版など、リニューアルして何度も制作されているんですよね。声優さんも毎回一新されているのですがメガCD版『キャプテン翼』は初代テレビアニメ版の声優さんが30人以上出演されていて、しかも、テレビアニメの放送が終わった数年後に発売しているのに全部新録なんですよ。

 ということもあり、収録するとなると原作のライセンスはもちろん、声優陣の許諾が必要で……。また、近年もさまざまな新作ゲームがリリースされていますし。といった中で収録されるかどうかは……ノーコメントで(笑)。

――ううーん!? こ、これどっちだろう……!? ごめんなさいのほう……!?

奥成皆さんやはり、入れてほしいソフトがたくさんありますよね(笑)。「あれがないじゃん!」はこの手のミニハードでは付き物ですし、「アレがないと買わない!」と言われることも多々です(笑)。

 やはりソフトがたくさんありますし、皆さんの思い入れも大きくタイトルごとに違うでしょう。そういった中で、なるべく皆さんの想いや好みに沿ったタイトルを、今後も発表していければなと思います。

本当に夢、叶えし者

――第2弾の発表はナムコタイトルやタイトータイトルが多く含まれている印象です。『ナイトストライカー』や『スターブレード』などは、とくにファンにも喜ばれると思います。

奥成初代メガドライブミニではバンダイナムコエンターテインメントさんからは『レッスルボール』を収録させていただき、タイトーさんは『ダライアス』を作らせていただけました。そのため今回の話自体はスムーズに進みました。

 ただ、前回はバンダイナムコエンターテインメントさんのタイトルは、結果的に1本になってしまいまして。というのは、初代メガドライブミニの方針として、なるべくメガドライブでしか遊べなかったタイトルを採用したい気持ちが強かったんですね。

 と言いつつもカプコンさんの『大魔界村』や『ストリートファイターIIダッシュプラス CHAMPION EDITION』なども入ってはいるのですが。たとえば『大魔界村』はアーケードではなくメガドライブで初めて触った人も多くいるのでメモリアル的な意味でもあったほうがいいだろうと考えました。

 また、『ストリートファイターIIダッシュプラス CHAMPION EDITION』は、せっかく6ボタンあるコントローラなのだから、いつでも遊べる対戦格闘ゲームの金字塔としてあるべきだと判断して収録させていただいたものです。そのほかにも、アーケードからの移植タイトルで、メガドライブ版オリジナル要素を持つタイトルも採用しています。

 逆に、純粋なアーケードの移植を目指したゲームは前回あえて避けていたのです。その結果「メガドライブなのに、アーケード移植タイトルが少ない!」という声もいただいていました。

 ですので、今回メガドライブミニ2では逆にそこを攻めようと、バンダイナムコさんやタイトーさんのアーケード移植タイトルを今回収録することになりました。セガとしても『アウトラン』、『アフターバーナーII』といったメジャーな移植タイトルを収録しています。

 ですが、せっかくメガドライブミニ2というお祭りの中で、ただ移植するだけではおもしろくないだろう。『アフターバーナーII』を移植するんだったら、ということで……。

メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
『スターブレード』
STARBLADE TM& (C)Bandai Namco Entertainment Inc.
メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
『ナイトストライカー』
(C)TAITO CORPORATION 1989, 1993 ALL RIGHTS RESERVED.
メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
『アウトラン』

――ああ、そこが“サイバースティック”につながるのですね! とは言え、サイバースティックは昔のパソコンであるX68000シリーズ向けの周辺機器ですよね。なぜ今回、メガドライブミニ2向けサイバースティックというものが?

奥成少し長くなるのですが、その経緯をお話させてください。

 当時、電波新聞社さんが移植されたX68000シリーズ向けの『アフターバーナーII』がものすごくいい出来で。友だちの家で遊ばせてもらったときに感動したのを覚えています。しかも、まるでアーケード筐体のような操作が味わえるサイバースティックが強烈な存在でした。

 「うわーッ! ほしいーッ! でもX68000は30万くらいだから買えないーッ!」と、高校生ながらに悶々としていましたね。

 そして、その後メガドライブで『アフターバーナーII』が移植されると聞いてものすごくうれしかったのを覚えています。そしてさらに、「メガドライブで発売されるとなったら、そりゃあ電波新聞社さんがメガドライブ用サイバースティックを出してくれるんだろう」と思っていたんですよ。

 電波新聞社さんは、メガドライブにも対応している“アナログ・ジョイパッド”XE-1APという、名だたるハードのコントローラよりも先にアナログスティック操作に対応したコントローラを発売しました。

 ……それもいいんですが、僕が本当に欲しかったのはサイバースティックなんですよ! メガドライブ対応のサイバースティックで『アフターバーナーII』を遊ぼうと思っていたのに、いつまで経っても発売されませんでした。

 まあ、いまになってみると、なぜ発売されなかったのかもなんとなくは察するわけですが……。

――それほどまでに、サイバースティックは奥成さんにとっての憧れの存在だったんですね。

奥成はい。ですから今回『アフターバーナーII』を移植するので、今度こそ僕は「サイバースティックでメガドライブ版『アフターバーナーII』を遊びたい!」と、動き出したわけです。

 ただ、「かくかくしかじかで、サイバースティックというものを作りたいです。シャープさんにはまだ許可を取っていませんが」とうちの会社の上層部に言っても、やはり首をかしげる反応が返ってきまして(苦笑)。

 「ああ、メガドライブミニ2をもってしても、さすがにサイバースティックは通らないのかこの会社は……」と絶望していました。いや、それが常識的な会社だと思いますが(笑)。

――(笑)。そこからどのように実現を?

奥成セガがダメならと、電波新聞社さんにお願いしてみることにしたんです(笑)。

 サイバースティックはシャープさんが開発・発売した製品なんですが、電波新聞社でもOEM販売していて。じつは電波新聞社さんに知り合いがいまして、その人から「いつかもう一度、マイコンソフトブランドのコントローラを発売したいんだ」という思いの内を以前から聞かされていたんですね。

 だから「ねぇねぇ! サイバースティック作らない!?」って声を掛けたんです。

 さらに、サイバースティックはシャープ、電波新聞社だけでなく、開発にはユニオン電子工業さんという会社も関わっています。そこでユニオン電子工業さんにも相談しまして、実際に開発に携わった方とも意気投合しました。

 だいたい座組もできたぞというところで、最後にシャープさんに相談させていただきまして、そこでついにメガドライブミニ2向けのサイバースティックが実現したのです!

メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
『アフターバーナーII』
メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
『アフターバーナーII』
(C)SEGA
Produced under a license from Northrop Grumman Systems Corporation.
F-14D Tomcat is a trademark of Northrop Grumman Corporation.
メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
サイバースティック
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――番組タイトルの副題は『龍が如く』シリーズのサブタイトルを引用しつつも、本当に“奥成さんの夢が叶った”という意味だったんですね(笑)。

奥成そうです! また、『アフターバーナーII』がサイバースティックで遊べるぞ! となったら、やはり対応ソフトはいくつか欲しいですよね。ほかにアナログスティック向けのタイトルといえば、『ナイトストライカー』や『スターブレード』だろうということで収録を決めた経緯もあるんです。

――なるほど。サイバースティックは電波新聞社さんが発売される商品ということですか?

奥成そうなります。電波新聞社さんが製造・発売します。実際にはPCでも使用できるようにするそうですが、ほぼメガドライブミニ2専用に近いものになるかと思います。なおメガドライブミニ2でアナログ操作が可能な公式コントローラはこのサイバースティックのみとなります。

――しかし、昔ながらのアナログスティックまで復刻してしまうとはすごいですね。

奥成現在手に入るフライトスティックって、もう本物の操縦桿に近くなっていて、ゲームライクなフライトスティックってもう15年くらい出ていないんですよ。

 最近のフライトゲームはリアル志向のものがほとんどですから、それに合うのは本物に近いフライトスティックで実物に近いほどに重く、些細な操作で微調整できるのがやはりいいところだと思います。

 しかし今回発売するサイバースティックのように軽い感じでキビキビと動かせるほうが、ゲームライクな昔のタイトル操作には合っているんです。

 私の場合だと、2013年にニンテンドー3DS向けに発売した『3D アフターバーナーII』とかも、作っていながらも「やっぱりフライトスティックで遊びたいよなぁ」と思う節があったり、実際ファンから言われることもありました。ニンテンドー3DSにはコントローラが付けられませんが、今回はハードを発売するのだから行けるだろう! と思ったのも、今回の着想のひとつでした。

商品名:サイバースティック
発売元:電波新聞社
対応ハード:メガドライブミニ2、PC
発売日:2022 年10月27日
※メガドライブミニ2と同時発売予定
価格:19800円[税込]

日の目を見たメガドラ版『スターモビール』

――そして『スターモビール』なんですが、これはボーナスタイトルとあります。見たことがある程度ですが、X68000やPCエンジンのタイトルとして認識していました。これはどういった……? メガドライブ版があったのですか?

奥成メガドライブ版『スラップファイト』を開発したマインドウェアさんという会社があります。以前から面識があったので、初代メガドライブミニでは『スラップファイト』を移植したいと許諾を取りました。

 初代メガドライブミニが終わったあと、社長の市川さんから「じつはこういうゲームをメガドライブで昔作ったんだよ」と言われまして。「作ったんだけど、当時いろいろとあって、ゲームは完成したのに発売されなかったんだ」と、お蔵入りになったのがメガドライブ版『スターモビール』だったんです。

 だったら、メガドライブミニ2に入れちゃおうか! と、今回採用したわけです。

メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
『スターモビール』
メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
『スターモビール』
(C)Mindware

――えぇ~! じゃあ本当にお蔵入りとなったボツの移植タイトルを、今回採用したと!

奥成そうなんです。『スターモビール』はX68000版がオリジナルで、PCエンジン版はナグザットさんが移植されて発売されたそうなのです。

 メガドライブ版はそのあとの発売を予定していたこともあり、いちばんよくできている『スターモビール』だという話もうかがっていました。私はメガドライブ版が初めてだったのですが、時期的には初代『コラムス』が出たころの作品で、ああいうシンプルでコツコツ遊んでいく楽しさがありますね。

――ちなみに、当時お蔵入りになってしまった理由などはありますか?

奥成当時市川さんたちがデベロッパーとしてソフトを完成させた後、複数のパブリッシャーと交渉して発売も見えていた状況だったそうなのですが、社長であった市川さんが大病を患ってその時の会社を閉じざるを得ない状況になってしまい、発売も宙に浮いてしまったんだそうです。

 すでに完成したゲームで、しかも英語版までしっかり入っています。それでも発売できなかったことに、悔しい思いがあったそうです。

――それを甦らせたのがメガドライブミニ2なんですね。あとは、バッファロー製USBハブは引き続き対応し、USBマウスにも対応しているんですよね。

奥成はい。バッファロー製USBハブは多人数プレイを可能にするもので前回もたいへん好評でした。だったら、4人で遊べる『イチダントアール』も遊びたいよね、ということで『イチダントアール』を収録しました。

 ただ、それだけですと寂しいですから、前回入れられなかった、最大5人で遊べる『コラムスIII 対決!コラムスワールド』を採用しました。

 あと何かできないかな、と考えたときに、メガドライブにもマウスがあったなと思い、マウスに対応させることにしました。『夢見館の物語』や『スターブレード』がマウスで遊べます。

 USBハブは前回のものが引き続き使えますし、あとバッファローさんが過去にメガドライブミニに対応して発売していたコントローラは、メガドライブミニ2も対応はしています。持っている方はそのまま使えますよ。

メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
『イチダントアール』
メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
『コラムスIII 対決!コラムスワールド』
メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?
『スターブレード』
STARBLADE TM& (C)Bandai Namco Entertainment Inc.

――次回の発表も楽しみにしています! 今回も驚きの連続でしたが、次回以降も?

奥成はい! そこはぜひご期待を。あと3回残っていますね(笑)。ボーナスタイトルが『ファンタジーゾーン』と『スターモビール』、そしてサイバースティックときて、次回以降は何も発表はありません! ……だと皆さんズッコケちゃうと思いますので、引き続き楽しみにお待ちください。 

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